『市民社会』を活性化させていく
2023.9.2(土)
北九州市小倉北区で
『NPO・ボランティアフォーラム』を開催しました!
これは、NPO・市民活動の分野で活動している個人・団体のメンバーで横繋がりに協力・連動しながら主催しているフォーラムで、6回目?の開催となりました。
ぼくたち好きっちゃも主催の一員ということです!
過去の開催履歴はコチラ!
前回は、災害対応のため、参加できなかったのが残念でした・・。
前回の開催趣旨や宣伝の記事がこちらです!
そして、今回は、京都の龍谷大学から川中大輔先生をお招きし、
『人が育つ組織とは?』と題して、開催いたしました。
人が育つ組織とは??
というタイトルから、
NPOやボランティアグループで最も大切と言っても過言ではない『チームマネジメント』系のお話かと思いきや!
と思いきや!です(笑)
もっと素地の、とても大切なテーマ設定のお話でした。
それは、ぼくたち一人ひとりが、『どんな市民』であるか、『どんな市民』になるか、『どんな市民社会』をつくっていくのか。
という根本的なテーマです。
NPOやボランティア活動というのは、
何らかの活動で、小さくとも大きくとも、地域・社会参画していこうとするアプローチです。
ぼくたちの活動において、
ぼく自身が、メンバー自身が、どんな気持ちや感性の素地をもって活動するのかが重要であり、活動を通じて、市民社会に対して、どんな輪が大きくなったり、波が拡がっていったりするかを感じていくことが重要なんだろうと思います。
ハウツーというよりも、そんな根本的な『ハート』の部分での講座設定になったと感じています。
この講座設定に置いて象徴的で、印象的だったのは、川中先生からの最初の質問です。
<質問です>
Q:私の参加により、社会現象が変えられると思いますか?
①変えられる、②まあまあ変えられる、③あまり変えられない、④全く変えられない
という4択だったとしたら、いかがですか?
どれを選択されますか?
この質問での、若者を対象とした調査において、
日本と、他の世界各国と比べ、
断トツで、日本の意識が低いという結果があるそうです。
つまり、『私が参加しても何も変わらない』という傾向をもっている国ということです。
若い世代が悪いんじゃないですよね。
そんな世の中を見てきて育っています。
そんな人や社会に育てていってしまっているということです。
もっともっと厳密に言えば、
仕事をしてお給料もらって、それも実は社会を動かしている一部ではあるはずなんです。
子どもを産み、育て、次の市民をつくっていき、生活し、消費し、それだけでも、社会の一員であるはずです。
でも、
参加すること、参画すること、
何も変わらない、変えられない、と思ってしまうのか・・・。
貢献度合いや、関わり合いの喜びや達成感を感じられないからかもしれませんね。
ぼくたちNPOやボランティア活動においては、この部分はすごく意識しています。
自分が参画することで、少しでも、わずかでも、何かが変わっていく、何かが進んでいく、誰かが喜んでくれるんじゃないか。
そんな根本的な目的意識をもっているように思います。
このような体験や経験が、少しずつ培われていくことで、先ほどの質問結果も変わってくるんだろうと思います。
これはボランティア活動に限ったことではないと思います。
仕事をし、それに誇りをもち、自分を認めてあげられたら、全然違うと思います。
地域のなかで子どもを育て、人と繋がり、関わり合い、地域社会の一員として生活があることが実感できると、全然違うと思います。
もうひとつ、とても大切な切り口だなと深く感銘を受けたことがあります。
それは、3つの『セクター』の考え方です。
①市民セクター
②市場セクター
③政府セクター
の3ジャンルです。
③政府セクターから説明すると、分かりやすいですかね。
市や国などの行政や、政治などで社会が動いていくことです。
②市場セクターは、民間企業や経済活動のことですね。
商品を買い、サービスを受け、というやりとりのことです。
①市民セクターは、住民組織や、地域活動、NPOやボランティア活動の大半はこれに属すると思います。
この3つのセクターがあり、社会をつくっているということですね。
『社会が変わらない』のは、
③政府セクターのせいだけにしてないでしょうか?
政治が悪いから世の中が悪い?
その政治を選んでいるのも①市民セクターですよね。これが政治参画とも言えるかもしれません。
選挙のような行為だけでなく、行政との対話や協働も働きかけができるかもしれません。
②市場セクターは、社会をつくっていく上で、とても大きなムーブメントを持っていると思います。
流行を生んだり、文化をつくっていくのは、②市場セクターのテリトリーがとても大きいと思います。
市場の動きも、市民一人ひとりが選んで、選ばれて進んでいると言えますよね。
結語として、
①市民セクターのチカラがとても大切だということ。
根本的なその意識をもっていけることが大切だということかと思います。
それぞれのセクターは密接に関連しています。
市民セクターからムーブメントを起こしていくことだってできると思います。
ムーブメントと言えるほど大きなものでなくとも、
小さな小さな、とても大切なものもあるかと思います。
先日、この講座のふり返りと、次なる繋がりのステップに向けた検討会を行いました。
様々な論点で議論がありましたが、とても大切な要素を次回以降に考えていきたいと思っています。
それは、『面と点』の考え方です。
言い方を変えれば、『量と質』とも言えるかもしれません。
はたまた、『マジョリティとマイノリティ』と言えるかもしれません。
NPOやボランティア活動において、
例えば、その成果は?効果は?と問われても、明確な指標は無いように思います。
事業評価や予算の投入においても、
「何人が参加しましたか?」というような単なる数値評価にしてしまった場合、
たとえ1万人が参加したとしても浅く広いものなのか、
たった1人であったとしても、とてもとても大切で、尊く、深い、変容や成長があったのか。
これを天秤にかけることはできません。
たとえ少数であったとしても、それを大切にしていくことが、①市民セクターの特徴でもあると思います。
そんな、面と点。量と質。
のような相反するものだと思います。
もちろん、両者とも大切なのだろうと思いますが、
例えばぼくたちの活動でも、
今年度は4,000人が活動に参加していただきました。
という事業報告をするのか。
例えば、一人、こんな子がいました。ぼくたちの活動を通じて、こんな成長をしていく姿を見ることができました。
と言うのか。
そんな違いがあるものと思います。
今年度はあと2回ほど、フォーラムを開催する方向性ですが、
こういうテーマ設定も踏まえつつ企画していこうと考えています。
ふりかえりと、次回以降の方向性が入り混じりましたが、
『人が育つ』というなかで、
市民社会をつくっていくんだという根本的な想いを改めて感じる機会となったと思いますし、
とても背中を押され、勇気づけられたと思います。
今日もご覧いただきありがとうございます。
<1年前の”今日”の記事★>
この記事ー!!!
700件以上記事を書いてきましたが、この記事が一番『謎』です(笑)
注目記事にも選ばれてもないのですが、
毎月1,000件以上のビューを今でも積み上げております。
ネット検索などで引っかかって、この記事をご覧になる人が多いんでしょうね。
<2年前の”今日”の記事★>
『協働』の考え方で注意しなければならないものです。
それは主従の関係になってしまっていないか、というものです。
『ともに主体的』に力を出し合う場合に、
どちらかが主で、どちらかが従だと、協働にはなりません。
「協力する」「手伝う」なんて口から出たのならば、もう『従』でしかないですね。
協働する相手方にも『主』になっていただけるように、言動に配慮していくことが重要です。
難しいですけどね!!(笑)
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