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会社をたたんだ話

◼︎目次
1.  そもそもなぜ起業?
2. どんなサービスをする会社?
3.  学んだこと
4.  たたむという決意

1. そもそもなぜ起業?

動機1 

大学2年の4月、自分って大学卒業したら何の仕事をするんやろな〜、将来何を目指したいんやろ…といった心境だった。この時、ぼくは仕事=したくないものという認識だった笑

腐った目をして毎日ハムスターのように餌を求めて、愚痴しか言わず、会社にいく中年のヨボヨボサラリーマンになりたく無かった。

あ〜何でそんなにイヤな顔してるのに会社に向かうのだろう。

ぼくはイヤなことはしたくない!そんな事を通学中の電車で、強烈に感じていた。(⚠︎サラリーマン、経営者、個人事業主、投資家問わず、どの職業でも情熱を持って働いてる方はどんな方でも強烈に尊敬しています。誤解を招きそうな表現なので、断言します)

そんな時、たまたま本屋に行くと10年後の仕事図鑑という本が、ぼくを惹きつけた。

この頃、久しく読書から遠ざかっていた自分が、その日のうちに読了したのを覚えている。

ここにはAI、ドローン、仮想通貨、ブロックチェーンなどのテクノロジーがどのように仕事を変えていくか。なくなる仕事と伸びる仕事とは何か。

これまでビジネスに関心があまり無かった、ぼくでも分かるように記載されていた。

テクノロジーが人間のイヤな仕事を担うことで、人間は好きなことや趣味に没頭する時間が増えて、より豊かになる。

このような記載がされていて、ぼくにとっての仕事の概念が180°変化した。

なるほど。これから産業革命が起きるのか。

テクノロジーがどんなビジネスをつくっていくか、という興味関心・ワクワク感がぼくの中で爆発した。

(そこから狂ったように毎日ビジネスのことを考えて情報収集している。)


動機2

ぼくは昔からスポーツが好きだった。

これは余談ですが、小学生の時はヨーロッパで活躍するサッカー選手の移籍金や、来季のチーム予想、フォーメーションについて考えるのが好きでサッカー雑誌読みながら授業受けてた記憶があります笑。これ結構あるあるだと思ってて、プロ野球とかプロサッカー好きな子どもって机にそういうの書きがち!僕もその1人でした笑。

それはさておき、僕がスポーツを好きな点は

国籍、性別、宗教、学歴など全てをフラットにして、みんなを情熱の渦に巻き込む瞬間が、スポーツというコンテンツに詰まっていると感じていたからです。

だから、大学でそういったスポーツがもつ概念的な事を学びたかった。

一方で、大学は期待していたものと異なり、カリキュラムに沿った単位を消化する日々が、ぼくには退屈だった。刺激がなかった。何一つ情熱を持たずに生きている自分が嫌だった。

そんな時に大学で仲良くなったサッカー部の友人が、”自分はそんなに上手くないけど、海外の下部リーグでいいからプロになりたい。ただ、お金のことを考えると…”

と言った。

特に目立った実績をあげることもなく、高校でサッカーを辞めていた自分はプロになりたい意志を持ってる友人を尊敬した。彼のような挑戦する人々を応援したかった。力になりたかった。


この動機1と動機2が、僕の中で大きく重なり起業をするという決断を下した。

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2. どんなサービスをする会社?

一言で言えば、”トークンを用いたスポーツ特化型のクラウドファンディング”をしようとしていた会社です。

言いかえると、”スポーツ選手やスポーツチームの出世払いを支援するサービス”をしようとしていました。

以下のスライドに詳細を記載させて頂きました。


3.  学んだこと

本当に数多くの学びがあったが、特に印象的な学び3つを記載させて頂きます。

①自ら主体的に行動することで一気に出会いの幅、学びが広がるということ

普段会えないような方々も自ら主体的に動いていると会ってくれるし、アドバイスもくれる。素敵な仲間にも出会える。

僕が好きな言葉の一つでもある、

リクルート創業者 江副さん
「自ら機会を創り出し、機会によって自らを変えよ」

という言葉がまさに該当すると思うが、ぼくはこのことに気づく事ができて本当に良かった。

②本当に良いプロダクトは極限までシンプルであること

ぼくはたまたま、foundersというプログラムを受講させていただけることになり、日本を代表する起業家の一人であるheyの佐藤さんにお会いさせていただける機会があった。

世の中を見てる解像度が違う。

異次元の人と出会った感覚を、生まれてから初めて体感した。

そんな方に後日、ぼくのピッチを見ていただける機会があり、さらに幸運なことにアドバイスもして頂いた。

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ぼくの思考の甘さを、瞬時につかれたような感覚だった。

ぐうの音も出ないぐらいの納得感があった。

Apple創業者スティーブ・ジョブズ
「選択するということは、何百ものいいアイデアにNoということだ」
Google創業者セルゲイブリン
「成功、それはシンプルから生まれる」

という言葉を何より痛感した。

③スタートアップは難しい

タイミング、経営チーム、ビジネスモデル、お金、全てがドンピシャにハマらなければ成長するのは難しい。本当にこれを痛感した。

(余談だが、HARD THINGSという書物がスタートアップの難しさを一番赤裸々に記載していると思う。面白いですよ!笑)

4.  たたむという決意

そもそも、会社での実務経験がない、ぼくは学ばなければいけないことが多すぎた。

経営戦略、マーケティング、ビジネスモデル、採用戦略、営業戦略、組織構築、ファイナンスなど、ビジネスに関わる知識は全て知りたかった。

具体的にこのビジネスを成長させていく方法を必死に考えた。

しかし、その間も何かと資金は溶けていった。

ぼくが金融庁に赴いた際に、このサービスをローンチするには以下に該当することから、第二種金融商品取引業の登録が必須になるとの通達をして頂いた。

<第二種金融商品取引業に該当する行為>
(金融商品取引法第28条第2項)
① 「有価証券」の自己募集・私募(第1号) 
・投資信託の受益証券や集団投資スキーム持分など一定の
 有価証券の募集または私募
② 「みなし有価証券」の売買その他の取引(第2号)
・みなし有価証券の売買
・みなし有価証券の売買の媒介・取次ぎ・代理
・みなし有価証券の売出し
・みなし有価証券の募集・売出し・私募の取扱いなど
③ 有価証券に関連しない市場デリバティブ取引(第3号)
・通貨に関する市場デリバティブ取引など
・通貨に関する市場デリバティブ取引などの媒介・取次ぎ・代理
・通貨に関する市場デリバティブ取引などの委託の媒介・取次
 ぎ・代理など
④ その他政令で定める行為(第4号)
・投資信託の受益証券等についての転売を目的としない買取り

これを取得するとなると、我々のような金融業界での経験もない学生には、相当ハードルが高い。

サービスのピボットか、受託でつなぐか、会社をたたむか。

この3つの選択肢がぼくにはあった。

サービスのピボットをまず第一に検討したが、良いアイデアが全く思いつかなかった。

第二に受託を検討したが、エンジニアの方々にぼくの不甲斐なさで受託を頼みたくなかった。ぼくのビジョンに同意してくれて、このチームにジョインしてくれたのに…という変なプライドがあった。

本当に申し訳なさしか無い、という感情がふつふつとぼくの心を支配した。

人生で一番肌荒れしていた。

これまで夢によって駆り立てられていた推進力が折られたような気がしていた。

僕たち経営チームが何らかの営業を受託するなどの方法ももちろん考えたが、外部からの資金調達を結果的に出来なかったこともあり、今キャッシュを確保しに何とかつなぐという方法を短期的に選択しても”僕たち一人一人の人生が豊かなものにならない。”そう感じている長期的な目線の自分がいた。

サッカーに例えるなら、短期的にパワープレーのスタイルで試合してても、強豪チームと試合するといつか勝てなくなるので、長期的に自分が理想とするパスサッカーを目指したいのような気持ちに近かった。(※別にパワープレーを否定している訳ではないです。個人の理想とする世界観やビジョンとは合致しないということの喩えです。)

どこかで修行したかった。

もっとビジネスに関する知識を身につけたかった。

結果を出せるビジネスマンになりたかった。

だから、ぼくは会社をたたむという決断をした。

自分の無力感に絶望した。

ごめんね、迷惑かけて。翔生、よしくん、佐々木さん。

そんな気持ちが僕の全身に纏わり付いた。久しぶりに泣いた。

そして、メンバーにぼくの意向を伝えた。

後日、司法書士の方に依頼して会社をたたんだ。



「オラに元気を分けてくれ〜〜!」