28.菅原道真と藤原時平のあいだで
新たな事務所の近くには時平神社なるものがありましたので、お参りに行ってきました。なんとなくですが、その土地の神様には挨拶しといた方が良いと思っているので。
さて、時平神社ってどんな神様が祀られているのだろう……。調べてみると、藤原時平という人物が祀られていることが分かりました。なんとこの人物、菅原道真を大宰府に左遷した張本人ではないですか!
資格にせよ何にせよ、何かしらの受験生の多くが菅原道真、すなわち天神様にお祈りをしていると思います。僕もその内の一人で、行政書士試験前に亀戸天神社の賽銭箱に千円突っ込んできました(笑)。それが何の因果か宿敵たる藤原時平に挨拶に行くことになろうとは……。
藤原時平自身は別に千葉県(当時は下総)くんだりまで来ていません。伝承によると、子孫の藤原師経が来て祀ったとのことですが、その「藤原師経」が何者なのかよく分からない。ふなっしーで有名な船橋には以下のような伝説があるそうです。
しかし同時代の「藤原師経」を調べると、平家打倒を図ったとされる鹿ケ谷の陰謀に加担した西光の子……という人くらいしか出てきません。その藤原師経は六条河原で斬首という結末を迎えているし、そもそも藤原時平の子孫でもないので、船橋市の伝説に出てくる「平穏の日を送った」藤原師経とは全くの別人っぽいです。
とにかく、どうして千葉県八千代市で時平信仰なるものが盛んになったのか、その由来には謎が多いです。なんと近辺には「時平神社」と名の付く神社が四つもあります。さらに「この地域の近くには、道真を恐れて、天神・天満宮はないとされる」とも言うそうです。(地図を見るとほどほどに離れた場所に天満宮がいくつもありました) 僕としては菅原道真に感謝をしつつ、藤原時平にも敬意を忘れないという態度でやっていこうと思います。