アメーバ組織をつくるにあたって最も大切にしていること
当社では重要なカルチャーの一つとしてアメーバ経営を行っております。
アメーバ経営とは、会社組織をアメーバ(細胞)と見立て小集団にわけて、そのアメーバ毎にビジョンや目標を立てて運営していく手法です。
会社を立ち上げて10人位の時は、頻繁に皆と直接コミュニケーションをとっていたので問題は起きませんでした。それが20人になっても毎月のTsuki-Ichiで語りあったりしていたので同じです。ただ、30人位になってくると見れる範囲にも少しづつ限界がきて、不満の声も聞こえてきたりしたので、マネージャが生まれたり評価制度ができたりなど仕組み化が始まりました。そんな中「皆が当事者意識を持ってイキイキ働けるにはどのような組織をつくればよいのか?」を自問自答しながら、2010年当時の皆と一緒に考えて生まれたのがアメーバ組織です。
300人チームの一人か、10人チームの一人か
どちらが当事者意識を持てるかといったら後者ですよね。人は所属欲求や承認欲求を持っているので、そのグループから外れてしまったと感じたり、自分はいてもいなくても同じだと感じてしまったら、当事者意識も持てないしやらされている感にも苛まれますので、本来のパフォーマンスを発揮できません。結果モチベーションも下がり心も離れ退職などにつながってしまう可能性もあります。逆に「自分はこのチームに必要とされているんだ!」「自分が頑張ったらこのチームの成果になる!」「だから自分のためにも仲間のためにも頑張ろう!」ってなったら最高ですよね。
なので、5人〜10人位を一つの組織と見立て、そのグループがそれぞれビジョンや目標を掲げ、その組織運営を信頼して任せる。1人が5人に、5人が15人に、15人が45人にとリレーションさせていく仕組みが出来れば、組織が大きくなっていっても大企業病にはならず、一人ひとりが当事者意識をもってイキイキと働ける組織になると考え、改良しながら今日までやってきました。
北極星を理解する
しかし、ただアメーバをつくるだけではダメで、それが本質的に機能していくには重要なことがあります。それはアメーバCEO(マネージャやリーダー)がいかに会社の北極星を理解し、志を持ってメンバーに伝え、導いていけるかです。
私たちはどんな価値観を持っていて、会社や社会の未来において何を成していきたいのか。つまり、理念やパーパス、ビジョンの理解です。
これを皆が心の底から共感し自分のストーリーに落とし込めたら、もう9割以上成功したも同然です。なぜならば、それを体得したリーダーやマネージャは、ただの伝言者ではなく伝導者となるからです。アメーバCEOが伝導者となることで、どれだけ階層が増えていっても、良い意味で自由闊達に当事者意識を持って取り組めるチームで有り続けられるので、組織は本質的な成長をしていけると考えています。
まずは経営陣から
そうした組織をつくるにあたっては、トップから率先垂範していくことが大切です。まずは経営陣が志を持って熱く語り、圧倒的な行動を見せていくこと。そのため当社では私を含めた役員陣、経営幹部陣(部長以上)から徹底的に理解を深めるべく、経営幹部合宿を定期的に行っております。
具体的なポイントを共有するために、昨年11月に行った経営合宿の内容を少しだけ公開します。
理念ロープレ大会
合宿で根幹となるのが理念ロープレ大会です。当社CHROの青山が提案してくれたのですが、これがめっちゃ良いです。
一人ひとりが相手のシチュエーションを設定して理念やパーパス・ビジョンを3分~5分位で熱く語る。それを聞いている判定官の"心が震える"という合格ラインに達するまでひたすら繰り返しプレゼンするというシンプルな構成。最初はお互い照れくさいのですが、真剣に取り組んでいる内に皆の熱量が段々と上がっていき、合格したときの歓喜や整理されたすっきりした気持ちなど、皆がそれぞれの言葉で理念を熱く語る姿に感動し、泣きそうになるくらい心が熱くなります。ちなみに弊社の人事チームはこれを数回実施して全員合格しています。さすが!お昼は合格が早い人から弁当を選べるというシステムなので、より皆一生懸命(笑)
仲良くなる
夕食後には皆で温泉に入り一旦リセット。コンビニでお酒などを調達し会議室の照明を落とし音楽をかけながらよりラフな雰囲気をつくり、目標達成にあたり社員がモチベートされるようなKPIや、皆がエンゲージメントをもってイキイキ働ける組織について熱く語り合います。合宿のもう一つの目的は、幹部層がより腹を割って仲良くなるということです。
仲良くなるというのは馴れ合いの関係というわけではなく、皆で目的を一致させ、その役割の違いを認め、尊重し、シナジーを出していくこと。私たち組織人は一人で出来ることの限界を知っています。だからこそお互いを理解し、リスペクトしてチームで力を合わせて取り組むことで、大事を成せると考えているのです。
アメーバ組織でも同じ。仲良くなることで、問題も機会も何でも言い合えるような心理的安全性の高いチームができ、イノベーションが生まれるのです。だから各アメーバ組織をはじめ私たち経営陣アメーバもとても仲が良いです。
コミットメントパッションスピーチ
翌日、朝から温泉にて二日酔いも吹っ飛ばし、最後にはコミットメントパッションスピーチ(通称CPS)と呼ぶ、自分の想いや今後の行動についてコミットして熱く語るというものがあります。ここでしっかりと自分のビジョンと会社の北極星の一致、そしてそのストーリーを明文化してアウトプットすることで本当の意味で腹落ちするというプログラムです。
全員が圧倒的当事者意識をもって取り組むために
北極星=目的地(理念、パーパス、ビジョン)さえ一致してれば、その行き方はバラバラでOK。むしろ様々な行き方を多様性と捉え受容することで、個性が活かされ様々なイノベーションが生まれる。
VUCAと言われる変化の激しい市場や社会においては、理念共感した仲間と多様性を活かし、切磋琢磨できるチームを創っていくことが最も重要なことだと考えてます。
私たちコクーにとってこのアメーバ組織は文化そのものであり、そうした文化こそが経営戦略です。そしてそれは人からしか創られません。
経営合宿に限らず全社員がそのような機会を体感し、納得感をもって日々仕事に取り組める環境を創っていくべく、今後も試行錯誤しながら皆でアメーバ組織を進化させ続けていきたいと思います!!
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