Vol. 3 3泊5日のデンマーク旅行〜スタンステッド空港までの大波乱劇編〜
イギリスに来て2週間。授業では思った以上に友達の輪は広がらないし、サークルもまだ何も入っていないから毎日1、2時間だけ授業に行っては部屋に篭る生活。たまに図書館に友達を誘って課題を一緒にしたり、寮の日本人友達と隣町にプチ旅行をしたりするも、あまり気分が上がらない。
全ては一週間続く雨のせい。
日曜日。自分は1日パジャマで寝て食べてNetflixを見るだけの生活をしている間に、日本人のルーミーたちはパーティーや飲み会に誘われて家を出ていく。
パーティーには全然行きたくないけど、友達の輪を広げたい、てかせっかくここにいるんだから広げなきゃいけない。でももう社交するのは疲れた。人の名前も覚えたくないし、インスタも教えたくない。
そんなときにデンマークにいる友達のSNSが更新された。高校の友達と大学の友達2人が同じオーフス大学に留学しているので、3人でパーティーをしていた。コメントすると、電話がかかってきた。
自分の友達同士が自分のいない場所で仲良くご飯を食べているのも微笑ましいし、何より3人とも久しぶりだから盛り上がらないわけがなくて。
気づいたら2時間半もテレビ電話をしていた。
急激に3人に会いたくなって、「今から行こうかな」と冗談半分で言ってフライトを調べ始めると、「近いうちに遊びにおいでよ」って言ってくれた。
こんな精神状態で数週間過ごしても何も変わらないし、一回現実逃避したくて。
電話中にフライトを購入した。
「とりあえず、来週の水曜日行くね!」って。
こうして、安定・安心・癒しを求めたデンマーク旅が始まったのでした。
スタンステッド空港までの大波乱劇〜夜の電車は絶対に使うな〜
【22時過ぎ】 飛行機出発 8時間半前
22時過ぎ、ルームメイトのみんなに見送られて寮を出発した。向かった先はキャンパスにある高いスーパー、コープ。空港のサンドイッチはもっと高そうなので、ひとつサンドイッチを購入。
最寄りのFalmer 駅からBrighton駅まで電車でいこうとしたものの、なぜか駅が開いていなくて、バスで行くことにした。
20分くらい待ってようやく来たバスでSt. Peter Churchまで乗り、そこから徒歩10分歩いてBrighton駅に到着した。
【23時過ぎ】 飛行機出発 7時間半前
駅でチケットを買うと高いので、アプリで買った。0:02発のチケットがoff peakとかで安かったのでそれを購入。チケットさえあれば改札に入れると思っていたが、甘かった。
0:02の2本前の電車に乗ろうと思って改札に入ろうとするものの、改札は開かない。聞いてみると、10/2の0:02のチケットだから日付超えるのを待たないと改札には入れないとのことだった。(購入時は10/1)
がびーーん。
これが23:59発の列車とかであれば、入れていたのに。目の前を出る列車に飛び乗れていたのに。
まあフライトは6時半。時間はあると思って、1時間待つことにした。
M&Sという、日本でいう成城石井みたいな高級スーパーがあったので、そこでサワークリームのポテチを買って食べた。
ちゃんと調べて行こうと思って、ポテチを食べながら乗り換えを色々調べ始めた。
そして分かったのは、この0:02の電車に乗るとロンドン市内には行けるのだけど、リバプールストリート駅から出るスタンステッド空港行きの特急列車(スタンステッドエアポートエクスプレス)の終電には間に合わない、ということ。
そしてこの日の始発は4:40で、空港には5:39着。フライトの45分前。飛行機のゲートクローズはフライトの30分前なので、駅についてから保安を通って15分以内にゲートに行かないといけない。電車が遅延したり、保安が大渋滞していたり、道を間違えたりでもしたら、オワリ。恐ろしい。
恐ろしくなりつつも、フライトと同額ほど(約8000円)で空港までの電車を一括購入してしまったし、返金も変更も出来ないので、とりあえずロンドン市内に行ってからもう一度悩むことにした。
タイで乗り遅れの経験があって、タクシー代をケチっていつまでも来ないバスを待っていたあの時をとても悔やんだので、リバプールストリート駅からUberを使うか、電車で親にも相談してみようと思ったのだ。
【0:02】 飛行機出発 6時間半前
列車に乗った。そしてまだ悩む。リバプールストリート駅からUberすると70ポンド(14000円ほど)。フライトの倍近くするし、さっき買った空港行きの特急列車のチケットも勿体無い。
親の助言は正しいというので、お父さんたちとLINEをした。
リバプール駅からの電車が定刻ならそれに乗る、定刻じゃなかったらUberを捕まえる。ということに決めた。
【1:36】 飛行機出発 5時間前
London Blackfriars駅に到着した。乗っていた乗客は出口へ向かっていく。誰も乗り換えをしそうな人はいないし、そもそもリバプールストリート駅行きの電車は見つからない。そこまでは歩くかバスを使わないといけないことが判明した。
じゃあチケットのアプリに「🚃 Blackfriars → Liverpool Street」なんて書くな!わかりづらいわアホナス!
夜だし、雨だし、傘ないし。バスだと300円ほどで行けるけど、8分も歩いてバス停に行くのもちょっと気が引けるし、お母さんは心配でまた倒れるとか言っているので、Uberを使った。2000円ほど。
【2:10】 飛行機出発 4時間半前
ここからも最悪です。Nightmareです。
リバプールストリート駅、4時に開くらしい。門が閉まってて、入れない。
アチャ。そういえば今思ったけど、Uberのウンチャン、教えてくれても良くない????知らなかったのかな?
さっきの駅はベンチもあったしセキュリティーのゴツいアンちゃんが居たから、さっきのところで時間を潰せばよかった。
とりあえず、外にいるのも怖いので、駅のとなりの24時間やっているテイクアウト専門のマクドナルドに入った。そして折角だから日本にはないバナナシェイク頼んだ。3ポンド。高い。
座席がなかったので厨房の近くの壁に寄りかかって飲んでいると、
店員さん「彼氏いるの?かわいいね。」って。
ナンパだ。店員さん働け。そのあとポテト担当のマイケルが呼ばれて、マイケルが電話番号欲しいとか言ってきた。マイケル誰でもいいんだろ。結構しつこい。
名前はアイリーンだと言うと、バーガー担当のアイリーンが呼ばれて挨拶に来た。
さてはあなたたち、暇だな??
ここに二時間匿ってもらわないと安全に時間を潰せそうなところが周りになかったので、しょうがないから電話番号を教えた。連絡が来たらブロックすればいい。そしたら、「この子にナゲットをやってくれ」と他の人に言ってくれた。嬉しい。ポテチ食べすぎて全然お腹すいてないけど。
マックのどでかいセキュリティーのおじさん、そこは客の邪魔だからこっちにいてね、と別の壁に案内してくれた。夜中にやってくるパーティー帰りの若僧たちをここで食うなと店から追っ払っていたけど、私のことは匿ってくれた。ありがたい。しかも暇なのか、たくさん話しかけてくれたので、暇潰しになった。ありがとうセキュリティーのどでかいおじさん。
【4:00】 飛行機出発 2時間半前
結局最後の方までくれるはずだったナゲットはくれず。でもさっき声かけてくれた一人目の人が気づいてくれて、ポテトとナゲットを入れて持たせてくれた。一瞬でポテト食べ切った。
4時に駅が開いて、どでかいセキュリティーのおじさんがデンマークめっちゃ綺麗だから楽しんで、と見送ってくれた。厨房のマイケルやアイリーンたちにもありがとうを伝えて、ようやく駅に入ることができた。
スーツケースを持っているひとがたくさんいたので、みんなスタンステッド空港にいくのだろう。お腹は全くすいていなかったけど、電車を降りたら爆速で保安に行かないといけないことを思い出したので、ナゲットをさっさと食べちゃうことにした。しかしびっくり仰天。箱を開けて出てきたそいつは、ダブルチーズバーガーだった。(?!?!)
流石にこいつを食べ切る胃袋は持ち合わせていなかったので、もう一度しまった。40分時間を潰して、ホームに向かう。着いたら出入り口に近いように、慣れてそうな人について行って、同じ車両に乗った。真ん中あたり。そして空港のマップを見て何度もイメージトレーニングをして、アラームを1時間後(電車が到着する5分前)にセットして寝た。
【5:35】 飛行機出発 50分前
アラームで起きると目の前にはRyanairの職員が。もしかしたらめちゃくちゃいい車両に乗れたのかも。ダブルチーズバーガーを今頃思い出して急いで食べ始める。
そして、電車が止まる前にドアの前で待機。だけど、急ぎすぎない。慣れていそうな人について行って、出入り口を見つけてから走る。
そう思って人の流れを見ると、エスカレーターはすぐそこにあった。しかもエスカレーターを駆け登ったら、入り口の目の前に保安があった。イメトレに使ったマップの保安検査場はもっと遠かったはずなのに!
そして思い出す。やばい、私のダブルチーズバーガー。急いで食べようとするも、ストレスで出来上がっていた大きな口内炎が私の邪魔をする。痛くて早く食べられないし、そもそもお腹空いていなくて喉を通らない。
半分も捨ててしまった。ごめんなさい。飛行機乗り遅れの原因が買ってもいないダブルチーズバーガーなんて、未来の私は信じたくないだろうから。
電車は定刻で着くし、保安は全然混んでないもんだから、駅に到着して5分でゲートに辿り着いてしまった。5:50。ゲートクローズの10分前。出発の40分前。
ラッキーだった。
そんなこんなで初めてのRyanair。6時半出発。
座席指定はお金がかかるので指定なしにしていたのだけど、Exitドア横の座席だったので足元のスペースが広いし、窓際だし、隣に人いないし。びっくりするくらい心地よく、のびのびと片道4000円のフライトを楽しめた。よく寝た。あーーーよかった。飛べた。
ちなみにサンドイッチやかばんに入れていたクッキーは保安を通れたので、ダブルチーズバーガーも大丈夫だったということに飛行機で気づいた。液体じゃないからそうだよね。折角もらったのに捨てちゃったし、捨てる必要なかったし、悔しい。
この大波乱劇を経て、学びました。
夜電車では絶対に出かけてやらないんだから!
続く。
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