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「第2回日記祭」

2022年12月の出来事を書き残してみようと思いながら、ずっと書けていなかった。厚手のコートを着ないと寒くて外に出られなかった時期から、季節はもう温かい空気が流れる春に変わっていて、時間の早さを痛感する。こうして文章を書く度に毎回早いなと思い、言葉にしている。今年は去年に比べて言葉に向き合う時間が少なくなっているなぁと思い、今日からまた気持ちを変えて、新しい心持で書いてみようと思う。

2022年12月11日の日曜日、第2回日記祭に委託販売として自費制作した日記本を置かせていただいた。当時、日記本のタイトルをどうしようか、日記祭に出られると決まった時からずっと考えていてなかなか決まらないまま時が過ぎていった。日記本の中で書こうとしていた「日記の時期」はちょうど去年の7月頃からの記録で、仕事で異動があったり、心境の変化だったり、生活を見直していた時期でもあった。当時、気持ちと身体が反対方向にいるような気がして、対峙しているような気がずっとしていたから、対角線、というタイトルにしてみようかなとふと思い、「対角線」という題で日記本を制作することに決めた。

去年の6月末から10月末は、とにかく仕事に追われていて、プライベートでも何となく自分で自分を追い込んでいた時期だったように思う。日記本を開けば、当時の自分がどんな気持ちだったのか薄っすら、時には濃く思い出せるようになっている。そんなに追いつめなくてもいいのにねと今は思えるけど、当時は思えなかった。昔から頭が固くて、頑固なところもあると思う。本当は柔軟に生きたいけどなかなかそうなれなくて、でもそうなりたくて、みたいな、それで失敗したことも、後悔したこともたくさんある。この文章を書いている2023年は、去年のことを思い出して少しずつ気持ちの変化を感じられるようになったのと、過去からどう学んで、今どうしていきたいのか、どうしていくのかを考えられるようになってきた。数年前の自分と比べると大きな進歩だと思う。

日記祭当日は、お昼過ぎから一人で下北沢のボーナストラックに行き、買いたいと思っていた日記本を一冊ずつ購入した。お会いしたいと思っていた方にも直接お会いして手渡しで購入できたことも、本当に嬉しかった。文章を書いた方とお会いする時は、どきどきで緊張する。それでも対面した皆さんが本当にあたたかくて、来て良かったと思った一日になった。委託販売していただいた対角線の日記本も、後日完売したとご連絡をいただき、改めて感謝の気持ちが湧いた。この場を借りて、当日購入していただいた方、ECサイトから購入していただいた方、目に留めてくださった方々、本当にありがとうございました。ECサイトにまだ数冊在庫があるため、こっそりリンクを貼ってみます。「対角線」 | 「記憶」 (thebase.in)

日記本の中に書いた、母とのやり取りのこと。「良くも悪くも期待していないよ」と言われた言葉は、想像以上に心に刺さった。いい意味でも悪い意味でも。母がなぜその言葉を言ったのか、きっと母の真意をちゃんと受け止めきれていなかったし、当時は苦しいままで受け取ってしまった。期待、という言葉。小さい頃から期待に応えられたと思えたらやっぱり嬉しかったから、その気持ちは自分自身の心の支えになっていたことに気づいた瞬間だった。去年の夏に言われた言葉から生まれた苦しさも、時間の経過とともに少しずつだけど薄れていって、その間にいろんな経験をしたりお話を聞いたりしながら、向き合い方や考え方も変わってきている。今では、あの時の母はきっと期待という言葉で負担をかけないように、わざとそう言ってくれたんだろうなと解釈している。その解釈が当てはまらなかったとしても、違う思いが混ざっていたとしても、それはそれで良いやと思う。

第2回日記祭に向き合う時間の中で、日記を書くこと、日々を撮ることがやっぱり好きなんだなぁと思えた。それが何よりも嬉しくて、日記祭での出来事は、自分自身の経験としても宝物の一つとなった。また違う形で、日記ではない他の形で日々を残したくなるかもしれないし、心の中に留めておくままになるかもしれない。これからどうなるか分からないけど、一人の人間として、書き続けていくことだけは変わらないと思う。書くことが好きで良かったなぁと思う。

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