#622 夏休みの宿題に関するあれこれ
毎年、夏休みの宿題として出される日記が、常に未来予想図となっていた貴村 甍です。
夏休みが始まり、夏季休暇中に出題される「宿題」が、日常の会話の話題となったりするでしょう。
今では、子どもたちの様々な「学び」の時間を担保するために、宿題量が減ったり、中にはそもそも宿題を出さない学校も増えているそうです。
個人的な意見としては、夏季休暇中の宿題を出すこと自体は賛成です。しかし、その宿題を「終わらせる」ことが目的となっているならば、出さない方がマシだとも思っています。
少なくとも私の経験上、長期休暇中の宿題に関する問題点は
①絶対的な量が多い
②義務として出すものが多い
③①・②の結果、やっつけ仕事になる
以上の3つだと言えます。
①そもそも各教科で出されるものを合計すると、とても量が多くなってしまいます。学びの質は量によってではなく、定着によって担保されます。大量のインプットによって、定着ができないまま忘却の一途をたどります。
②義務としての宿題が多すぎると、その分時間がかかって負荷が増えます。自由研究、読書感想文、絵日記、工作などなど。夏休みには様々な課題が設けられますが、それら全てを義務として出すのはあまりにも酷だと言えるでしょう。自由枠の設定も非常に大切です。
③前述したように、宿題は本来、様々な学びの知識や技術を定着させるために存在します。しかし、多くの学生は宿題を「終わらせる」ことに主眼が置かれていることが問題です。例えば、夏季の宿題を前半7日で全て終わらせる子どもがいたとします。やるべきこと(義務)を期限までに終わらせるという観点から見れば、その行為は素晴らしいことです。しかしながら、学習の定着の観点から言えば、宿題を終わらせたから、あとは何もしなくて良いという状態になると、結果学力は落ちていく可能性があります。少しずつ継続的に学習をした方が、定着率は上がるからです。
最近ではしばしば「学び方を学べ」という言葉を聞きますが、長期休暇中の宿題は、まさに「学び方を学ぶ」ことができる、有意義な期間です。自分の時間をコントロールできるからこそ、学びの効果を最大限にあげる量・質・方法を児童・生徒に伝えるべきでしょう。
<夏休みの宿題を、児童・生徒の効果的な学びに繋げるための提案〜中学生をモデル〜>
①各教科の宿題はポイントを絞る→各教科で量の調整→結構少ないかなというぐらいでオッケー
②各教科の宿題は定着を意識して2~3周してもらう→宿題を短期間で終わらせることを目的とするのではなく、夏休みの期間を通して「のっぺり」学習することの重要性を解く。
※①に関しては3周しても負担がなさそうなぐらいの量を考える
③義務としての宿題と、自由課題としての宿題を明確にする
→自由課題を出した生徒への意欲の承認はとても大切
→読書感想文や自由研究の意義をしっかり説明し、モデルケースややり方などをしっかりと提示
④必要であるならば、夏休み明けにテストなどで理解度を確認する。→できれば、夏休みの課題を夏休みが始まる前に授業で扱い、学習方法やポイントをしっかり提示
さ、楽しい夏休みにしましょう。
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