#526 男女別学の価値を考えてみる
LGBTQという言葉が世の中で一般的になりつつあるように、現代社会では「性の多様性」の概念が広まってきています。生物学上の「性」という記号を越えた一人の「人」として自分の思うままに幸せな人生を過ごすことの価値はこれから先もっともっと重要視されていくでしょう。
しかしながら、では私たちが生まれながらの「性」の影響を受けないかと言われればそんなことはありません。歴史的背景からくる「性別」による社会的な違いは存在するわけではあり、その違いは時として両者の間に軋轢を生み出すこともあるでしょう。
そんな中、私は以前は男女別学という価値をあまり理解できていませんでした。教育活動における「性の分離」は、男女の差の理解を遅らせることに繋がるのではないかと考えていたのです。
埼玉県立浦和高校など別学4校の同窓会会長らが「共学化反対」を訴えたという記事を見つけました。
記事の中では、浦和高校同窓会会長の野辺博氏が「ジェンダー平等を推し進めるのは共学化ではなく、高校教育の在り方、カリキュラム、指導方法だ」と主張。共学校では男子が力仕事、女子が男子の補助の役割を担っているとし「共学化すればむしろ社会における男女差別が学校内に持ち込まれる恐れがある」と、浦和第一女子高校同会長の栗原美恵子氏が「男子とのネガティブな経験から女子校を選んだ人が少なくない」、「(別学の)シェルター機能が見過ごされてきた」と述べ男女別学の価値について言及しています。
私のパートナーにこの件について聞いてみたところ、あくまで主観であるという前提の元、「男女共学出身の女子の方が(よくもわくるも)社会の中で『空気が読める』傾向にあるかもしれない。それは未だに残る男性中心世界の中での『女性の社会化』とも取れる。女子高出身の女性は、男性中心主義の社会から『隔離』されることで、不必要な社会化を通らないからこそ、男性に対する無意識的な遠慮などが少ないかもしれない」と答えていました。 *ちなみにパートナーも以前は男女別学よりも共学の方に絶対的に良いと考えてたとのこと
「性」に支配されない教育を目指すからこそ、あえて「性の分離教育」に価値あるという新たな視点を得た気がします。