[3135]2024年6月期 通期決算資料の勘所
弊社は2024年8月14日に2024年6月期 通期連結業績について発表しました。
発表内容の詳細については、本資料および説明動画並びに21日開催の決算説明会議事録に譲るとして、今回は同発表資料のなかで、来期(2025年6月期)に向け当社が注目いただきたい箇所について解説いたします。
1.当期業績予想の蓋然性について
当社は2025年6月期の業績予想として売上高230億円、営業利益7億円という数字を掲げています。(※営業利益7億円が達成できれば過去最高利益)
当社はこれまで、再成長に向けた先行投資(人材採用・拠点開設等)を実行する傍ら、同時並行で、投資実行した人材や新規拠点の生産性を短期に高めてゆくべく、様々な課題に対しごく短期間で幾つものPDCAサイクルを並行して回すような改善オペレーションを進めてきました。このような状況下、有機的につながった各施策が完了することで得られる投資回収額の最大ボリュームやその発現時機は日々修正され、1年間という長いスパンでの最終着地を正確に予想するには相応の試行錯誤の期間を要しました。
しかしながら2025年6月期につきましては、こうして得た多くの経験・反省を予実精度向上に活かし、当社が蓋然性が高いと判断した業績予想を公表しています。
※なお、当期業績予想についてはその計算を
営業利益 = 粗利-販管費
= 売上高230億円 ×(粗利率 36~37%-販管費率 33~34%)
= 売上高230億円 × 3% = 7億円
と単純化して理解していただくことが可能です。
(参考:2024年6月期 粗利率=36.5%、同販管費率=34.9%)
また、当社連結売上高の大宗を占める個人向けリユース事業およびモバイル通信事業共通のシーズナリティとして、引越しシーズンを含む3~5月(3Q+4Q)に売上が力強く出る傾向にあり、損益分岐ベースでは1Qの利益創出力が劣後するものの、その後の2Q以降で利益が積み上がる傾向があります。(2024年6月期においては1Qの営業損失を引きずる結果となりましたが、2025年6月期においては、1Q決算の業績を損益分岐以上で折り返し、以降、下期に向け利益を積み上げてゆく計画です。)
2.株主優待等の拡充方針について
上述のような利益伸長計画の達成により、2025年6月期においても企業価値(≒株価)そのものの向上を目指す方針に変わりはありませんが、同時に、過去最高益を目指す業績進捗の節目節目で、具体的株主還元の計画(株主優待制度の内容拡充や配当開始時期の検討等)についても議論を進める方針です。
特に株主優待制度の拡充については、年内には方向付けをし、年度内にはお知らせしていきたいと考えております。
3.デリバティブ契約の見直しについて
当社はこの2年間、自社株価に連動するデリバティブ評価損益によって最終利益が変動するという損益構造になっています(※現在もその状態は継続)。
これは、上場時に出資を受けていたYJキャピタル(現・Z Venture Capital)からの、「ファンドクローズとともにYJCが保有するマーケットE株式・40万株(当時の発行済株式総数の7.5%)につき売却ニーズが発生することになった」との意向を受け、当時、当該40万株の市中売却により需給バランスが崩れることを回避するべく、SBI証券に当該40万株の一時保有をお願いする「差金決済型自社株価先渡取引契約」(デリバティブ契約の一種)を結んだことに起因するデリバティブ損益であり、本契約については本年9月4日時点において、一部契約内容(先渡価格等)を見直し、その契約期間を2026年9月14日まで延長することでSBI証券と合意しています。
(※詳細な契約条件等についてこの場で解説することは割愛しますが、詳細内容につきましては2024年9月4日付公表資料「差金決済型自社株価先渡取引の先渡期間延長及び先渡価格変更に関するお知らせ」をご確認ください。)
2025年6月期において、当社はこれまでの投資フェーズから、本格的な回収フェーズ(≒業績回復期)に入ることを計画しており、これに伴いPSRでは割安とされる当社株価水準も修正されいくものと考えております。2025年6月期においては、業績向上と株価が上昇基調に入ることを前提に、現在当社の最終損益に影響を与えているデリバティブ取引の対象となる40万株については段階的に縮小を図ってゆく方針です。
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