地域に根付いたイベント作り ~キツネ田野倉ン~
iput3年 掃部
2024年8月31日、私は松代エリア、
田野倉集落にある ”楽暮 D.I.Y.の家 iju” へ受付として向かった。
里山美術館Monetから出発し山道を抜け、くねくねした坂を上っていくと見えてきた。
今までの作品受付の朝といえば、だれもいない展示会場からはじまっていたが、このときはいつもと違っていた。
私が到着するころにはたくさんの若者や地域の方々で溢れていたのだ。
なにやらみんなかわいらしいひげや耳を付けたり、描いたりしている。
なんとその日は、田野倉でのイベント
「ファン・ランニング・イベント キツネ田野倉ン」の開催日だったのだ。
イベントについて知るや否や、山の上から
たくさんのきつね(きつねの恰好をした参加者たち)が下りてきた。
みんな楽しそうに山を駆け下りていく。
正直面食らった。(といっても、こへび隊活動にはこういうことがままあったりする。前情報なしでなにか起きる。こへび隊は、そういう鍛錬にもってこいの場だったりする)
小さなきつねから大きなきつねまでいろんな人がいた。その中には子どもきつねを抱えているきつねや、ゆっくり歩いているきつねもいて、みんながそれぞれ自分のペースで楽しんでこのイベントに参加していた。走って疲れた参加者がijuに遊びに来てお話をしたりもした。参加者は新潟市内の方が多く、お子さんをつれて親子で一緒にイベントを楽しみに来たという方が多く見られた。
イベント自体はそこまで長いものではなく、12時過ぎには全きつねが走り終え、イベント運営を行っていたijuの作家でもある石松丈佳さんと、そのゼミである名古屋工業大学の皆さんや地域の方々での交流がijuの下にある会館で行われていた。私たちは通常業務に戻り、受付をしていると、地域の方のご厚意でイベント打ち上げの食事会に参加させていただくことになった。
(作家である石松さんは、この地方出身の方ではないらしい。が、地元の人のように溶け込んでいる。集落の中心人物のようにも思えた。聞くと、かれこれ十数年、田野倉集落で作品を作っているという。一期一会ではなく、ずっと関係し続ける、こんな制作スタイルもあるのかと驚いた)
会場はたくさんの人であふれかえっている食事会となっていて、私たちも恐る恐る参加させていただいた。たくさんの人に話しかけていただき、皆さんにとてもよくしてもらった。
メインは新潟で育てたお米と育てている牛が使われたカレーで、食卓の上にはちまきや、煮物などいろいろなものが置かれており、ご馳走になった。
(食事会で出されたお米の一部は、東京から脱サラして、田野倉にIターンした農家の渡辺さんから提供されたものらしい。この土地へのIターン&棚田で農業をはじめるのはとてもたいへんなことだろうと思う。しかし、こういう人生もあるということを知って、視野が広がったように感じた)
名古屋工業大学の学生や、地域の方々と話をして大地の芸術祭について思っていることや、田野倉などでは若者が足りないという課題があるということなどを聞かせてもらった。
また運営終わりには仲良くなった皆さんで写真を撮って暖かく送ってもらった。
まとめ
食事会はとても賑やかで楽しいものでその場にいるだけで地域の人々のつながりをとても強く感じた。このイベントのように年齢層関係なく楽しめるものを開催する側も楽しく運営することでイベント全体の結束力を高まり、またそこには人を魅了するコミュニティならではの雰囲気が生まれるのだと考えられた。