私が10億円企画のRTを消した理由
多くの人の注目が集まる中、今年も前澤友作さんのお年玉総額10億円企画が始まりました。昨年の1億円をはるかに上回る金額に、「もしかしたら自分にも当たるかも!」と期待した人も沢山いたはずです。私もご多分に漏れずでした。でも私には少し懸念がありました、それは私が尊敬してフォローしている方々がみなさん口を揃えてこの企画を批判していたからです。
深く考えなければ、Twitterで前澤さんをフォローして該当ツイートをRTするだけで1000名の人に100万円が当たるという太っ腹企画です。ただ前年は引用リツイートで使い道をアピールした人ほど当選しやすくなっていたという話も出て、公平な抽選ではなかったという指摘もありました。今年はあくまでも無作為な抽選であると前澤さんは強調していますが、それが本当かは私たち一般人には知る由もないのです。
もちろんそんなことは承知の上でアピール合戦に勝ち抜けばいいだけという考えもあります。私も念のため引用リツイートで自分の夢を語りました。しかしアラサーの私が今更自分の夢のために赤の他人に頭を下げてお金を下さいとねだる様は、我ながら格好のいいものではないということもわかっていました。私たちはお金でプライドを買われているのだとも感じました。それはどこかで、自分で働いてお金を稼いできちんと貯金している人たちへの劣等感があったからだと思います。
案の定、私のフォロワーさんでこの企画に応募している人はほとんどおらず、私がRTしたのを見てフォローを外してきた人もいました。私は少ないながらも繋がってくれていたフォロワーさんの信頼を失ってしまったと感じました。あなたはこんな企画に参加するような人じゃないと思っていたのにと言われたような気がしました。私は数日思い悩みました。
そこから様々な人のご意見を拝見しました。前澤さんは本物だが、多くの便乗詐欺を生んだことは罪深いことだということ。100万円も自力で貯められない人が投資や事業で成功する可能性は低いということ。たった1000人にお金を配るだけではベーシックインカムにならないということ。もっとも私の心をえぐったのは、本気なら自分でバイト掛け持ちでもして100万円貯めてこいという、えらいてんちょうさんのご意見でした。えらてんさんは以前からこのことを何度もおっしゃっていて、安易に自分に投資してくれとお金をねだってくる若者を諌めていました。
自分でバイトすることも出来ない子供や病気の人はともかく、私はなんとか働くことが出来るようになりました。きちんと自分を律して節約すれば1〜2年で100万円を貯めることは可能です。それならば心のモヤモヤを抱えたまま生きていくよりも、自力で夢を掴んだ方がいいという結論に至りました。そして10億円企画ツイートのRTを削除し、前澤さんのフォローを外しました。葛藤が全くなかったと言えば嘘になりますが、私はこれでよかったと思っています。
もちろん今回の企画に応募した人全員を批判するつもりはありません。誰だってお金はほしいものです。本当に人生が変わる人もいるでしょう。でも私はここで降りるというだけです。
ただ不躾ながら前澤さんにお願いしたいのは、本当に世の中を少しでもよくしたいとお考えなら、給付制の前澤奨学金を創設したり、きちんと目標や力がありながらどうしてもお金がないという人たちのために使って頂きたいということです。そこには選別があってもいいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。有意義な1年になるように、私も頑張っていきます。