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コンヴィヴィアリティのある社会

服部メガネの店内にて2023年3月14日渡辺翔太とマーティホロベックのドュオライブを行いました。インストアライブとしては2020年の服部メガネリオープンの梅井美咲トリオ以来でした。完全な生音でピアノとウッドベースの華麗なまでの共演は音の波に圧倒される1時間半でした。

メガネ屋さんの店内に何でピアノがあるの?

それは遡ること、50年以上も前。
うちの母親が服部メガネに来た時の嫁入り道具。
「あなたはピアノだけ弾いてたら良いから」
よくある体のいい嘘をつかれて眼鏡屋で働かされること50年以上、服部メガネビルの3階にずっと鎮座して、多くの人に目に触れることなく、ひっそり置かれていたピアノ。緊急事態宣言の最中、屋上にて配信演奏のために来ていた梅井美咲に見付けられ、こんなにキレイな音がするピアノが3階にしまわれてるのなんてなんて勿体無いと。
そして2020年改装時に3階から1階にクレーンで下ろしました。

ピアノと一緒に働くということ。
心の安定とキャリア最後の思い出に。なんか達成していると勝手に思っています。

コンヴィヴィアリティとは日本語で自立共生と訳されます。75歳を越えて父の介護もあるというのにうちの母親は店に出てきてもらっています。家にじっとしておくこととデイサービスに父を送り出して、わざわざ働きに来てもらっています。最近よく親子館で話すことは自身の終活がほとんどです。できる人にできる間に働いてもらえるのは自営業者である良いところでもあります。よく言われる出処進退は自らで決めるっていうのを大事にしてもらっています。

なので、彼女はピアノは進んで触ることはしませんが、みんながリハーサルしているところを横目に自分のピアノの音を楽しんでいることだろうと思っています。人生にそのくらいの癒しがあっても良いんじゃないでしょうか。

イプシロンベイスの取り組みの一つとして実験としてミュージシャンとダンサーの居場所を作るという目標を掲げています。営業としてのスタジオ運営ではなく、コンヴィヴィアリティのある仕組みを作ろうとしています。理想としてはかかる費用をみんなで支えあって、みんなの居場所作りをペニーくんとバーガーくんにお願いしています。タニマチとしてボクが眼鏡で稼いだお金を注ぎ込んだら本当の本当はいいのかもしれませんが、経営者として不信任された場合、彼らの作った理想郷が無くなってしまうことにもなりかねません。そうならないために自由自治を保ちながら、みんなから援助してもらい、自立共生してくれればいいなって思っています。そのためにもボクも引退するまで眼鏡屋を頑張らねければならないと自分を鼓舞しています。

居場所にこだわる意味としてはこの社会はチェンソーマンが描く社会までとは言わずとも絶望だったり、飢餓であったり、多くの社会問題を抱えています。どれだけ手を大きく広げたとしても、全てをカバーすることなんて出来るわけありません。現役は多分あと15年あるかないかなんで、その次の世代を見据えたビル運営を考えないといけません。

翔太くんとマーティ

せっかく神戸元町のど真ん中にビルを構えているので、やっぱり神戸にやってくる人たちに神戸を味わって欲しいし、この場所に降り立ったことをいい思い出にして欲しいと願っています。

ボクの好きな音楽がずっと自分の周りで存在していること

ってまあまあ大変なことなんですよね。

そばメシは

美味しい記憶はずっと残ります。みんなが演奏しに来てくれた時はいろんなものを食べてもらうようにしてます。あの時食べたヤキソバが忘れられないって。本当に記憶に残れば、あの「Bショーガ」みたいに曲も作ってもらえるかも

橋本現輝くんもウチのビルにドラムセット置いててくれてます笑。安藤康平くんは服部メガネの眼鏡を掛けてくれてます。あれっ!なんかクレジットに笑笑。

今日という「あめのひ」も忘れられないものになりました。


ipsilon BASE logo

将来は店でバイナルが売れるようになったらいいなって願いを込めてイプシロンの「i」をレコード針に「P」をレコードプレイヤーにしてみました。ここにメガネの要素がないって笑。

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