一服文庫

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七草粥

春の七草の一つひとつには、無病息災を願うこと、邪気を払い遠ざけたいという祈りが込められているとされます。 その実、胃腸にも優しいものばかり。 春の七草 「せり、なずな、ごぎょう、はこべら、ほとけのざ、すずな、すずしろ、これぞななくさ」 唐の頃、7日間に渡り占い、無病息災を祈ったこと。 日本ではお正月に若菜を摘んで食べる「若菜摘み」という風習があったこと。 これらが組み合わさったのが「七草粥」 また源氏物語の注釈書である『河海抄(かかいしょう)』が元とされている説。 似た言

    • 葩餅(はなびらもち)

      いま風にいうと長生き、健康の秘訣。 それは三が日の葩餅にアリ。というお話しです。 「由来」 「花びら餅」は、新年に食べるお祝いのお餅で、平安時代宮中で元旦から3日間行われていた。 長寿と延命を願って固いお餅を食べる「歯固めの儀式」に用いられていた「菱葩餅(ひしはなびらもち)」に由来。 新年の宮中参賀に出た公卿(くぎょう)らは、紅白の餅とごぼうを持ち帰えれた。 それらを使い京都ならではの白みそを使ってお雑煮を作ったのが今日の雑煮。 その後、一般化され 円形に薄くのばした白

      • 端午の菓子

        【端午の菓子】 柏餅は上新粉(しんこ餅)が使われているものをおおく見受けます。 一方でうるち米とのブレンドも近頃は見受けます。 「柏餅の形の由来」 諸説ありますが、めでたいハマグリの形説。 餅で餡を包む手が、柏手のような様である説。 「江戸中期の願いが込められている菓子」 柏の葉は子孫繁栄の象徴とされる葉。 新芽が出るまで古い葉が落ちないという特性。 古い葉を親の見立て、新芽を子と見立て、こどもの成長を祝う気持ちで包まれているようにもみられます。 古来、日本では食べ物を

        • 麻と茶巾

          麻は古来、神事において用いられてきました。 伊勢神宮、出雲大社でもそれらはみられます。 またそれらは「大麻」を用います。 大麻=薬物というイメージはあると思います。 しかしそれは戦後、アメリカ統治下において敷かれたこと。 大麻は今日も国内で多く自生しています。 それらは主には積みあげ、麻を績(う)んでいました。 「績(う)む」とは麻を紡ぐことを指します。 紡ぐといわないこと、これは他の繊維と差別化を図っていることとも窺えます。 ○麻は「苧麻、大麻」の2種類 麻は苧麻(ちょ

          桜餅

          桜餅 道明寺か、長命寺か 長命寺がいわれは早く始まりともいえます。 道明寺は100年も後に語れるようになります。 道明寺とは 道明寺粉を使ったものであることから「道明寺餅」という説が有力です。 1800年代前半に大阪の北堀江の土佐屋というお店で売られ始めたもの。 「道明寺(どうみょうじ)」は、桜餅や椿餅に使われる米粉の1つです。 その名は菅原道真公とその伯母・覚寿尼(かくじゅに)公を御祭神とする大阪・藤井寺市所在の「道明寺天満宮」に由来します。 今から千年以上も昔、覚寿

          4月〜卯月(うづき)の話〜

          「4月 卯月(うづき)」 4月は卯の花月(うのはなづき)。 卯の花とは空木(ウツギ)の別名です。 ユキノシタ科ウツギ属、花は白くかわいい花を咲き、春から初夏に咲くことから4月の別名とされました。 実際に開花する頃は、まだ朝夕の空気は冷たく春の始まりに近いものです。 古くから庭木としても好まれたことが、清少納言の詩にも「縁の深い空木(うつぎ)。この樹木は春を迎えれば華麗な花を見せてくれたり」と、庭に取り入れうたわれています。 「卯月」の語源は、ほかに十二支の4番目に

          4月〜卯月(うづき)の話〜