【NY事業部長 椎葉洋太さんインタビュー】ロックダウンを経て~IPPUDO NYを語る。
こんにちは、一風堂note編集部です。この記事では、一風堂で”はたらくひと”にフォーカスを当ててお届けします。2020年11月現在、US事業本部 New York事業部の「椎葉洋太(しいば ようた)」さんをご紹介します。
椎葉 洋太(YOTA SHIIBA)
US事業本部 New York事業部 事業部長
【国内】
2010年4月、力の源カンパニーに新卒入社。
2011年4月、「一風堂 博多駅店(福岡県)」、「一風堂 富山店(富山県)」を立ち上げる。「一風堂 なんば店(大阪府)」にて、店長を3年ほど経験。
【海外】
その後、「IPPUDO マレーシア」のオープンに携わる。
2014年に、力の源グローバルホールディングスへ移動。フィリピンへ駐在となり、ゼロから新店立ち上げを経験。その後、シンガポールへ異動。
2018年より、US事業部「IPPUDO NY」へ赴任。
東南アジア2カ国を経て、
海外展開の始まりの場所「IPPUDO NY」へ
_最初に駐在されたフィリピンのエピソードを教えてください。
椎葉:はい。赴任当初は1店舗、店舗スタッフは30名。2年半後には店舗数は5店舗に増え、スタッフも150名に増えていました。これだけの人数に「一風堂」の理念を伝え、実践してもらうことは本当に大変でした。
あるとき、僕が、現地に付きっきりになれなかった時期がありました。そのときに、フィリピンの一風堂に対して、日本人のお客様からお褒めのメールをいただいたのです。そこには「文化が違う集団においても、日本の店舗と変わらない動きを見せていたことに驚きました」「BARIKATAの意味が通じたことも嬉しかった」と。思わずみんなに「You guys are great!!」って連絡しました(笑)。
_フィリピン、シンガポールの2カ国で思い出深いこと、経験になったことを教えてください。
フィリピンでは、新店の立ち上げがメインでした。新店といっても、既存のお店やルートがあるわけではなく、やることは「食材調達」から「スタッフの育成」まですべてです。一つの国の「一風堂」をゼロから作り上げた貴重な経験でした。
次に、一年半ほど赴任したシンガポールは、着任当時10店舗がすでにオープンしていました。新店の立ち上げと既存店の見直しを、1年半で行いました。当時のカレンダーの予定を見返すと、かなり忙しい日々だったと教えてくれます。シンガポールは、ベースは既にある状態。それからどう伸ばすか、活かすかが課題でした。
「一風堂」の海外展開始まりの場所「IPPUDO NY」
_現在赴任中の「IPPUDO NY」について教えてください。
はい。現在、US事業部の中の「IPPUDO NY」に赴任しています。2008年に「一風堂」の海外1号店ができた、海外展開のはじまりの場所です。
2020年、「IPPUDO NY」は13年目を迎えました。僕が赴任した当時、店舗の中にも外にもお待ちのお客様がいて、常に満席でした。河原社長をはじめ、先輩たちの積み上げた「一風堂」ブランドを感じて、「これがIPPUDO NYなんだ」と思っています。
_IPPUDO NYの3店舗には、お酒を飲みながらお待ちいただける「BAR IPPUDO」があるとお伺いしました。
はい。以前は、BARスペースで、お酒を飲みながらお待ちいただいていました。席が空いたら奥へお通しています。
今は、コロナの影響でBARを開けることができないため、外に並んでお待ちいただいている状態です。その場で待ってくださるお客様もいますし、お電話番号をお伺いして席が空いたらメッセージが行くようにしています。皆様、近くのお店で過ごして、メッセージが届いたら戻ってきてくださいます。
_どんなお客様がいらっしゃいますか。
地元のお客様含め、多くの観光客の方々にご来店頂いていましたが、いまはブロードウェイが閉まっていること、またコロナの影響で観光客は減り、ニューヨークの地元の方、アメリカ国内の皆様がご来店してくださっている印象です。以前は大人数でのご来店が多かったのですが、現在は、コロナの影響もあって、2名~3名様が多いです。団体でも6~7名様です。
ベジタリアンのお客様も20%ほどいらっしゃいます。そのため、「ベジラーメン」や「ベジメニュー」をご用意しています。動物性由来の食品を食べたくないなど、宗教上の理由や、ご本人のポリシーで選択されています。
_現地での「ラーメン」はどのような認識でしょうか。
「日本食」の中で「寿司」の次に「ラーメン」という方が多い印象です。「誕生日」のお祝いで使用したい、「NY外からきた人に、どうしても食べてもらいたくて、一緒にきました!」など、特別な時に食べるイメージで、少し敷居が高いと思われているようです。
お箸も浸透しています。フォークのお声掛けは一日一回あるかくらいです。ラーメンを食べるスピードはゆっくりなので、麺の伸びについては実は気になっています。
「IPPUDO」の海外のメニューには「一品料理」やカクテルやデザートなども多くあります。お店としては「ラーメンレストラン」の感覚でしょうか。NYでは、お客様の滞在時間も、45分~1時間と、日本に比べるとかなり長いんです。コースのように「前菜」、「メイン」、「ラーメン」、そして「デザート」でお楽しみいただいています。
_店舗での「コロナ対策」を教えてください。(2020年11月現在)
はい、NY州政府のガイドラインに則って対策をしています。お客様のご入店時の「体温チェック」や、「コンタクトトレーシング」といって代表者のお名前・ご連絡先をお伺いしています。
また、2020年11月現在、お店の席数は全席数の25%までと決まっていて、店内のソーシャルディスタンスの確保、10名以上の団体様は、席を分けることをご了承いただいています。テーブル上には何も置かずに、「おはし」や「れんげ」は袋に入れてお持ちして、お渡しします。メニューも消毒したものか、QRコードで読み取っていただく場合もあります。
以前までは、日本語で「いらっしゃいませ、ありがとうございます」と、大きな声で元気よくご挨拶をしていましたが、今は飛沫を避けるために控えめにご挨拶しています。もちろん、従業員は体温・体調の確認、マスクとフェイスシールド着用して、皆様をお迎えしています。
_座席数は25%ですか。お店での営業以外には何か行っていますか。
はい。州政府の要請ですので、そこを変えることはできません。9月30日時点で、全席数に対して稼働率25%での営業との指示です。
店舗営業以外にも、デリバリーサービスを行っています。お店の稼働率も制限されていて、8店舗中2店舗のみの営業と厳しい状態ではあります。もともとの数字が大きかったのでその分インパクトも大きいですね。
ただ、ロックダウン後からデリバリー、席数を制限しながらの営業を経て、お客様からの嬉しいお言葉や反応をいただいています。先が見える状態まで戻ってきました。以前働いてくれていたスタッフさんに声掛けをして、また一緒に働きはじめてもらっているところです。
_NYで働くスタッフさんについて教えてください。
ホールとキッチンで、役割が分かれています。日本では両方することも多いですが、NYでは、ホールはホールのみ。キッチンはキッチンのみが業務です。自分の夢に向かって進んでいるスタッフがたくさんいます。俳優、歌手やラッパーを目指している方がお客様にサービスをしています。
Instagramもお店のスタッフが撮影・運営しています。デリバリーが始まったときに、タイムズスクエアまで行って撮影してきてくれました。
Instagramの更新ルールは「枠にとらわれない」こと。その時の気持ちを大事にして、現地のマネージャーたちが頑張ってくれています。
力の源に入社した理由と、これから
_2010年、椎葉さんが力の源に入社を決めた理由を教えてください。
大学生の時に、アルバイトで居酒屋で働いていました。すごく楽しい職場で、「一緒にお店をやらないか」とまで声をかけてくださいました。授業よりも、お店が楽しくて仕方なかったです。
それでも、「一度就職活動をしてみよう、いろんな会社を見ておこう」と思って、就職説明会へ参加しました。たくさんお話は聞いたのですが、「飲食業」が頭にあって。「一風堂(力の源カンパニー)」のブースの前で、ふと話を聞いてみようと足が止まりました。当時の人事担当者とお話しして「ここを受けよう」と決めました。
就職活動、「力の源カンパニー」しか受けていないんです。アルバイトを含めてですが、飲食業以外の仕事をしたことがありません。はじめは社内の居酒屋業態を目指していましたが、ある時に「椎葉は一風堂だ」と。
最終面接で「一風堂ってどういう意味ですか」なんて聞いてしまったので、そのせいかもしれません。当時、河原社長に「一陣の風を吹かすんだよ」とお答えいただきました。今もその場面を思い返すと、自分に対して苦い顔をしてしまいます。
IPPUDO EAST VILLAGEの店内にある「一」の文字
入社前、入社の経緯、入社後を振り返っても、運命性を感じています。僕にとって、一風堂、力の源カンパニーは運命の場所だと思っています。
_椎葉さんの、今後の目標やNYの展望について教えてください。
まずは、「一緒に働く仲間を増やしたい」です。今、失業した方がたくさんいます。自分たちも切り詰めながらやっているものの、雇用をたくさん増やせたらと。何かできないかと常に考えています。
そして同時に、一緒に働いているスタッフの視点を上げていく・変えていくことを目指しています。みんなが次のステップ、やりたいことが見つかったときに、早く進めるように。もちろん、「IPPUDO NY」に残ってもらえたら嬉しいけれど、「一風堂で働いていたんだね」と、このお店での経験を次に活かせる、認められる場所にします。
また、お店では、段ボールを多く使用しています。現在は、段ボールはデリバリーの紙袋の下敷きとして再利用しています。今後、ユニフォームを作る際には、ダンボールを再利用したり、SDGsを意識してサスティナブルなことをしていきたい。無駄をなくし、持続可能で意味があることを選択していきます。
_最後に、椎葉さんのNYでの過ごし方を教えてください。
NYでは、おうち時間を楽しんでいます。オンラインで買い物をしたり、妻とコーヒーを淹れたりなどですね。近隣のコーヒーショップからテイクアウトすることもあります。美味しいコーヒーショップはもちろんのこと、赴任して「ベーグル」のおいしさを知りました。特に「エッサベーグル」というベーグル屋さんに感動しました。NYではコーヒーとベーグルは外せないですよ。もちろん、ラーメンも。
_お時間ありがとうございました!
ありがとうございました。今は、どうしても日本から駐在が必要ですが、現地のスタッフで回せるような仕組みをつくっていくこと。そのため環境づくりが自分の仕事です。「IPPUDO NY」から、世界の「IPPUDO」をこれからも盛り上げていきます!
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