無人販売を始める理由は、勘。
ごはん屋いっぽのスタートの場所である弁当販売の実店舗を閉めて配達専門店で行くと決めたのがちょうど1年前。試行錯誤と実験を繰り返しつつ、おかげさまで配達やレシピ提供などで何とか収益はキープ出来ています。だから別にこのままの方向でも良いのです。良いのですが…実は貸していた実店舗が返却されました。
というのも実店舗だった賃貸物件は借りたままにしていました。ウチが閉めると決めた頃、ちょうど『カフェをやってみたい』という方がいたので店舗を譲るという話しが出たのですが飲食も未経験との事。『取り敢えず1年やってみて続けられるとなったら名義を変更で良いんじゃないか』という形で落ち着きました。
そして1年。色々な事情はありますが物件は戻って来ました。さてどうするか。配達だけでやれているのだから店舗は必要無い。賃貸契約を解消してしまうのが一番スッキリします。
うん。分かってるんだけどね。
実は私達夫婦にはずっとやりたかった実験がもう一つありました。『無人販売』。以前、自販機での無人販売を模索した事がありました。街中に弁当自販機を置いて小さなスペースで人を使わず利益を出す販売法。実際、中古自販機を注文する所まで行ったのですが納品期限が過ぎても商品が来ないというトラブルがありまして小心者の私達は注文を取消し。このプランは一旦保留。夫婦共に普段の経営においては判断材料に根拠を求めるタイプですが、新しく何かを始める時は結構『勘』を大事にします。何か上手く回らない、小さなトラブルが重なって進みが悪い。そういう時は無理に進めません。若い時は言い出した手前引っ込みがつかなかったり、かけた手間やコストが『もったいない』と無理やり進めた事もあります。でもそういう時は大抵失敗します。周りに迷惑をかけた事も。本当にごめんなさい。
今はだいぶ撤退の判断が早くなりました。でも中止ではなく保留です。タイミングやパーツが一個違うだけ、というパターンが結構あるので。頭の片隅にそっととっておく。
そして今回はその保留にしていた自販機ビジネスのアイデアが形を変えて使えるタイミング!自販機ではなく店舗の一画を使った無人販売をやります。
今がタイミングだという理由は、料理教室の記事でも書いた『人と会わない気楽さ』がコロナにより浸透した事。その傾向が感染者が再び増え始めた事で、更に進むと考えました。配達であっても対面する時間はあるし、購入したいけど『電話予約が苦手』という声もチラホラ。あの時の自販機があればなぁとボヤいていました。そこに物件が帰って来た。ならば店舗型の無人販売はどうかとなったわけ。
夫婦でイメージを提示し合う段階でもズレは無く、少しずつ準備を始めてからもトラブルのないままスルスルと進んでいく。用意した一つ一つのパーツがパズルの様にハマっていく。
そうコレコレ!これは行ける!という何とも言えない『勘』というか『感覚』。経営者として言葉で説明出来ないのは如何かとは思いますが今のところ『感覚』としか言えないんだよなぁ。
職人の勘、刑事の勘など、よくドラマで聞きますよね。マイナスに描かれたりする事もありますが私は以外とバカにならないと思う。説明が出来ないのであって根拠が無いわけでは無いから。『経験の積み重ね』という根拠があるのです。経験という膨大なデータから瞬時に読み取る能力を無意識に身につけている。だから正解率は割と高い。
というわけで、弁当屋の勘(弱そう…)を信じて豊橋初の『弁当の無人販売所』2月3日にオープンします。
前置きぐ長くなったので次回、店舗デザインの具体的な情報を書きますね。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?