「贈る」ことのススメ。【インタビュー】
だれでもひとつは「プレゼント」にまつわる思い出を携えている気がする。
「プレゼント」というやつは、お誕生日、記念日、お祝い、など、
いわゆる何かしらのイベント時に贈られることが多い。
ただ、もう少し俯瞰してプレゼント自体を見てみたい。
すると、プレゼントが存在する条件は驚くほど奇跡に溢れている。
贈る側と贈られる側の両者、その間に漂う関係性、
伝えたいメッセージがあって、はじめて成立する。
つまり、とても複雑で繊細で、
幾重にも重なった関係と想いの層のそのまた上に、
出会った運命というトッピングによって起こる現象なわけだ。
そう考えると、それはとても尊いのではないか。
そんないわゆる「プレゼント」の中で、
とりわけ思い出に残るものって、その「層」の厚みや深さもそうだが、
純度のような色合いも、すごく関係あるなと感じる。
ここでいう純度とは、本当に伝えたいコトかどうか、だ。
ささやかでも、心からのありがとう、ごめんなさい、お疲れ様を伝えたい、
そんな想いをもって贈った身近な人やお世話になっている人へのプレゼントは、
贈られた側は、うれしいだけでなく、じんわり染みわたるものがある。
例えば、残業終わりに、上司からおつかれ!と缶コーヒーをもらったとか、
今日は仕事で怒られちゃった・・・と嘆いているパートナーに、シュークリームを買って帰るとか。
こういう行為に共通する部分は、
たぶん、相手への思いやりが根底にある。
相手は、その思い遣りに費やした手間ひまが伝わる。
この小さな手間ひまをかけることが、
きっと、いまより、すこし、周りを笑顔にする。私も笑顔になる。
プレゼントは、不器用なアナタの味方だ。
そんな、ステキな、プレゼントの話。
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不器用な私の、想いの伝え方。
それは、プレゼントを「贈る」ことだった。
―もともとはcocanというスキルシェアのプラットフォームの出会いがきっかけですよね。
そうですね。
―その中でKaninchenさんはカジュアルにプレゼントを贈る文化を作りたいと仰っていたのがとても印象的でした。そこからいつの間にか、「プレゼント向上委員会」を立ち上げられていて。(笑)
はい、さっそく立ち上げました。(笑)
―プレゼント向上委員会って、おもしろいネーミングですよね。一体どんな委員会なんですか?
何気なくプレゼントを贈り合える文化を一緒に作っていこうよ、という会ですね。 プレゼントってコミュニケーションツールの一つになっていると思うんです。プレゼントをきっかけに、会話が生まれるじゃないですか。今日こんなことがあったんだよね、とか、ちょっと疲れることがあったんだよね、とか。
―うんうん、わかります。
帰り道にちょっとしたお花やケーキを買って帰ってあげられると、その日の1日の終わりがちょっと幸せになったらいいなと思っていて。だからわたし、記念日のプレゼントも結構気合いいれるんですよ。
―そうなんですね!素敵です。プレゼントのプロからプレゼントされてみたい(笑)
でも、何気ないプレゼントも大切にしています。今私気が向いたらふらっと買って、帰ることが当たり前なんです。ただプレゼントを贈ることが当たり前ではない方にとっては、意識していないと行動ができないと思っていて。そういうアンテナを張ってもらえるように、文化を根付かせられたらなと。そういう気持ちで委員会としては活動しています。
落ち込んでいる日に、ちょっとしたプレゼントをもらって励まされた、とか、似ているような体験をしている人はちらほら見かけていて。そういう人たちも、いっしょに楽しんでくれたら嬉しいです。何となくですけど、男性も女性も関係なく、同じように体験したことのあることだと思うんですよね。ここに性別の差はない気がしています。
―たしかに、だれもが1回はそういう経験ってしている気がします。
そうなんですよね。
―こういう活動をされているということは、身近な人と良い関係性を築いてもらいたいという、強い想いがあるのかなと思いました。
そうなんです。ケーキ買ってきたよ~っていう会話がきっかけで、その日のことを話し合えたり、身近な人の関係性を深められるきっかけづくりになるなと思っていて。
誕生日プレゼントだったら、渡すときの会話はもちろん、その瞬間だけでなく、プレゼントしたものを身に付けてくれてたりすると「あ!この前の!」みたいな会話が生まれるじゃないですか?ちょっと先の未来にもコミュニケーションが生まれて、 すごくいいと思うんですよね。
―プレゼントは身近な人との関係性をお手入れするキッカケだと思っているんですね。少し気になったんですが、ここまで何気ないプレゼントを贈る文化を根付かせたい理由ってなんなんでしょう。
多分それって、私が友達が少ないからだと思うんですよ(笑)
限られた関係性の中で、大切にしたい人へプレゼントを贈って自分の気持ちをちゃんと伝えられるようにしたいという意識 ですね。
―なるほど。
割と私自体も気難しいところがあるんですよね。何気ない時の感謝だったりとかは伝えていったほうがいいと思っていて。我が家では逐一、ありがとうを言う文化があって。そこに、ときどきモノがついてくる、くらいの感覚なんです。(笑)
―素敵な文化ですね。
メンテナンスをせずにほっておくより、大切にしておきたいという想いがあるんだと思います。自分が関わっている人が少ない分、丁寧に関係性をお手入れしておきたいというか。多分、わたしより友達が多かったり関わっている人が多い方々でも、関わりが深い・浅い
の幅があって。 その中でも、自分が本当に大切にしたい人ってだれしもいると思うんです。
ふだんはお互い、give&giveの関係でいられていると思うんですけど、そういう何気ない日にプレゼントを渡すことで互いの感情が動いたり、感動したり、ホッとしたり。そんなことが大切だと思っています。けっこう空回るんですけどね。(笑)
―そうなんですね(笑)今お話を聞いていると、ちょっと伝え下手というか、想いを伝えることに悩んでいる人にも届いて欲しいなと思いました。みんなそれぞれ想いを言語化するって悩でんでいると思うんですよ。
たしかに。私、しゃべるのは苦手なほうなので、モノに頼っているところもあるかもしれませんね(笑)
―手紙や音楽で想いを伝える人もいると思うんです。想いをすべて言語化するって本当に難しいので、みんな何かしらには頼っていると思います。そういう、想いを伝える表現の一つとして何気ない日のプレゼントがある気がします。
モノで想いを伝えるきっかけづくりをするイメージかもしれないですね。
―今の時期は特に、会えない人が多い人もいますもんね。
はい、この時期だからこそ必要とされているんじゃないか、という想いもあって、クラウドファンディングをはじめた部分もあります。
―なるほど。そもそもの部分で、なぜクラウドファンディングを始められようと思ったんですか?
うちのサービスのコンセプトの一つとして、「自分へのギフト」があるんです。 なので今回、クラウドファンディングを通じてうちの商品を購入頂いた方にも、そういう「自分で自分に贈る」体験をもっと多くの方に届けたいなと思っているんです。ドキドキ・ワクワクを体験してもらいたくて。その一環として、リビング系(生活雑貨) の商品拡充をしていく感じです。
※参考:kaninchen
―自分へのギフトってなかなかないですもんね。それができるようになったら、今より少しみんなが自分に優しくなれる気がします。
あと、もうひとつの目的としては、実はうちのブランドって立ち上げてすぐなので、一緒に成長するのを楽しんでくれるひとと、このクラウドファンディングを通じて、出会えたならあと思っています。「自分へのギフト」だったり、何気ない日のプレゼントだったり、そういう文化や体験に興味を持ってくださる方と出会いたいですね。今、Kaninchenをご利用いただいているユーザーさんももちろん、これからのユーザーさんへのラブコールです。(笑)
―ラブコール(笑)いい言葉です。
あと実は今回のクラウドファンディングでお披露目する、ブランドのキャラクターがいまして。
―キャラクター!気になります!!
うさぎとアルパカのキメラなんですよ。こちらなんですけど。
―どうりで、モフモフしていますね。(笑)
そうなんです。ラパン(フランス語でうさぎ)とアルパカを足して、ラパパカっていうんです。時間も何も考えずに生きていて、日向が好きなんですよ。時間の流れに寄り添って、人に寄り添っていくことが好きなんです。うちのブランドって、ビンテージを扱っていることもあり、「時間」は一つのテーマにしています。あと、結婚行進曲を歌うのが好きですね(笑)
―詳細すぎるキャラ設定(笑)いいですね、ほっこりします。
今回のリビングルームラインはラパパカが大活躍します。これからも、こういう感じで予期せぬ展開もしていきたいと思っているので(笑)、ぜひ一緒に楽しんでもらいたいですね。見守りがいのあるブランドだなって思ってほしいですかね。
―あの、ちょっと話は変わりますが、「手元に届くもの」にこだわられてるんですか?プレゼントって、梱包を開けるときのワクワクドキドキ感も含めて、体験の価値ってあると思うんですよね。
たしかに、それはあるかもしれませんね。うちの商品も、きっと手元に届く過程も ワクワクしてもらえると思っています。(笑)でもかといって、e-ticketなどが悪いとは思ってなくて。それはそれで、いい側面、例えば便利だったりカジュアルだったり、とあると思っています。
―たしかに。スタバのチケットとか、もらうと嬉しいです。
そういう手法にはあまりこだわらずに、わたしの実現したい「贈り合うことで想いを伝えあう」ことが、できたらいいなと思っています。
今回は、 「自分へのご褒美」として展開していますが、匿名配送とかもいつかやりたいなと思っていますけどね。プレゼント交換とかも楽しそうですよね(笑)
―それ楽しそうです。誰かが誰かのサンタになる、みたいな。
それはめちゃくちゃおもしろそう。やりたいな~(笑)
―サンタ企画、やりたいですね。15名限定でプレゼント交換とか、めちゃくちゃ楽しそうです。
cocanでやってみたいですね。(笑)でもそういう風に、気軽にプレゼントが贈り合える文化がうまれたら、この上なく嬉しいです。
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プレゼントは「自分も相手も認め合うこと」
贈ることで自分を愛して欲しい**
―少し話は変わりますが、大切な人の贈りものを一緒に選ぶギフトコンサルでの活動もされていますよね。
※詳細サイトはこちら
そうですね。今後、一番やりたいことでいうとプレゼント診断なんです!「こんなあなたには、こんなプレゼントがおすすめ!」みたいな診断を作りたくて。
―それは面白そうです!プレゼント選びってめちゃくちゃ悩みますもん(笑)
プレゼントを選ぶことが、苦手な方に届いたらいいなと思いますね。
―苦手な方は多いと思います。絶対条件として、予算とかはあると思うんですけど、それ以外の選択肢って星の数ほどあるので悩みがつきません。
そうですよね。ギフトコンサルでは、どんな人だから、どんなプレゼントがいいか、そういう深いところまでご一緒に考えています。
―具体的にどんな風に進めていくんでしょう?
ご依頼主さんのプレゼントしたい相手のプロフィールをけっこう根掘り葉掘り聞いてます(笑)性別、年齢はもちろん、差し支えなければご職業、好きなものなど。そこから、5つくらい選択肢を提案しています。そのなかからしっくり来たものを選んでもらって、ご自身で購入していただく、という流れです。
―5つも!?すごいです!手厚いサービスですね。
プレゼントってそれくらい選択肢あったほうがよくないですか?
―たしかに(笑)ご自身で納得するアウトプットが5つなんでしょうね。すごいプロ魂です。
あはは(笑)ありがとうございます。これからはその辺りも力は入れていきたいと思っています。人間ひとりで生きていけないじゃないですか。
人間関係って当たり前に感じてしまうんですけど、実は勝手に育まれるものではなくて、互いにお手入れし続けて、努力して、はじめて良い関係性が育まれるものだと思っています。
―なるほど。そういう部分に立ち返られると、自然と想いを伝えよう、お手入れしようと思えそうです。
わたし、贈ることって、贈る側にとって「自分を認めること」だと思っていて。自己満足かもしれないんですけど。嬉しかったよって気持ちを受け取ることで、感じられると思うんです。伝えられたよろこびというか。
―ほぉ~。その観点はなかったです。
だから、プレゼント文化って自己肯定感が高まると思うんです。プレゼントって、行動するし、それが小さな成功体験の積み重ねになると思っています。相手に贈った、贈った相手からありがとうって言われる、この体験が自己肯定感をつくると思っていて。
―実はわたし、プレゼント魔なんですよ(笑)で、なんでこんなにプレゼントあげちゃうんだろうって思っていたんですけど、たぶん、わたし自己肯定感を高めたかったんだと腑に落ちました。
そうそう。そういう側面ってあると思います。逆にプレゼントを受け取ってもらえないと、ショックだったり。(笑)
―めっちゃわかります(笑)でも、この「贈る」行為って、まさに一石二鳥ですよね。
贈る側も、贈られる側も、ハッピーになれるというか。
そうかもしれませんね。何気ない行為でも、お互いにとって良いエネルギーの循環が起こると思っています。なので、どうやってプレゼントをしているか、も気になります。どういう経緯でプレゼントをされているのかも、いろいろお話を聞きながら研究していきたいですね。
―そうやって、ユーザーさんと対話しつつ、共創していくブランドなんですね。
期待もしてほしいですし、応援してくださる方がいなければ何もできないですからね。全力で応援してくれる方も募集します!!(笑)
―大事ですよね、一緒に走れる仲間がいるって。今から、今後のKaninchenが楽しみです。
是非、楽しみにしておいてください!!
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余談だが、私は買い物をしていても、すぐに「○○ちゃんにあげたい!」とか「○○さんに会うから持っていこう!」とか、すぐにポンポン他人へのプレゼントを買ってしまう。
これがきっと浪費の原因のひとつでもある。(笑)
でも、かわほりさんのお話を聴いて「自分が自分でいいと認めてあげている作業」なんだと思うと、ちょっと自分が愛らしくなったし、清濁併せ吞む人生だろうし、まあ仕方ないかと思えた。
たぶんだが、贈る側も、贈られる側も、
プレゼントを通じて心をお手入れする時間を手に入れられるから。
想いの手触りをたっぷり感じながら、
関係性を丁寧にお手入れできる、
最高で最強のツールなのかもしれない。
お手入れする文化が根付く日を、
かわほりさんはきっと1日ずつ早めてくれているのだろう。
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▼ギフトコンサルティング:
https://note.com/4kaninchen4/n/n4e92240b4988
▼クラウドファンディング:
https://camp-fire.jp/projects/view/127475
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