ディープな?『天気の子』(ネタバレ含みます)
こんにちは、いっぴです!
記念すべき初投稿となりました〜〜
さてさて、今日は先日観に行った新海誠監督の作品『天気の子』の感想を書き留めておきたいと思います。(日が経つと内容忘れてしまうので汗)
よかったら暇つぶし感覚で読んでみてください!
壮大なネタバレも含みますので、まだ観ていない!って方はブラウザをそっと閉じてください笑 でも観たら戻ってきてね!!
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さて、まず、特筆すべきは、『君の名は。』よりもおもしろかった…!観た方はもうご存知かと思いますが、前作の『君の名は。』よりも、より東京——しかも都心——にクローズアップされています。これは同監督作品の『言の葉の庭』を想起させますね。
また、東京に住んでいる誰しもが、「あっ、あれあそこにあるよね!」と共感できるほど、実在する店の名前や街の風景が、緻密な描写によってリアルに描かれていました。
概して、「雨天続きの日本」をテーマにした作品ですので、ストーリーを通して靄のかかったような、どこか不透明でくぐもった画面の中で物語は進行していました。
陰鬱な梅雨時期の感情が具現化されたような見事な描写で、新海監督は今年の歴史的な長梅雨を予想していた!?と思ったほどです。
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【けっこう大人向け?】
第一に、天気の子は比較的大人向けではないかという印象を受けました。
高校生である主人公の帆高が歌舞伎町の自販機横のゴミ箱に投棄されていた拳銃を拾い、ヤクザに発砲するシーン。豪雨で帰宅できなくなった帆高とヒロインの陽菜、そして陽菜の弟の3人が池袋のラブホテルで宿泊するシーン。ラブホテルで陽菜がベッドの上でバスローブをはらりと脱ぐシーン。
どれもアダルトチックでディープな場面であり、親と観に行ったら確実に気まずくなること間違いない。また、今作では警察の登場場面も多く、帆高たちと一戦を交える場面もありました。
上記のような、拳銃、歌舞伎町、警察、ラブホテル、脱衣といったアダルトチックな要素が盛り込まれた天気の子は、ファンタジー的性格を持つ一方で、決して綺麗ごとだけでは済まないこの世の裸の姿、言い換えれば飾らないありのままの姿を表現しています。そこにこの作品の価値があるのではないでしょうか。また、その点で、『君の名は。』はどちらかというと中高生などの若年層向けで、今作は大人向けではないかと思いました。
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【純粋なハッピーエンドではない】
天気の子のラストは、ハッピーエンドではあるが、完全なるハッピーエンドではないという逆説的な締めくくりとなっていました。ちょっと何言ってるかわからないですね。
『君の名は。』では、三葉と入れ替わった瀧くんが彗星の衝突から避難するように三葉に説得し、結果的に町民は全員無事、大人になった瀧くんと三葉は奇跡の再会を果たすという、これ以上のものがあるかという超ハッピーエンドでした。
みんなが救われたのです。
しかし、今作は、人柱である陽菜の命と引き換えに快晴を取り戻した日本列島が、帆高の一種自己中心的な願望——陽菜が助かれば天気などどうでもいい——によって、再び雨が降り続く世界へと逆戻りします。それによって2人は再会できましたが、首都圏は水没し、文字どおり日本沈没となりました。
最後の言葉は「きっと、私たちは大丈夫」みたいなかんじで、エンドロールに突入していきました。
全然大丈夫じゃないよと誰もがツッコミを入れると思いますが、このように明瞭なハッピーエンドではありません。2人は幸せになりましたが、他の日本国民は大迷惑です。
でも、それすら忘れさせる、まるで曇天に虹がかかったような締めくくり方は圧巻で、鳥肌モノでした。
ここがやはり賛否両論分かれるところですが、今作を通して描かれていた愚図ついた天気の様相が、そのままラストに投影されていたと考えると、とても意味のある結末だったのではないかなと思います。
『秒速5センチメートル』ほど救いのないラストではないですが、「ハッピーエンドじゃなきゃ嫌だ!」っていう人にとっては消化不良なのかなと感じました。
しかし、やはりそこに新海作品の真髄があるのではないでしょうか。
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まとめると、『君の名は。』に比べると万人受けではないかなという感じです。だから評価もかなり分かれると思います。でも、冒頭に示した通り、よりストーリーに奥深さがある今作の方が僕は好きです。
何はともあれ、帆高の「人の気持ちはこんなにも天気に左右されるものなんだ」というセリフが強烈な共感をもって記憶に刻まれました。
真夏日が続く関東の梅雨明けも間近ですね。
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ここまで読んでくれてどうもありがとうございます。
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