【総合評価○】競馬場探訪:英 エイントリー競馬場/Aintree Racecourse
障害競走専門の競馬場がこうも広大で豪華とは!とカルチャーショックを受けること間違いなし。グランドナショナルミーティング期間以外であっても訪問する価値は高い。
エイントリー競馬場 / Aintree Racecourse 概要
所在地:イギリス Merseyside County
創設:1829年
開催競馬:障害競走
馬場:芝(左回り)
主要なGIレース:4月のGrand National Meeting期間中、三日間で11の障害競走のGIが開催される。障害競走世界最高レースと言われるGrand Nationalは同Meetingのメインレースであるが、格付け上はGIIIの扱い。
・ 総合評価 ○
日本にはない障害競走専門の競馬場。観戦エリアには5つのスタンドが並び、芝コースには直線に横に3つのコースが連なる広大な敷地。4月のGrand National Meeting開催期間はもちろんのこと、リバプールから近いこともあってか、重賞開催日以外でも場内は混雑。ただし、多くの観客は、馬<ビールなので、パドックや装鞍所は人が少なく落ち着いて馬を見ることができる。レース中の怒号が最後の障害飛越後に大きな拍手に代わるのは障害競走ならではで、ぜひ体験していただきたい。
・ ロンドンからのアクセスの良さ ★☆☆
- London Euston駅→Liverpool Lime Street駅(Avanti West Coastの直通電車で約2時間15分)
- Liverpool Lime Street駅→Liverpool Central駅(徒歩で約5分)
- Liverpool Central駅→Aintree駅 (Merseyrailの直通電車で約20分)
- Aintree駅→Aintree競馬場(徒歩で約3分)
・ 公共交通機関のみでのアクセスの良さ ★★☆
【電車+徒歩】
Liverpool市内で異なる駅間を乗り換える必要があるため、若干の徒歩移動が必要だが、ロンドンからでも公共交通機関と徒歩のみでアクセス可能。Aintree駅からAintree競馬場は徒歩で数分だが、電車でアクセスする人が多いため、入場口で数分程度列に並ぶこともある。
・ 場内の雰囲気 ★★★
世界最大の障害競走Grand Nationalの開催地なだけあり、スタンドをはじめ施設は充実。Grand National Meeting期間中は相当な混雑になると聞くが、重賞開催日以外でも観客数は十分多く、華やかな雰囲気を楽しめる。各スタンドは大きく、高さもあり収容力が大きいため、ある程度混雑していても座って競馬を楽しむことが可能。パドックもスペースに余裕がありじっくりと馬を見られるが、パドック裏手の装鞍所や検量室に向かう階段、本馬場入場に続く道、ウイナーズサークルといったパドック周辺の設備も見ていて楽しい。
・ レースの臨場感 ★★☆
直線は、芝コースが三コース重なる構造となっているため、レースによっては走路がスタンドから遠いコースとなる。特に、平場の障害競争では、スタンド近くの障害は使用されず、観戦エリアの目の前で一流馬のジャンプを見られないのがやや残念。ただし、スタンドの二階以上の部分に多くの席が用意されており、レースを俯瞰して楽しむことはできる。
・ 競馬場周辺の観光 ★☆☆
Aintreeの町は特に観光にお勧めのポイントはないが、乗り換え地となるリバプールは、美術館や博物館、ビートルズ関連施設があり、観光地として魅力的。
・ 参考情報(競馬場のHP、写真等)
エイントリー競馬場のHP:
https://www.thejockeyclub.co.uk/aintree/
関連写真:以下のとおり。なお、これらの写真はいずれも重賞レースが実施されていない日に撮影。大きなレースが開催される際は、観客数や競馬場の雰囲気、入場可能なエリアに違いがあると思われるため、ご留意いただきたい。
↑ Aintree駅。ごく小さな駅だが馬のモチーフ満載でさすが競馬場最寄り駅といったところ。競馬場の目の前にあるため競馬開催時はGI開催日以外も賑わう。
↑ 競馬場入り口から見たスタンド裏。
↑ 競馬場全体図。個性的なスタンドがゴールポスト付近に5つも並ぶかなり大規模な競馬場。
↑ 5つのスタンドの中で一番奥にあるPrincess Royal Stand。
↑ Princess Royal Standから見た競馬場全景。
↑ Princess Royal Stand前には芝生が広がり、ピクニックスペースになっている。
↑ Princess Royal Standから見た直線の馬群
↑ Queen Mother Standから見た第四コーナー方向。幅広の直線には障害コースが三つ横に連なっている。さすが世界一の障害競走専用競馬場。
↑ Queen Mother Standから見たレースの様子。直線の攻防を俯瞰できる。
↑ 観戦エリアからスタンドを望む。いずれも個性的かつ高さがあり収容力も抜群。
↑ スタンド内のバーの一つ。各スタンドに個性的なレストランやバーが入っている。
↑ 観戦エリアから見たレースの様子。観戦エリア付近に障害が設けられていない点は残念であるが、十分臨場感あるレースを楽しめる。
↑ 障害競走のスタートはゲートがないのが特徴。
↑ ごく普通の楕円形の形状だが、40頭を超えるGrand Nationalにも対応できる大規模なパドック。黒い部分はウイナーズサークルを兼ねる。
↑ パドック横の大階段の上に検量室兼ジョッキー控室がある。大きなレースでは、ここを降りてくるジョッキーたちに盛大な拍手が送られるのだろう。
↑ パドック横の通路から奥に進むと装鞍所がある。
↑ パドック・ウイナーズサークル⇔本馬場の移動は、Earl of Derby StandとLord Sefton Standの間を通る。近代的だが威厳に満ちた通路。
↑ パドック横の芝生に佇むRed Rumの像。Grand Nationalを1973年、1974年、1977年の三度制覇している名馬。
↑ スタンド内には、Grand NationalをはじめとしたAintree競馬場で開催されるレースの勝ち馬の名前が刻まれたパネルが並ぶ。
↑ スタンドの隣には、オールウェザーの馬術競技用アリーナもある。