ひとくず
業務に関係することもあって、アウトロー作品を集中的に見ている。
男性にだけ見てもらいたいのではなく、アウトローの魅力を多くの人に伝えたいと考えている。
・社会でうまく生きられない人たちの生き様。
・反権力、反体制。
・時折見せる優しさ。
箇条書きで書いてみたが、アウトロー作品の定義はもっと色々とあるだろう。
そんな折、映画「ひとくず」を見た。
アウトローな人物たちの物語に感動。でも、もっと深いものを感じる。
さらに、下北沢の劇場で「ひとくず」公演中と知る。
近所やん!これはなんとしても行かねば!ということで、なんとか千秋楽に滑り込んだ。
これまで見たお芝居の中で、いちばん場面転換が多かった。これはすごい!
シナリオでいえば、柱にあたる。今回50以上ものシーンがあったそうだが、まさに映画に近い場面転換のリズムがあるお芝居だった。
主要人物たちには親に虐待された過去があり、いまの人格形成に影響している。子どもにどう接していいかわからない。
この作品は、社会からはじかれた生き方しかできない人物たちの物語だが、親の虐待や貧困という社会問題が根底にあり、それがぶれない。
主人公だけは、そんな境遇にいながら、子どもを思いやる行動に出る。
試行錯誤ではあるけれど、不器用さが心をつかむ。
アウトロー作品だが、これは本格的な社会派作品だ。
久しぶりに余韻がずっと続いている。
映画もお芝居もおすすめです。