【全話視聴感想】スイートプリキュア

・スイートプリキュア本編48話＋単独映画の完全初見全話視聴を完了しました。
面白かったです。
ネタバレありで語らせてください。

事前に知ってたこと

・黒板芸、黒川エレﾝ

・響と奏は喧嘩しがち

・OP曲好き

・キュアミューズは仮面をして登場する

※筆者はプリキュアに詳しいわけではありません。
ちゃんとまとめて全話視聴したのはドキドキ、フレッシュ、デリシャスパーティのみ。
ハピネスチャージからは大体リアタイで見てますが話は飛び飛びです。

感じたこと

・バラバラだった心を一つに
響と奏が喧嘩している状態からスタート。そこから誤解を解き、また喧嘩して、仲直りして、また喧嘩して、また仲直りして…を何度も繰り返す序盤。
敵対していた負い目で遠慮が見られたエレンと仲を深めていく中盤。
謎の存在だったキュアミューズの事情を知り、アコとの距離を縮めていく終盤。
どのプリキュアも誕生や加入までいざこざがあり、それを乗り越えることで強固な絆が生まれていくというのが主題だったように思えた。
それを音楽とも絡めていましたね。身近にあるものの尊さを教えるプリキュアというシリーズ、子ども向け作品のお手本だ。
その絆の組曲はラスボスだったノイズまで届き、ノイズも浄化・改心してのハッピーエンドという帰結が良かった。
「絶対に許せない」とは真逆の結末だった。

・変身シーンについて
変身は人数が増えるごとにそれ専用のシーンが追加され、既存のバンクを繋ぐだけではない良さがあった。どのバージョンにも違った良さがあるんだよね。

2人版→互いに手を伸ばし合うシーンが好きです。変身完了後に1ポーズ、個人名乗りで1ポーズずつ、合わせての名乗りでもう1ポーズと何度もポーズ決めるのも印象的。

3人版→ガラッと変わって物凄く印象的。
ここで追加されたビートがあまりにも好きすぎるという話を後でします。2人の時は伸ばし合っていた手は3人版では重ねるのに近い形に。そこが良い。

4人版→ここで語るべきはやはり、ピアスの音の完成でしょう。元は3人版から追加されたシーン。3人版でドレミファソラで止まるという時点で絶対あるだろうと分かっていた。そして分かっていたから音階が完成した時の感動は大きかった。

・OPについて
最高のOP曲だと思っている。
ベースが！とにかく！めちゃくちゃ！かっこいい！！「チャイムが鳴って弾む靴音」の裏なんか最高だよ。
Aメロで合いの手のように入るギターも好き。バンドサウンド良いよね…。
後期OPが作られた背景を知ると本当に泣けてくる歌詞ばかり。「一歩ずつでも進もう」「その涙かわくまで」「いつでも笑顔がナンバーワン」。

映像も大好き。
Aメロの、距離があって向いてる方向もやってることも違う2人がサビの最後には目を合わせて、手を繋いで、同じ場所へ向かっていくの見るだけでなんか泣けてくる。書いてる今も泣いてる。サビの回転しながら回避するキュアリズム、ベルティエを掲げる2人も好き。
でも一番好きなのは、キュアミューズ加入後バージョン！なんなら見ようと思ったきっかけの1つは、そのバージョンの怪人化トリオザマイナーがかっこよかったからだし。
あとは終盤の、ビートが顔を上げて目を開いて、ミューズと目を合わせるところ。かっこよすぎだろ！！！！　

キャラクターについて

メイン4人と、特筆したいキャラクターだけ。

・北条響
普段は子どもっぽいのに、戦いや大事な場面では仲間を鼓舞して先頭に立って引っ張っていく、リーダーの才能がある。さすが主人公。

・南野奏
響を叱るしっかり者担当。「もう知らない！」とか言いそうな見た目をしているしたぶん言ってるけど、意外と歩み寄るのは奏からのことが多かった気がする。

響の項目が短いのは、奏とセットで語りたかったから。
プリキュアは2人のハーモニーパワーが鍵となるため、絆を深めるイベントが多かった。そういうの見た後で2人を切り離して語るのは自分には無理です！
毎回色んな内容で言い合う2人。けどそれはしっかり意味あるものとして描かれている。
喧嘩が控えめになった後半でも今までの喧嘩を引き合いに出して他の人を説得する機会があるくらい。
「喧嘩したっていい。言いたいこと言い合った後はもっと仲良くなれるから、きっと大丈夫」という語りかけを感じる。
序盤はまた喧嘩かい！と思ったものだけど、めっきり減ってしまう後半は寂しい。実は喧嘩回ってクソデカ供給なんですよね。まさしく、喧嘩するほど仲が良い。それを序盤は毎回やってたのか…。凄いや。

・黒川エレン
セイレーン時代のギャグ路線を若干引きずったまま仲間になってくれたのが好き。敵時代あんなに厄介だった変身能力が消えてしまったのは残念。変身で敵を撹乱してほしかった。
まさか猫にも戻れないのには驚いた。自分で例えると、猫になったまま戻れないのと同じってことでしょ？そんな状態でよく頑張ったね…。

人間界の常識を知らないから響と奏に教えられる描写があったからか、2人と同い年のはずなのに妹感(なんなら娘感)がある。
それなのにキュアビートはひたすらかっこよすぎ。髪の毛完成後の振り向きカットが特に。
キモいこと承知で白状します。3〜4人の変身シーンを見るたびにそのかっこよさにのけ反っていました(ガチで)。

単純に振り向くのではなく、下から見上げる感じなのがただでさえ鋭い眼光を更に鋭くしているし。つり目だから余計にかっこいい。キュアビート見て思い出したよ、自分がつり目好きなこと。眼は鋭いけど口元は笑顔だから怖くなくて、ただただかっこいいんすよね…。

・調辺アコ
第一印象は生意気な子ども。仲間入り後は年相応の子ども。
思い悩み、それを響に励まされるという描写が印象的だからこれまた娘感がある。やっぱりスイートプリキュアって家族なんだ。

キュアミューズの正体と真の姿は知っていた。だから「ミューズ誰なのか問題」もアコ一択じゃんと思って見ていたのだけど…当時の人はどうだったんですかね。
正体知ってるから、竹馬が上手かった描写も伏線として楽しむことができた。
竹馬が上手いから難なく厚底ブーツを扱えるのか、厚底ブーツで鍛えられたから竹馬が上手いのかどっちなんだろう。
あとオールスターズFでキュアフローラやキュアプリンセスたちと一緒にいたことから、出自についてはなんとなく察していたが、メフィストが父親なのは言われるまで全く気づかなかった。
父との対立に心を痛め、それを1人で背負っていたアコにも仲間ができた。それがなんと嬉しいことか。
日常パートでは大体奏太とずっと一緒にいるのでニヤニヤしながら見てた。

・ハミィ
癒しの妖精。マイペースで気が抜ける時もあったけど、それが癒しになる場面も多かった。

特筆したいのはセイレーンとの関係。どれだけ裏切られようとセイレーンを信じる心は絶対に曇らなかったのが感動的だった。それくらいセイレーンが大好きなんだよね。セイレーンが黒川エレンとして、そしてキュアビートとして仲間になってからも「セイレーン」呼びだったのが地味に良いポイント。ハミィにとっては敵になっても、冷たくされても、人間になっても、何があっても変わらず大好きなセイレーンなんだ…。
普通こういうのって、子どもにも分かりやすいように仲間内は全員エレン呼びで統一されてもおかしくない(実際、エレンからアコへの呼び方も「姫様」から「アコ」に変わっている)。でもそこをセイレーン呼びで貫き通した事実が眩しい。最終回までずっと一緒で、最後も一緒にいたのが嬉しかった。でも幸せのメロディを一緒に歌うのが夢って言ってたから、2人で歌ってくれたって良かったよ？

毎回のように「もうすぐ幸せのメロディが完成するニャ」と言っていたのには笑ってしまう。12話くらいからずっと言ってたぞ。音符大量に奪われて終わった回ですら言ってたからね。何を見て判断してたんだよ。

・調辺音吉
フレッシュのカオルちゃんみたいななぜか色々できる謎の人なのかなと思っていたら、ちゃんと出自もハッキリしていてしっかり協力してくれる、優しく頼れる人だったので驚いた。

若かりし頃の音吉さんがノイズと戦った時に使った技には大興奮。黒ミューズの技は音吉さん直伝だったのかぁ…！！
そういえば音吉さんとアコの眼鏡って色違いじゃん。全然気付かなかったけど考察材料だったんだな…。音吉さんには孫がいるって話も序盤で出てたな…。

・ファルセット
爪隠しすぎだろ！！こいつ全然ネガトーン作らないなと思ってたら！いきなり正体明かして！マジでびっくりしたんだから！！

序盤ニューリーダー病で張り切って目立ったバスドラと終盤衝撃を与えたファルセットに挟まれて影が薄いバリトンにどうしろというのだ！

好きな話

・4話モグモグ！奏が魅せる気合いのレシピニャ♪
この話で凄いなと思ったのが、奏の両親がケーキを食べながらイチャイチャしてるシーン。このシーンの役目は本来、「スイーツはコンテストのためじゃなくて誰かの笑顔のために作るもの」という主張のためのもの。でもそれを「ママの笑顔を見たくてケーキを作ってるんだ」というラブラブ発言があることによって、その後の奏の発言、「ずっと響の笑顔が見たくてケーキを作ってた」にイチャイチャの文脈が乗るんですよね。
つまりそういうことだよ。
なんか全体的に雰囲気が恋愛感あったと思います。

・13話ムムム〜ン！セイレーンとハミィの秘密ニャ♪
ムムム〜ンって月のことか〜〜〜！！！(今気付いた)
スイート1の神回、これです。
セイレーン＝ミューズ説が出て「こんな嬉しいことはないニャ」と上機嫌なハミィが可愛すぎ！
小さい頃からハミィを世話していたセイレーンが尊すぎ！
ハミィの才能を尊敬する気持ちと追い抜かれて悔しい複雑な心境もわかり過ぎる！
セイレーンが一番欲しい言葉、「親友」をかけるハミィもすごいし！
洗脳でまた引き裂かれる終わり方が切な過ぎる！！
この話にはめちゃくちゃ好きなシーンがあって。それは、涙が溢れたら月を見上げることを教えたセイレーンに「セイレーンと会えなくなってから、ハミィはずいぶん月を見上げたニャ」と言うシーン。
いくらなんでもやりとりが美しすぎませんか…？
思い返すと本当に凄いな。何この回？セイレーンもハミィも感情重すぎてこっちの感情まで重くなってしまうよ。一番好きな回です。
ライダー春映画やらカブトやらで米村正二さんの印象ってあまり良くなかったんですが、単発だと米村さんは本当に良い仕事しますね。響鬼とキバの単発回も好きだったな…とか言い出すとライダーの方へ脱線してしまうのでこの話はここまで。

・24話サンサン！お砂のハミィで友情の完成ニャ！
響と奏に遠慮していたエレンが壁を払うきっかけになる回。喧嘩したっていい。思ったことは言い合えた方が楽しい。そう説く良い話だった。
3人変身バンク、同時必殺技の初お披露目なのも好きポイント。ビートに胸を撃ち抜かれてしまった。
必殺技も3人版なのだが、最後のフィナーレでメロディがリズムに被ってたのも印象に残った(次回から修正されていてホッとした)。
印象的だったセリフは「私、ハミィ以外の誰かと仲間なんてなれるのかな…」。
あと、エレン仲間入りで怖かったのが「奏が王子先輩の同担拒否だった」という展開だったが、そもそもエレンが王子先輩に前ほど関心を持っていないようだったので杞憂に終わった。

・33話ホワワ〜ン！みんなの夢はプリキュアの力ニャ！
夢に向かうそれぞれの話。まだ夢がないエレンにできることは他の人の夢を守るために戦うこと。ファイズですか？
そうして孤軍奮闘するビートもかっこよかったし、コンクールを片付けて駆けつけてくれたメロディとリズムの頼りになる背中もかっこよかった。

・36話キラキラーン！心に届け、ミューズの想いニャ！
この回と1話前の回は情報量の多さが好き。アコの素性、音吉さんの素性、メフィストとの決着、アコとメフィストの再会、ミューズの変身、ファルセットの豹変、黒幕の判明。
第3クールの終わりだけあって凄く面白い山場だった。
メフィストと戦うのを躊躇うアコを説得する材料が、序盤の響と奏の喧嘩だったのが良かった。
喧嘩と仲直りで想いをぶつけ合ってきたことが終盤にも生きてくるのがスイートプリキュアという作品なんですね。

・47話ピカーン！みんなで奏でる希望の組曲ニャ！
ここまで戦い続けてきたノイズとの決着。憎むべき相手のノイズの言葉に耳を傾けて、悲しみを受け入れる覚悟を決めるプリキュアたちとハミィの強い気持ちがかっこよかった。
ここでも序盤の喧嘩が生きてますね。
最後の必殺技も感動したなぁ。
「今こそあなたに…」という言葉でいつもの技のポーズを取るから、続く言葉は自ずと分かる。
ただの必殺技の掛け声が、相手への語りかけになる演出。超良かった。
ノイズとの決戦は何週にも渡り長かったけれど、クレッシェンドトーンの封印もあり今までの技がほとんど出たのが熱かった。ミューズはあのピアノ技もちょっと使ってくれたし。

まとめ

序盤でしつこいくらい繰り返されていた響と奏の喧嘩。
それも後半への布石になっていて、今見返すとまた違った印象を受ける気がします。
エレン、アコと仲間が増えるにつれて喧嘩は減っていったけど2人には些細なことで喧嘩して、仲直りしてを繰り返していつまでも仲良くしていてほしいです。エレンもアコも人間界に残ってハミィや奏太と仲良くやっているようなのでその後も見てみたい。小説があるらしいので読んでみようと思います。

フレッシュ、デリシャスパーティと敵が味方になる作品を連続で見て今回のスイートなのですが、キュアビートは特に気にしていたわけではなく。ノーマークだったところからとんでもないかっこよさをぶつけられて致命傷です。

以上です。最後まで読んでいただきありがとうございました！

おわり