vol.23:隣の客はよく柿食う客、かと思いきや実はあなたが井の中の蛙
障害者家族エッセイストの川島田ユミヲです。
Twitterを情報収集だったり、ラジオやTVのリアルタイム視聴の副音声的に使っているワタクシ。
たまーにTwitterのタイムラインには、私はフォローしてないけれどフォロワーさまがリツイートしたツイートだったり、そうでなくても
「あーたこの話題、興味あるでしょ~~?」
と、余計な世話焼きおばさんみたいなAIの機能が、たいして知りたくもない話題を垂れ流してくれたりします。
先ほど流れてきた、ぜんぜん知らない人のツイートがコチラ。直接URLを貼らずにコピペにします。
140文字では収まらないのでいくつかに分割していたのですが、原文ほぼそのままツリーのつなぎ目をなくしてひとまとめにしました。どうぞ。
このツイートに対して
「めっちゃ笑いました」
「大勝利に拍手」
というリプライが多くついているのですが、こういう事案、私が障害を持つ人との関わりが多いからなのか、どうしても面白いと思えないんですよね。
変オジ、もしかしたらなにかしらの障害があるんじゃないかな。
何の障害かはわからんよ。現場を目撃したわけでもないから。
でも店内ガラガラなのにいきなり横に座って大声出されたらびっくりするのはわかるし、障害があるからって許されるのは違うと思っている。うーん、許されるのは違う、ってのも違うのかもしれませんが、察して許容してくれる人ばかりではない。
大声にびっくりして立ち上がったらホットコーヒーこぼしちゃって太もも火傷、なんて事故にもつながりかねないのだから。
じゃあ、ここでいう変オジは、外出に関しても絶対的にサポートが必要だろうか。
大声を出さないように、ガラガラのカフェで知らない人の近くに行かないように、注意する介助者が行動を共にしなければいけないだろうか。
うちの弟に関しては、自分ひとりでは外出できないので、常に誰かが一緒でなければならない。でも、おそらく変オジはひとりで外出して、公共交通機関も利用でき、喉が乾いたら自分が飲みたいコーヒーを買って、カフェでのんびりできる人なのだ。それができるってだけでも自立の一環だし、素晴らしい事だと思う。急に大声を出しさえしなければ、何の違和感もなく所謂 “ 普通 ” と言われる世界において、自分の存在に違和感を持たれる事もない。
確かにね、物騒な世の中ではありますから。警戒心を持つ事も大切です。
かくいう私も深夜に仕事が終わって、勤務先から自宅までは徒歩でおよそ20分。深夜に女性がひとりで歩いて帰るのは危ない、とも言われますし、実際車寄せられて
「ねーねー、これからどこ行くの?」
なんて声をかけられたこともあります。
なのでリスクヘッジとして、音楽聴きながら比較的大きめの声で歌いながら歩いたりしてます。おかげでそういうナンパのようなものはなくなりました。当該のツイート主さまの言う “ 変オバに、私はなる!” と同じです。
ここで思い出してほしいのが、
私が過去記事でも書いた、映画「JOKER」の話。
今回のツイートの事案は、なんかすごくこれだな、って思いました。
変オジがどうかはわかりませんが、自分の意志ではない発声に指をさされる、訝しがられる。“ 春の陽気に誘われて出てきた変な奴 ” に “ 私は勝った ” と、一方的にマウントを取られ、画一的な視点で笑い話にされる。
確かに春は自律神経乱れるし、変な奴出てくるのも間違いではない。でも、障害者に季節関係ないのよ。春夏秋冬オールシーズン。それは障害がなくても同じ。隣の客が誰かを無差別に殺そうと思って、カバンにガソリンとライター忍ばせて、包丁振り回す世の中なんだから。
同じnoteのユーザーさまの記事も共有させて頂きます。いろいろ調べてて、初めて「トゥレット障害」という言葉を知ったきっかけを頂きました。
表題に「井の中の蛙」と使いましたが、
もっと文章力をつけたい!と、執筆に興味を持ち始めた頃に買った「ことわざ・四字熟語辞典」。ずーーーっと本棚にしまったままだったんだけど、今回このエッセイを書くにあたって引っ張り出した。
なんせ私は学がないというか、学生時代は本当に勉強が嫌いだったので、横文字どころか日本語だってまだまだ知らない用語、表現、言い換え、などがたくさんある。
そんな私が馬鹿の一つ覚えでこの言葉を使ったり、そう括る事はおこがましいかもしれないけれど “ 井の中の蛙大海を知らず ” な人が多いんだな、と。まあでも知らないでここまで来ちゃったんだからしょうがないんだろうけど、私は “ 知らないまま今まで生きてきた人たち” に、
「実はですね~~、世の中には、こういう人たちもいましてですね~~~。あっ、別に今すぐ理解しろとか許容しろって事じゃないんですよ、いるという事実だけでも認知して頂けたら~~~~。」
と、手をスリスリして、昔のセールスマンみたいなプレゼンをしたいのだ。
でも、知らないでここまで来ちゃった人たちは、きっとそれについて知りたいとも知ろうとも、思わないかもしれない。故に、私と出会う事はないのかもしれない。
でも極論、本当に認知だけでもいい。そこからの歩み寄りとか理解を得られるとかは、期待し過ぎないようにしている。自分の考えはあくまで自分の考えであって、それに共感したり賛同してくれる人が、いたらラッキー☆ぐらいの気持ちです。
<完>
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最後までお読み頂きありがとうございました。
★おまけ★
以前、新聞の一面広告を額装しているというエッセイを書きました。
その後は額装にハマり、
ライムスターとかCreepyNutsとか、CDやDVDの購入特典、LIVE会場限定配布のポストカードたちを、100円ショップで買ったフォトフレームに入れて飾ってあります。
好きなものに囲まれる生活、好きなものがそばにある生活。
なんでもいいから、これを読んでいるあなたが、好きなものを愛でて日々の疲れやストレスを少しでも軽くできますように。