イマーシブオーディオDJの音響心理学:知覚を操る最先端技術
はじめに
イマーシブオーディオDJの世界では、単に音を空間に配置するだけでなく、聴衆の知覚そのものを操作することが可能になっています。本稿では、音響心理学の知見を活用した最先端のDJテクニックについて、具体的な例を交えながら詳しく解説します。
1. 音源定位の操作と感情誘導
理論的背景
人間の聴覚系は、両耳間時間差(ITD)と両耳間レベル差(ILD)を用いて音源の位置を特定します。これらのパラメータを精密に制御することで、聴衆の空間認識を操作できます。
さらに、Groh et al. (2001)の研究によると、音源の位置は扁桃体の活動に影響を与え、感情反応を引き起こすことが示されています。
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