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団地暮らしの穏やかさ


わたしは同じ団地の同じ部屋に住んで今年で21年になります。

障害者年金などと言うものをいただいておりますから、世間様を差し置いて一軒家に住むなど トンでもない話です。

ハタチそこそこで家を出て、札幌の風呂無しアパートに住んだ後に同じく札幌のマンションに移り住み、三度目の引っ越しで現在の団地アパートに入居した次第です。

わたしは団地が大好きです。

団地住まいですから 入居者は低所得者が多いですし、高級乗用車を運転する人や入学金がベラボウに高い私学に進学するような子供はまず居ないのですが、貧しくとも慎ましく分をわきまえて暮らす庶民の静かな息吹が感じられる生活に、わたしはある種の安心感を憶えます。

北海道の静かな田舎街にあって、住人同士がコメや野菜を分け合う連帯のようなモノがこの荒んだ令和の世の中にあっていまだにあるのはある意味 奇跡的ですらある。

このアパートが建ったのは平成7年ですから、建設から28年が経ちます。

この約30年の間に多くの家族がここに入居し、家族の誰かを見送り、そして去っていきました。

このアパートの窓の数だけ、人々の営みがあり、暮らしの喜びや悩みがあり、寿命を全うして去る者、そして産まれるいのちがある。

そして、すべての部屋に生きる人々の足跡があるのです。

わたしも住民のなかでは古い部類になりました。

似たような経済力しか持たない市井の庶民が身を寄せ合って暮らす。

そんな環境はなかなか無いです。

団地の穏やかさはカネでは買えない豊かさなのかもしれません。

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空手アホ一代
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