冷たい心の行く末
昔の精神科職員に多く見られた者達に「どんなに笑顔を作っていても眼だけは笑っていない」というのがありました。
とくに閉鎖病棟の職員に有りがちで、はじめて閉鎖にぶち込まれた患者さんの目に映る彼らはまさに「濁った眼をしたロボット」のような人たち。
ながきに渡って閉鎖に勤務すると、そんなふうに本人も知らない間に変わっていく。
そんな人が居たものでした。
閉鎖病棟というところはとにかくいろいろな患者さんが詰め込まれます。
物静かでどこが悪いのか判らないような人がいるかと思えば、急性期でせわしなくイライラしていたり、そんな患者さんをときには男性職員がチカラで押さえ込まねばならないケースもまれにあります。
そして、入院患者さんを退院させるか、させないかは医師の主観による診断で決まるのですから、病院側が
「ベッドが空いたら(退院させたら)経営に関わる」
などと判断したならば出られる(退院できる)患者でも病院に留め置かれたりもします。
どんなに冷血な人間でも毎日そんな環境に身を置けば精神的にまいってくる。
それを顔に出さないためには 更に冷血にならねばならない。
なぜなら、病院の入院患者数は自分たちのメシのタネだからです。
とくに精神科は私立病院が多いのが日本の特徴。
私立病院にとって患者を一人退院させることは、患者一人分の赤字を出すことに等しいわけですから。
これは近年たいへん問題となりまして、現在では薬の性能が良くなり、生涯閉鎖暮らしなどという患者さんは少なくなりましたが、旧態依然とした病院はいまだにあります。
悪どい稼ぎで問題視される病院のために、真面目にやってる善良な病院が駆逐されてしまうことだってある。
評判が悪い病院にはそれなりの理由があることを知っておくべきです。
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