見出し画像

精神障害者、その世界

身体、知的、精神の3障害にはそれぞれ特徴があります。

身体障害者は障害を負ったときの保険や損害賠償金の受け取り、障害者年金の受給などで高額の保障を約束されるケースが多いですし、知的障害者は知的障害者施設などが地域に充実しているケースが多い。

しかし、精神障害は というと他の障害に比べてもっとも遅れたバックアップしかありません。

精神障害者作業所が出来るまで、就労は ほぼ不可能で、金銭的な保障は乏しく、デイケアセンターも地域住民の誘致反対運動にさらされて、建設が遅れるなど散々な有様でした。

受け皿が無い、というのは致命的で、精神科に長期入院が多かったのも退院後のアフターフォローが無かったため、というのが実状です。

精神障害者を取り巻く状況が好転したのは、皮肉なことに、同じ精神疾患であるうつ病の蔓延でした。

全国の至るところにうつ病患者が大勢増えた結果、精神医療はようやく重い腰を上げ、早期治療・早期退院に舵を切ったのでした....................。

我々の世界、すなわち精神障害者の世界にも独特の仲間意識と言いますか、同胞意識がありまして、日本中どこへ行っても精神障害者手帳を見せ合えば、まるで百年の友のように親しく話せることがとても多い。

これはデイケア内部でもそうですが、同胞どうしが助け合いますので、コメや野菜、金銭の融通にいたるまで、仲間どうしで連帯することがとても多いんですね。

これは障害者の世界のなかにあって精神障害者のもっとも大きな特徴と言ってもいいかもしれません。

病院の違いはあれど、同じ精神科の釜のめしを喰った仲間意識というのは絶対的なモノでして、とくに精神障害は社会からの根強い差別がありますから、当事者は余計、団結する。

Facebookやインターネットサイト等に当事者団体の集まりが多いのも、それを物語っていると思います。

わたしは入院中、ある看護師にしみじみと言われたことがあります。

「看護師は病院を辞めればそれで終わり。
引退した後に自分の家を訪ねて来てくれる同僚なんて誰も居ない。
だけど、あなたたちは違う。
それが本当にうらやましい................」と。

人と人とのつながりが希薄になり、世間話の相手すら居ない。

そんな人々から見たら、我々障害者の世界というのは もしかすると充実しているのかもしれません。


ぜひサポートしてください。よろしくお願いいたします🙇‍♂