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精神科病棟と刑務所の壁


精神病院と刑務所はその社会構造が大変似ていて、所内で使われる隠語などは大変似かよっていたりします。

どちらも社会的に底辺をなす施設ですし、精神障害者と服役囚は共に一般社会では差別の対象です

どちらの収容者も一刻も早く自由になりたいですし、出ていけないならば少しでも職員(看守)に対して自分に値段を付け、良い待遇を得ようとしますから、同じ収容者の動向を逐一職員に売る収容者が当たり前にいます。

なので、頭のキレる収容者はわざとニセの情報を流してその場のメンバーの顔を憶えておいて タレコミ専門の奴を焙り出してリンチの餌食にしたり、普段から甘いものやカップラーメンなど病院では 手に入りにくいモノをチラつかせて子飼いの手下を編成したりもします。

院内(刑務所内)では教育の有無よりも腕力がモノをいいますが、やはり人間的な魅力のある者がリーダー的に派閥を形成するケースが多くなります。
ですが、職員は収容者の施設から出たいという心理を上手く利用したりして、収容者が結束したり団結するのを未然に防ぐケースが多かった。

なぜなら収容者数の多い大病院などは入院している収容者がいっせいに暴動を起こすことも想定されますので(それほどまでに入院患者は酷い扱いをうけるのですが)自分たちに協力を申し出れば院長に退院を取り計らってやる、などとカラ手形を振る訳です。

こんなもの嘘八百ですから、職員も守るつもりなどサラサラ無いのですが、狭い院内に拘禁された収容者(患者)は万に一つでも、と その可能性に賭ける。

そして何度も裏切られる中で退院への意欲を失っていくのです。

その残酷さは、荒れ野にユダヤ人を引きずり出してフォークを一つ投げ与え、1時間以内にきれいに耕したら命を助けてやる、などと「約束」して相手を必死にさせ、紳士的に1時間キッチリ時計で計った後、アタマを拳銃で撃ち抜いたというナチスによく似ています。

我々はよく虫が這うような狭い病室の中、仲間同士で「もしも奴等と立場が逆になったとしたら、どんな報復をしてやろうか」と話し合ったものです。

精神障害者の人権は近年向上する傾向にありますが、いまだに最近問題となった東京八王子市の滝山病院のようなゲットーも存在します。

一度ブチ込まれるとなかなか退院出来ない理由はただ一つ、「患者をひとり退院させたら病院はその分赤字」だから。

精神科は内科や外科と違い、寝かせて食べさせておけば治療の半分は終わりですから、ドクターが初めから収容者を回復させる気が全くなかったりするケースもありますし、精神科の医療報酬が極めて少ないことも長期入院を助長しています。

ある病院職員は我々がわからない(と思っている)精神科の隠語で 隣にいる同じ職員にこう言ってのけたことがあります。

「プシコ(精神障害者の蔑称)は生かさず殺さず」と.........................


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