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#42 【寸劇】うちのお店にそっくりな看板が…!どうしたらいい?
こちらのnoteの内容は音声でもお聞きいただけます↓
https://stand.fm/episodes/60346f68cd6c0de9da5ee350
★登場人物
■ホシオ…洋食レストラン「ブルースター」の店主。
なぜかべらんめえ口調。
創業10年で都内に3店舗を構え、毎日常連客で賑わっている。
「ブルースター」の一番人気メニューは、オムライス。
ガーリックバターで炒めたバターライスを
ふわふわとろとろの半熟卵で包み、
赤ワインとケチャップで作った特製ソースで
創業時からのファンもいるほど。
最近、そっくりな看板を出している店が出てきて、困っている。
●ホシタロウ…ホシオの弟で、知人の弁理士ほっしーをホシオに紹介した。
◆ほっしー…ホシオの弟ホシタロウの知り合いの弁理士。
商標を専門としていて、同業者向けの講師も3年ほどやっていた。
最近stand.fmという音声配信にハマっていて、寝不足気味。
★物語
◆ほっしー:ご相談ありがとうございます。
えっと…ホシオさんですね。本日はどうされましたか?
■ホシオ:突然すみません。
実はですね、うちと全く同じ看板を出して、
似たような店を出してるふてえ野郎がいるんですよ。
もちろん、許可した覚えはありません。
なんとか訴えられないですかね?
◆ほっしー:なるほど、それはひどい話ですね。
ちなみに、どんな看板なんですか?
■ホシオ:こちらの写真です。
見て下さい、そっくりでしょ?
◆ほっしー:ほんとだ。これはそっくりですね。
ロゴの細かいところも似てるし。
間違えてこっちのお店に行ってしまったお客さんもいるんじゃないですか?
■ホシオ:そうなんですよ!
こないだ常連客の一人が、
「ホシオさん、横浜にもお店出したんですね!こないだ行ってきましたよ」
なんて言っててね。
もちろんそんな覚えないから、慌てて確認したら発見して。
それで今回相談にきたってわけよ。
◆ほっしー:それは悔しいですよね。
ところでホシオさん、この看板のデザインについて商標登録はされてますか?
■ホシオ:商標登録?
聞いたことはあるけど、やってないなあ。
なんか意味あるの?
◆ほっしー:あ、登録されてないんですね。
なるほど。
商標登録があることで、ホシオさんと関係のあるレストランなどの分野に、
似たような看板や名前を、勝手に使われないようにすることができるんですよ。
■ホシオ:そっかあ。
じゃあすぐに商標登録して、早いとこ訴えてよ。
◆ほっしー:残念ながら、商標登録はすぐにはできないんですよ。
通常は審査に1年くらいかかりますしね。
■ホシオ:1年も待つの?!
そんなにかかるんじゃ、相手が調子に乗るし、
お客さんもどんどん流れていっちゃうよ。
◆ほっしー:はい。それに、商標登録できるかどうかもわかりません。
もしかしたら類似の商標がすでに登録されているかもしれないし、
相手が先に商標登録してるかもしれませんよ。
■ホシオ:相手に先に取られるかもしれないって…
うちが使えなくなるってこと?
それは困るよ。せっかくうちのお店も知られるようになってきたのに。
なんとかしてよ〜
◆ほっしー:そうですね、ちょっと調べてみましょうか。
−−−−PCで調べ中
うん、一応まだホシオさんが登録できる余地はありそうですね。
相手も商標出願してないようだし。
■ホシオ:ああよかった。
でも1年かかるのか。
それまでに相手がどんどん店舗出しちゃったら、
うちの店潰れちゃうかもしれないよ。
◆ほっしー:確かに気が気じゃないですよね。
でも安心してください。
実は、商標出願の審査の期間を早める方法もあるんですよ。
「早期審査」と言って、所定の手続をして認められれば、
通常1年かかる審査を2~3ヶ月でしてくれるんです。
■ホシオ:そりゃあいいね。
じゃあ早期審査で出願お願いします。
◆ほっしー:わかりました。
権利が取れたら、
弁護士さんも入れて一緒に戦いましょう!
★まとめ
ということで、今回は初めて寸劇に挑戦してみました。
スタエフの人気配信者のゴリアスさんに影響を受けてやってみたのですが、
いかがでしたか?
このように、自分のお店の看板が真似されたら、
そちらにお客さんが間違えて行ってしまう可能性があるので、
きちんと商標登録しておく必要があります。
(不正競争防止法で争う方法もありますが)
この話は、最近ニュースになった事件を元に作った話ですが、
実際にこういうことは、日本でもたまに起こるんですよね。
だから、こういうことが起きないように、
あるいはこういうことが起きても、被害を最小限にして、かつ楽に対処できるように、
商標登録して商標権を持っておくことは大事だと言えます。
特に、店舗ビジネスをされている方で、
複数店舗ある場合は必須だと言っても過言ではありません。
ぜひ参考にしていただければと思います。
※ この物語はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。
※配信時点の判例通説等に基づき、個人的な見解を述べています。唯一の正解ではなく、判断する人や時期により解釈や法令自体が変わる場合がありますので、ご注意ください。
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