見出し画像

アジアの神々が「須磨寺」に集う Asian gods gather at "Suma-dera"

先日、神戸の須磨区にある真言宗須磨寺派本山「須磨寺(正式名/上野山福祥寺)」を訪ねた。その折に、仁王門前の太鼓橋横に異質な寺院が併設されていた。気になったので覗くと、「亜細亜万神殿」と記された門札があった。その建物の中には見たこともない飾り物や石像が並んでいた。

The other day, I visited "Suma-dera (official name / Uenoyama Fukusho-ji)", the head temple of the Shingon sect Suma-dera school in Suma-ku, Kobe. At that time, a heterogeneous temple was attached next to the Taiko Bridge in front of the Niomon Gate. I was curious, so I looked into it and found a gate tag with the words "Pantheon of Asia". The building was lined with decorations and stone statues that I had never seen before.

入口には、巨大なストゥーパ、仏法を象徴する輪宝、その周囲に居並ぶ仏と異形の神々。亜細亜万神殿は、仏教の聖なる存在のみならず、アジアの神々が集う祈りの回廊、と案内板に表示されていた。
万神殿は、ネパールの首都カトマンズに所在するスワヤンブナート寺院を模倣して2016年に完成落慶法要されたばかりの建物である。

At the entrance, there is a huge stupa, a ring treasure that symbolizes Buddhism, and the Buddhas and strange gods that line the surrounding area. The Pantheon Temple was displayed on the information board as a prayer corridor where Asian gods gathered, as well as the sacred existence of Buddhism. The Pantheon is a building that was just completed in 2016, imitating the Swayambhunath Temple in Kathmandu, the capital of Nepal.

須磨寺3

須磨寺2

2015年4月25日に起きたネパール大震災からの復興を願いネパール大震災復興祈念堂とも名付けられた、と記されていた。中には、龍の下で瞑想する仏陀や観音菩薩、そしてヒンドゥーの神々の石像が並び、異質な石像としては、豊穣な女神・ヤクシーをはじめとする美しい女神像も安置されていた。

It was written that it was also named the Nepal Great Earthquake Reconstruction Memorial Hall, hoping for recovery from the Great Nepal Earthquake that occurred on April 25, 2015. Inside, stone statues of Buddha, Kannon Bodhisattva, and Hindu gods meditating under the dragon were lined up, and as heterogeneous stone statues, beautiful goddess statues such as the fertile goddess Yakshi were also enshrined.

須磨寺5

須磨寺7

その横に一枚の興味深い写真パネルが展示されていた。仏教の教えや世界観を視覚的に表現したのが曼陀羅。チベット仏教では、その曼荼羅を砂で描きあげていく「砂曼荼羅」がある。その砂曼荼羅の写真である。
描いている動画(ディリィ・ニュウス・エイジェンシィより)を転用、ご興味があれば視聴してください。

Next to it was an interesting photo panel on display. Mandala is a visual expression of Buddhist teachings and worldviews. In Tibetan Buddhism, there is a "sand mandala" in which the mandala is drawn with sand. This is a picture of the sand mandala.
Please use the video you are drawing (from Daily News Agency) and watch it if you are interested.

須磨寺8

https://youtu.be/JdUFqkX2d6I

太文字部の説明
注) ストゥーパとは、古代インドで土饅頭(どまんじゅう)(覆鉢(ふくばち))型に土を盛り上げた墓。

注) 輪宝(りんぽう) 仏教伝説の「転輪聖王(てんりんじょうおう/ 古代インドの思想における理想的な王を指す概念)の宝」の意。転輪聖王の行くところ必ずみずから前進して外敵を破る金輪宝,銀輪宝,銅輪宝,鉄輪宝(共に王がもつ金・銀・銅・鉄の輪)の4種があるという。仏法の象徴として崇拝されるようになり,のちに紋章化された。

注) ネパールの首都、カトマンズは、「人よりも神々のほうが多く住む町」と言われるこの街には、ヒンドゥー教や仏教を中心とした宗教施設が多く点在している。

注) スワヤンブナート寺院は、世界遺産にも登録されているネパール最古の仏教寺院とも言われている。

注) 須磨寺の正式名は上野山福祥寺(じょうやさんふくしょうじ)。古くから「須磨寺」の通称で親しまれてきた。平敦盛遺愛の青葉の笛や弁慶の鐘、さらに敦盛首塚や義経腰掛の松など、多数の重宝や史跡があり「源平ゆかりの古刹」として知られている。古来より源平の浪漫を偲んで訪れる文人墨客も数多く、広い境内のあちこちに句碑・歌碑が点在する。

※この記事は2017年9月「心と体のなごみブログ」に掲載したものを加筆し転載

リポート & 写真 / 渡邉雄二 場所 / 上野山福祥寺(須磨寺) Reported & Photos by Yuji Watanabe

よろしければサポートお願いします。日本の伝統文化に関心を寄せています。若いころに文化圏の異なる地域の方たちとの交流で日本のことをあまりにも知らなかったことに気づかされ、それがきっかけで広く浅く学んでいます。拙いレポートですが、お目に留めていただければ幸です。