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安井堂には後水尾天皇の僧形が安置 【大覚寺を訪ね-Ⅲ-】

大覚寺の正式名称は「旧嵯峨御所大覚寺門跡」という。弘法大師を宗祖と仰ぐ真言宗大覚寺派の本山として1150年の歴史を刻んでいる。
 

後水尾天皇の僧形を祀る 

勅使門を背に正面が「御影堂」、左に「宸殿」、右に「五大堂」と「安井堂」が並んでいる。シリーズの第三弾では、その安井堂(御霊殿)を紹介する。この安井堂は、京都東山の地にあった「安井門跡蓮華光院」にあった御影堂を明治4年に大覚寺に移築した建物。いまは御霊殿として、ちょっと珍しい須弥壇が形成されている。それは、屋根に鳳凰の飾りのある天子の乗り物といわれる、日本においては古くから天皇専用の乗り物である「鳳輦(ほうれん)/宝輦とも」を形どった厨子の中に、後水尾天皇の等身大の僧形が安置されている。天皇の安置なので当然の形式なのだろう。 

厨子が置かれているところの折上部の天井には龍が描かれている。龍は仏法の教えを説く龍神として祀られ、また水の神様として火から守る役割もあるということからお堂の天井にはよく描かれている。(写真は頭部の方が撮れてなく尻尾の部分のみ)安井堂の格天井の鏡板には法具などの他に、牡丹や杜若などの草花が描かれている。後水尾天皇を祀る安井堂の内部は華やかな装飾が施され、その装飾品を眺めるだけでも楽しい。  

鳳輦に座る後水尾天皇の横顔 
 
  鉄上部の天井の龍(尻尾) 
格天井の鏡板に描かれている法具や草花

リポート&写真/ 渡邉雄二 

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