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貴重なツーショット! 顔も仕草も同じ。

数年前、偶然にもこんな写真を撮ることができた。
見てのとおり、おじさんのツーショットである。それも同じポーズで写真に納まっている。どうみてもよく似ている、と思われるだろう。双子さんなのである。

以前、夙川ソーシャルカレッジで「七宝焼きワークショップ」で登場いただいた七宝作家の土田善太郎さんと、その弟さんである土田ひろみさん。そもそも善太郎さんと知り合ったのは、路上で声をかけたことが始まりである。

弟さんのひろみさんとは、20数年前にあるスポーツ用品メーカーのコマーシャル撮影で何度かハワイに一緒したことがきっかけで、今でもお付き合いをさせていただいている。土田ひろみさんは、著名な写真家である。
当時、ハワイで一緒しているときに、「兄貴が西宮で七宝焼きのアトリエをもっているよ」と聞いていた。冗談に「双子だからよく似ているんだよな~」って。

それを覚えていたお陰で、数年前に夙川周辺でお兄さんの善太郎さんを見かけたとき、ひと目みて "この人だ" と。ひろみさんが言っていたよく似たお兄さんに間違いないと思い、とっさに声をかけた。それから縁は異なものでお付き合いが始まった。

ある日、アトリエに顔出すと、弟さんのひろみさんが来ておられた。久々の再会である。大阪芸術大学の客員教授をされているので月に2回くらいは来阪ということであった。ソファーに座って昔話から始まり話題はどんどん広がっていく。

土田ひろみさんは、コマーシャル撮影の写真家ではない。ドキュメンタリー作家として世界を歩いた人である。その中で特に強く土田ひろみを世に出した作品がある。1975年ごろから「ヒロシマ」の原爆をテーマにした記録撮影が話題を呼んだ。
この「ヒロシマ」は、三部作から構成されていて、第一部が「ヒロシマ1945~1979」。第二部は風景「ヒロシマ・モニュメント」。そして資料編として「ヒロシマ・コレクション」がある。

この第三部は、広島平和記念資料館の収蔵、寄託された被爆資料を撮影したものである。その「ヒロシマ・コレクション」が今回、大阪で開催されるにあたり、お兄さんのアトリエに来ておられた。
昨日会った時も首からコンパクトな一眼レフを提げておられた。むかしから標準レンズだけでとり続けている人である。だから、被写体に一歩も二歩も近づき、微笑みかける。そしてシャッターを切る。そんなスタンスで世の中をとり続けている写真家さん。

久しぶりにお会いして、あの微笑みは変わってなかった。尊敬する写真家であり、よき大先輩。おふたりに乾杯したくなった。

土田兄弟2

【写真は、向かって右が土田ひろみさん、左がお兄さんの土田善太郎さん】

よろしければサポートお願いします。日本の伝統文化に関心を寄せています。若いころに文化圏の異なる地域の方たちとの交流で日本のことをあまりにも知らなかったことに気づかされ、それがきっかけで広く浅く学んでいます。拙いレポートですが、お目に留めていただければ幸です。