社会人落語日本一決定戦で、落語のすそ野が広がる 【社会人落語日本一決定戦 ①】
平成21年に、大阪府池田市の市制70周年事業としてスタートした「社会人落語日本一決定戦」。今年で14回目を迎え、昨日決勝戦がアゼリアホール(池田市文化会館)で行われた。
全国から総数295通の応募があり、その中から審査を通過した153名が池田に集結。決勝戦の前日に予選会が池田市内の6会場に分かれ行われた。
同決定戦は「プロではない、社会人らしい落語」というテーマが掲げられている。アマチュア落語家にとって切磋琢磨し磨きに磨いた落語を、この池田で日本一をめざし披ろうするステージである。仕事するかたわら好きな落語に打ち込む姿も評価されるのが、この決定性の見どころでもある。
予選会に出場した人の年齢を見ると、50代が45名と一番多い。そして60代、40代、70代と続く。もちろん20代、30代をあわせ19名、80代では最高齢86歳の方を含め4名。改めて落語は幅広い世代に親しまれている日本の伝統芸能であることを知らされる。
そして、性別は男性98名、女性が54名。女性の演者が年々増えているようだ。今年は最高齢者、最年少出場者は女性だった。また客席をみても女性が目立つのも、聴く落語はもちろんだが、観て楽しむ芸能としてすそ野を広げている。落語ファンとして嬉しい限りである。
もう一つ気になるデータとして、演者の出身地域である。開催地が関西であることから近畿からの出場者が81名と断トツであるが、関東から36名、中部13名、中・四国12名、九州・沖縄が7名だった。大阪はやはり落語ファンが多い。庶民のまちとして、大衆芸能の落語は “ボケ ツッコミ” なので生活そのものという馴染がある。
そんな落語が、池田のまちから全国に発信され定着してきている。聴く、観る落語から演じる落語へと幅が広がっている。プロの落語の後押しで、仕事の合間をぬって頑張るアマチュアの落語好きがさらに増えていくことを願っている。
リポート&写真/ 渡邉雄二
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