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身の丈5.4メートルの大きな釈迦如来像「丈六さん」、後水尾天皇の身代わりに 【HOTOKEストーリーⅡ<戒光寺-丈六釈迦如来立像>】
前回紹介した「阿弥陀如来と二十五菩薩」の現世極楽浄土の寺院即成院の本堂横の路地をほんの少し歩くと戒光寺(かいこうじ)がある。その先の泉涌寺の大門までにはいくつかの塔頭寺院が並ぶ。酷暑のなか、重きわが身では即成院と戒光寺さんの2寺院のみで参拝を終えた。
即成院の感動もさることながら、戒光寺の「丈六釈迦如来立像」にも心が震う不思議な謂れに魅了された。身の丈が5.4メートル、台座から光背部を入れると約10メートルの高さにもなる巨大な釈迦如来立像である。鎌倉時代の仏師 運慶・湛慶親子の合作といわれ、極彩色の木像寄木造で重要文化財に指定されている。長い爪や流麗な衣など仏画から抜け出してきたような美しい大きな仏様として知られている。
今回、「HOTOKEストーリー」の第二弾としてこの大きな仏様を紹介したく訪ねた。丈六以上の大きいこの釈迦如来立像を見上げると、首の辺りから何かが流れたような跡が残っている。それは血の跡だといわれている。江戸時代に後水尾天皇が東宮にあった頃、即位争いに巻き込まれ暗殺者に寝首を掻かれ、そのときこの釈迦如来が身代わりになり付いた血の跡だといわれている。仏様のストーリーとして不思議な謂れが今に伝わっている。
この事から、身代わりのお釈迦様と呼ばれるようになり、「悪しき事の身代わりになってくださる」、また「首から上の病気やのどの病気を治してくださる」と崇められ、大きな仏様という意味で「丈六さん」と呼ばれ親しまれている。ご縁があれば、ぜひ。
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文・写真/ 渡邉雄二
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