大学生になって初めて服を買った

タイトル通り私は、大学生になるまで服を買ったことがなかった。親が買ってきた服を着ていた。

当時の私は特別なにも考えていなかったが、

大学生になり、上京して、一人暮らしが始まった時ふと、

「服ってどうやって買うんだ?」

ってなった。こんな状態でよく上京したな私…。(笑)

高校生のうちからアルバイトもしていたから、お金もあったはずなのだが

自分がなにが好きなのか、何が着たいのか、何が似合うのか

全部本気でわからなかったのだ。

これは私の幼少期の頃の思考が完全に影響している。

私が好きなもの、私が興味があると言ったものに対して

私のお母さんはいつもこう言った。

「へんなの。それは凛ちゃんには似合わない。」

「そんなのかわいくないよ。こっちの方が可愛いんじゃない?」

お母さんはいつも、全く悪気がなかった。

むしろ私のためだって思って言ってた。

私も私で、言い返してみたり私の"好き"を貫けばよかったのに。

"そうなのか、これは変なのか。私が選ぶものは可愛くない、変なものなんだ"

それからどんどん私は、"あれが好きだ"とお母さんに言えなくなっていった。


そして、私の夢も。

小学生の時、お母さんにお願いして絵を習わせてもらった。

それを将来仕事にしたかった。本気で思ってた。

"将来は漫画家になりたい" 何気なく言ってみた。

「凛ちゃんには無理だよ。それは美大とか行く人がする仕事だよ」

小学生の時だったのにまだはっきりと覚えてる。

全部無駄だったと思った。頑張れって言って欲しかった。美大に進むことも考えて欲しかった。

私は夢を諦めた。絵を描くことも辞めた。

それからは将来の夢もなくなった。

就職活動の時、いくら自己分析をしても、

何にも考えられなかった。わからなかった。

小さい頃から、今までもこれからも、ずっとずっとお母さんのことが大好きで、お母さんのためならなんでもできるし、私のことなんかより断然お母さんのことが大切で。

昨日お母さんと会った時に話して知ったことなのだけど。

私がほんとにほんとに小さいとき、まだ話せないような小さい時、私はお母さんが寝るまで絶対寝なかったらしい。お昼寝もしなかったらしい。

お母さんはそれを見て

「ママのことを守ってくれるためにこの子は生まれたんだ」

って思ったらしい。

たしかに、ずっとそう、お母さんが笑ってると私は心の底から幸せで、怒っていたら悲しくて、私がなんとかして笑わせなきゃ、って思ってた。

小さい時から、23歳になった今でもそう。

お母さんの顔色を常に伺って、反抗期もなかったし、ダメと言われたことはしないし、わがままも言ったことない。お母さんの望むことは出来る限り全部叶えた。努力した。褒められたかった。

お母さんは何も悪くない。ずっとこうやって生きてきたことを私だって後悔はしていない。

でも、"好き"がわからなくなってしまった。

今でもわからない時があるし、胸張ってこれが好きだって言えないときも多々あるけど、

自分で服も買えるようになった。

この思考とうまく付き合っていくと決めた。

克服するのも、そのまま一緒に生きていくのも、全部自分次第。

お母さんが悪い なんて1ミリも思ってない。

誰も悪くないのに、苦しいなんて、辛いなんて

何度もこの思考から生まれる感情を憎んだけど

大人になって、落ち着いて考えられるようになって

私はまた強く、生きていけると思ったのだった。


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