クルスタのATKの計算について検証してみた
皆さまはじめまして。
一般クルスタプレイヤーのiorinと申します。
2024年4月30日のアップデートで、ついにシスターが実装されましたね!
各シスターの個性的なアクティブスキルが気になるところですが、チームスキルでのステータスの底上げもかなり強いですよね!
・・・よく見ると「基礎ATK〇〇%アップ」と「ATK〇〇%アップ」の2種類の表記が存在していますね。
「基礎ATK」といえば、2024年3月5日に実装された[ダイスシューター]ユウリ(通称バニーユウリ)のEX1のバフ量の参照先として出てきた、割と新しめの概念ですね。(他には[静粛なる祈り手]グロリアのEX2も該当)
なんかATKの計算複雑になってきたなあ、と思ったので、「計算式確認してみよう!」と軽い気持ちで検証を始めました。シスタースキルについてはまだ実装されたばっかりで、ちょっと調べても検証されていないようだったので。
するとなんてこったい、「シスターのチームスキルの参照先の基礎ATK」と「バニーユウリのEX1の参照先の基礎ATK」は異なっていることを見つけてしまいました。要するに、「基礎ATK」という概念はこのゲーム内に2種類存在しています。
というわけで検証の過程と結果について記事としてまとめることとしました。ただ、あくまで本題はATKの計算式の確認でそれを目的に検証をしていますので、基礎ATKの議論には不要な検証も含まれていますのでご了承ください。結果だけ見たい方は検証部分は読み飛ばしてください。
ATK計算式の確認の検証
ヘレナのステータス紹介
検証するにあたって計算の誤差をなるべく少なくするため、単純にステータスの高い子を手持ちから選びました。今回はいつもお世話になっている人間族パーティの要である[舞うは九浄の桜花]ヘレナを採用しました。
以上の情報をまとめると、ヘレナのATKに関するステータスは以下のようになっています。
ステータスタブに表示のATK実数値:3936
親愛度タブに表示のATK実数値:2568
EX2によるATKバフ倍率(5属性の場合):+300%
装備のアビリティ:+25.6%
装備のアビリティの検証
さて、まずはシスターなしで戦闘開始した時のヘレナのATK実数値は以下の通りです。
この数値は、ステータスタブに表示のATK実数値(3936)に装備のアビリティの25.6%(1008に相当)を加算したものになります。要するに、装備のアビリティの倍率の参照先は、ステータスタブに表示のATK実数値となっています。
EXスキルの検証
次に、ヘレナのEX2(+300%バフ)を1回撃った後のヘレナのATK実数値は以下の通りです。
先ほどの数値から実数値として11808増えており、逆算するとEX2のバフの倍率の参照先の数値は3936となります。すなわち、通常のEXスキルのバフの参照先も、ステータスタブに表示のATK実数値になっています。
シスターのチームスキルの検証
ここまではある程度知識のあるクルスタプレイヤーなら把握済みだったと思いますが、ここからが問題の検証となります。
今回検証で使ったシスターはマハムートとヴィーナスです。シスターのステータスは以下の通りです。
まずは、マハムートだけを編成して検証します。ヘレナは闇属性なので、「味方全体の基礎ATK20%アップ」のみが適用されます。
戦闘開始時のヘレナのステータスは以下の通りです。
装備のアビリティとマハムートのチームスキルによって増加した値は1570となります。
ヘレナのEX2バフがかかると以下のようになります。
バフ量は13149となっており、逆算するとEX2のバフの倍率の参照先の数値は4383となります。
・・・シスターなしの時と違う値になっていることにお気づきでしょうか。
そう、シスターのチームスキルによってEXスキルのバフの参照先の数値がステータスタブに表示のATK実数値ではなくなっているのです!
ということは、前の検証で装備のアビリティの倍率の参照先とEXスキルのバフの倍率の参照先が同じだということも分かっているので、装備のアビリティの倍率の参照先も変わっているのです!
というわけで、装備のアビリティ(+25.6%)とEX2のバフ(+300%)を合わせた倍率(+325.6%)から逆算すると、参照先の数値は4383となります。ステータスタブに表示のATK実数値3936との差は447となり、この数値こそがシスターのチームスキルによる上昇分となります。
ということは、マハムートのチームスキルの参照先である「基礎ATK」は447÷0.2=2235と求められましたね!
・・・え?こんな数値どこから取ってきた?????
出撃前画面やステータスタブで表示されている3936よりめちゃくちゃ低いし、親愛度タブに表示されている2568よりも少し低い・・・。
ここでクルスタ有識者の方は気付かれているかもしれません。
そう、このゲームでは星騎士の育成で2種類のATKボーナスが存在します。「親愛度ボーナス」と「ATKタイプの限界突破によるアビリティ強化」です。
「親愛度ボーナス」とはその名の通り、親愛度を上げることでATKが最大10%増加するボーナスのことです。
「ATKタイプの限界突破によるアビリティ強化」とは、2024年3月31日のアップデートで実装されたタイプ別アビリティによるものです。ATKタイプの星騎士は星4以上に限界突破するとATKが増加し、星5だと5%の増加になります。
さて、私のヘレナは親愛度マックスで星5なので、ATKのステータスに15%の増加が既に入っています。ということは、2568を1.15で割ると・・・
2233!
そう、これこそがマハムートのチームスキルの参照先である「基礎ATK」の正体となります。ちなみにクルスタのステータス計算は小数点が発生するたびに切り上げ処理を行っているようなので、2233×0.2=446.6≒447となります。
要するに、シスターのチームスキルに記載されている「基礎ATK」とは、「親愛度ボーナス」「ATKタイプの限界突破によるアビリティ強化」「装備分のATK」を全て排除した値となります。
そしてなんとこの値、星騎士を少しでも強化してしまうとゲーム内で直接確認することができず、自分で計算するしかありません。なんじゃそりゃ。
さて、シスターのチームスキルの検証はまだ残っています。シスターヴィーナスのチームスキルには、「味方全体の基礎ATK20%アップ」だけでなく「人間の味方のATK100%アップ」があります。書き方的に、後者のバフは装備アビリティやEXスキルのバフと同じ枠と予想されますが、一応検証してみます。
今度はシスターヴィーナスだけを編成してみました。戦闘開始時のヘレナのステータスは以下の通りです。
マハムートを編成した時と比較すると4383大きい値となっており、これが「人間の味方のATK100%アップ」に相当します。やはり、装備のアビリティやEXスキルのバフと同じ数値を参照しています。
ちなみにこの編成でヘレナのEX2を撃つと以下のようになります。
バフ量は13149となっており、マハムート編成の場合と変化ありません。このことからも、「人間の味方のATK100%アップ」は装備アビリティやEXスキルのバフと同じ枠であることが分かります。
検証結果まとめ
検証の結果、クルスタのATKの計算は4段階で行われていることが分かりました。
まず、ゲーム内で直接確認することができないA1という基礎ATKが存在し、A1補正(親愛度、限界突破)を行った数値がA2として親愛度タブでステータスとして表示されています。また、A2に対してA2補正(装備分のATKを加算)したものがA3としてステータスタブや出撃前画面に表示されています。その後A1を参照して加算されるA3補正(チームスキル)によりA4が導かれます。A4に対しA4補正(装備アビリティ、チームスキル、EXスキル)を行うことで、戦闘中の実数値であるA5となります。
バニーユウリのEX1の参照先の検証
上記の結果を得て、「あれ?基礎ATKがA1だとしたらバニーユウリのEX1弱くね?」と思いました。普段使っていないので使用感を把握できていないんですよね。というわけで同じ要領でササッと検証しました。
バニーユウリのステータス紹介
私のバニーユウリちゃんのステータスは以下の通りです。
以上をまとめると、バニーユウリのATKに関するステータスは以下のようになっています。
A1=728(A2から親愛度ボーナス3%を排除)
A2=750
A3=1521
装備アビリティ=16%
EX1バフ量=基礎ATK×1.56
バニーユウリのEX1の検証
シスターとしてマハムートとヴィーナスを両方編成(基礎ATK40%アップ)すると、戦闘開始時のユウリのステータスは以下の通りです。
検算してみた結果が以下の表です。
さて、ここでバニーユウリのEX1を使うと、基礎ATK728×1.56=1136が加算され(弱くね?)、ATK実数値は3240になるはず・・・。
あれれ!?
ATKが2828もバフされてる・・・。ということはバニーユウリのEX1の参照先の数値は・・・1813か。
・・・A4やんけ!
検証結果
というわけで、シスタースキルに記載の「基礎ATK」はA1のことを指している一方で、バニーユウリのEX1に記載の「基礎ATK」はA4のことを指しています。検証していませんが、グロリアのEX2に記載の「基礎ATK」もA4を指していると思われます。
ちなみにちょっと茶番じみた感じで書きましたが、バニーユウリ発表時にお知らせで以下のように基礎ATKの説明が記載されているので、シスタースキルの検証が終わった時点で参照先が異なっていることには気づいていました。
あと、現在のバニーユウリのEX1はチームスキルによるA3補正込みのA4の数値を参照しているので、上記のお知らせ画像の説明も今では誤りですね。
最後に
シスターのチームスキルを含めたATK計算式を確認しようとしただけなのに、異なる参照先の数値(A1とA4)に同じ用語(基礎ATK)が用いられているというまさかの事実を発掘してしまいました。
シスタースキルやバニーユウリのEX1の性能には文句ありませんが(むしろ強い)、用語の重複はゲームとして少し問題があるのかなと思います。
一応、この記事を公開後にクルスタ運営に問い合わせてみます。
検証を含めると長文になってしまいましたが、ここまで読んでいただきありがとうございました。この記事がクルスタプレイヤーの皆さまの攻略の手助けとなれば幸いです。
チャージについて(2024/5/2 12:20追記)
本記事をXでシェアしたら思ったよりも反響があったので、もしミスがあったらまずいなと思って一応n数増やして確認しました。
上の検証で使っていたヘレナ人間族パーティのヘレナ以外のキャラのステータスの変化を確認してみたのですが・・・。
どうも計算が合わない!(冷や汗)
と、めちゃくちゃ焦ったのですが、ヘレナEX2のチャージ付与が悪さをしていました。私は知らなかったのですが、どうやらチャージ状態ではATKにバフが乗るようです。勝手に与ダメージの方に補正が乗ると思い込んでいました。チャージによるバフの量としてはA4補正の枠で50%です。
ですので、正しい計算の表は以下のようになります。
こんな感じで、チャージ補正の見落としも回収できました。やっぱり確認は大事ですね!!!