気になる日本語
就業先での顧客対応部署における電話応対で気になった言葉があったので検索してみました。
電話応対の手順として、お客様から日時の予約をする→指定された日時に架電をする→架電したが本人確認をしてから要件を伺うという流れになっています。
その中で、某社員は名乗った後に「恐縮ですが、まずはご本人様確認のため(以下略)」と言っています。
「恐れ入りますが」ではないのか?と疑問に思った私は「恐縮ですが」について検索をしてみました。
「恐縮ですが」の意味
「恐縮ですが」は、相手に迷惑をかけてしまったときや、相手の厚意を受けたりしたときに、「申し訳なくて身が縮む思い」を伝える表現です。自分がへりくだり、相手を立たせる表現なので、上司や取引先に使用します。
「恐縮ですが」の類語
「恐縮ですが」の類語には、「失礼ですが」「僭越ながら」「あいにくですが」「恐れ入りますが」があります。
失礼ですが
「失礼ですが」は、相手に対して謝意を伝える点では同じですが、異論や反対の意見を伝えるときにも用います。
僭越ながら
「僭越ながら」は、身のほどをわきまえない不相応を詫びつつも、自分が表に立って発言や行動をするシーンで用います。
あいにくですが
「あいにくですが」は、都合が合わず相手の希望に応えられないときに、お詫びする言葉として用います。
「恐れ入りますが」
「恐縮ですが」と同じような意味には、「恐れ入りますが」もあります。意味に大きな違いはありませんが、「恐れ入りますが」のほうが、柔らかい口調になるため、相手に伝えるべき「申し訳なさ」が少し軽い印象です。畏まって伝えたいときは、「恐縮ですが」を用いましょう。
「恐縮ですが」の間違った使い方
すべてのビジネス用語に言えますが、「恐縮ですが」も間違った使い方をしないように、注意が必要です。
「恐縮に存じます」と使う
よくある間違いに「恐縮に存じます」があります。「恐縮」の言葉で「ありがたく思う」「申し訳なく思う」と相手への敬意を払っているのに、さらに「存じます」とへりくだった表現を加えているので、「二重表現」に当たります。
謝罪時に使う
「恐縮ですが」は、あくまでも「申し訳ない」「心苦しい」気持ちを伝えているにすぎず、重大なミスをして相手に多大な迷惑をかけてしまったときなどの「謝罪時」には不適切です。
まとめ
「恐縮ですが」は、相手に迷惑をかけてしまったときや、相手の厚意を受けたときに、「申し訳なくて身が縮む思い」を伝える意味を持ちます。しかし、「申し訳ない」「心苦しい」気持ちを伝えているにすぎず、「謝罪」の意は含まれません。重大なミスのために相手に多大な迷惑をかけたときなど、「きちんと謝罪するべきシーン」には不適切です。本記事を機に、「恐縮ですが」を正しく使いこなせているか、見直してください。
個人的見解
上述していることを踏まえると、某社員の「恐縮ですが」は間違えていることになる。
日本語の意味を正しく理解し、適切な場所で使えるようにしたいものだと反面教師をした私でした。