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エスコンをクリアしてからダクソを始めて地獄を見た話

地獄との出会い

エースコンバット5と7を続けてクリアした私は静かな高揚感に包まれていた。

久しぶりに腰を据えてゲームを遊んだ。叔父からもらったスーパーファミコンに没頭し、64版のドンキーコングに怯え、スマッシュブラザーズDXのキャラ数の多さに感動したところで私の中のゲーム史は止まっていた。10年ぶりに遊んだゲームの進化は素晴らしく、エースコンバット7をクリアした私は確かに、一人のエースパイロットとして画面の前に座っていた。

このような体験をもっと味わいたい。そう思い私が新たに手に取ったソフトが「ダークソウルⅢ」である。



地獄を見た。



難易度が高いとは聞いていたが、それなりに難易度が高いと言われるエースコンバットも、楽しくクリアすることが出来たので問題ないと思っていた。しかし難しさの質がまるで違った。

エースコンバットの難しさを「自分のことが大好きな遠距離恋愛中の恋人に海外まで会いに行く」ことの難しさだとすると、ダークソウルの難しさは「気難しい恋人との海外旅行」の難しさのようなものだった。

ゲームプランナーは「プレイヤーをどうやって褒めるか」という点をよく考えるという。特にエースコンバットはそこに気を遣われているゲームであり、ミッションを達成すると「やったなトリガー」「さすがだなトリガー」「トリガーには敵わないぜ」と周りの仲間たちが褒め称えてくれる。ミッションを一つクリアする毎に自分を取り巻く環境が少しずつ変わり、仲間と世界を守るエースとしての使命感が芽生え始める。

ダークソウルは違う。ボスを倒す。画面に「HEIR OF FIRE DESTROYED」の文字が出る。以上である。物語は淡々と進み、周りには狂っているやつと干からびているやつしかいない。


エスコンブートキャンプとスパルタダクソ塾

エースコンバットのプレイヤー教育プログラムについて面白い記事があったので紹介させて頂く。


教育プログラムに関する部分を要約すると
1. 序盤では基本操作を使わせる
2. 中盤では地形を複雑にすることで操作に制限をかけ上達させる
3. 後半では地形による制限を外し開放感と爽快感を感じさせる

というものである。


ここでダークソウル式教育プログラムをご紹介しよう。

1. 操作方法の書かれた看板を設置しておく
2. ボスを出す
3. 倒せた頃には操作が身に付いている

以上である。


前作をプレイしていることが前提なのかもしれないが、私はここで大変な苦戦を強いられた。負けイベントかと思ったら普通にゲームオーバーになりルートを間違えたかと思った。エースパイロットも生身では無力。ストライダー隊も剣の振り方までは教えてはくれないのである。


地獄との付き合い方

基本操作を覚えた後も地獄は続いた。フィールドは一貫して鬱々としており、セーブポイントからセーブポイントまでの距離は長く、突然現れた強敵に一撃で殺された。素直にモンハン買っとけばよかったと思った。

しかし攻略法を調べ、レベリングをし、ゲームそのものを何か月か積んだ後に「深淵の監視者」をようやく倒し画面の前でガッツボーズを決めたところで、このゲームの面白さが少しだけわかった気がした。

もしかしたらこのゲームの面白さはクリアまでの過程で、各々が見つけていくものなのかもしれない。それは困難を乗り越えることで得られる場合もあれば、ボスの行動パターンを解析していく過程で得られる場合もあれば、レベリングによる成長で得られる場合もあるだろう。

わかりやすく褒めてくれるゲームでもなければ、わかりやすく行動の理由を与えてくれるゲームでもない。しかし世の中の多くのことがそうであるように、気難しい恋人に周りから理解されない良さがあるように、そこに自分だけの価値を見つけられた人が、このゲームにハマっていくのだと思う。



気が付けばレベルは100を越え、ようやくラスボスの影が見えてきた。
どうせラスボスでも嫌になるほど苦戦するのだろうが、クリアしたときこのゲームに対してまた今とは違う感想を持つのだろうと思う。その時に気が向いたら、2週目くらいまではやってみようかと思う。


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