ジーパンを洗って干す
作業着と普段着
昨年の秋にリジッドからおろして、実質10ヶ月はいたジーパンを洗う。この夏の間は、作業着として外でおおいに汚した。
僕はハードコアなデニムヘッドではないけれど、「良いアタリ」だとか「メリハリのある色落ち」だとかは、ないよりあったほうがうれしい。
ファーストウォッシュまではなるべく長くはき、「そろそろ洗いたいな」と思ったら作業着として、とことん着用し洗濯をする。というのが、僕のジーパンのはき方になってきている。
秋から冬にかけて新調し、翌年の夏に作業用としてはき、洗う、というのが理想のサイクルだが、汚れたら夏になる前に洗濯をすることもある。きれいになったジーパンは、またしばらく普段着としてはかれる。
だいたい、夏は暑くてジーパンなんかはいていられないので、作業着にしておくくらいがちょうどよい。「作業着ばき」をする場合、2、3本用意しておくと回しやすい。
「洗わない派」と「洗う派」による永劫の戦い
ジーパンは洗うと色が落ちる。インディゴはそういう性質の染料だ。なので、みんなできる限り洗いたくない。自然な摩擦による色落ちと、濃紺のコントラストがカッコいいからだ。
しかし、汚れないよう極端に気をつけてはくのは疲れる。そのため、着用するシチュエーションが限られる。さらに、仮に汚れても洗わないのは現実的ではないし、生地も痛む。そもそも、不衛生だ。
以前、リーバイスの偉い人が「ジーパンは洗わなくてよい。10年洗ってない(CNN Business)」といったような発言をして、世界に衝撃を与えた。長らくこう着状態だった、「洗わない派」と「洗う派」の戦いに再び火をつけたのである。
この戦いに決着がつくことはないし、不毛だ。それぞれ好きなようにはいたり、洗ったりすればよい。ただ、周囲への配慮は必要だと思う。
ジーパンは、こう洗う
洗濯機に裏返したジーパンと洗剤を放り込んで、スイッチを押す。以上である。
つけ置きをしたり、優しく手洗いをしたりといろいろな作法があるが、僕はほとんど洗濯機で洗ってしまう。一応、弱流モードで、漂白剤や蛍光剤の入っていない洗剤を使用する。
ジーパン専用の洗剤、というものもさまざまなブランドから販売されている。汚れだけはしっかり取れるが、色落ちしにくい、というすごい効能があるらしい。
確かにインディゴの色はあまり落ちない、ような気もするが、普通のおしゃれ着用洗剤でもそれほど変わらないような気がする。どうやら僕は違いのわからない人間らしいので、おしゃれ着用洗剤で充分のようだ。
ちなみに、A.P.C.の推奨する洗い方のひとつに
というものがある。これは非常におもしろそうなので、一度ためしてみたいと思っている。海水に含まれるミネラルが、インディゴを定着させ色落ちしにくくするそうだ。本当だろうか。
ジーパンは、こう干す
裏返したまま、陰干しをする。必ずしも裏返しのままでなくてもいいが、そのほうがセルビッジの形を整えやすい。
日光にあてるか、陰干しか、という論争もあるが、A.P.C.も「太陽にあてて乾かす」とか言っているので、あまり気にしなくてもいいのかもしれない。
たまに、あえて乾燥機にかける人がいるが、ものによっては縮みすぎてはけなくなることがあるので気をつけたい。
乾いたジーパン
畑仕事で長靴をはいていたからか、すね部分に縦線のアタリが何本か入っている。
作業時によく膝をつくが、思っていたより色は抜けていない。
ワンクッションではいているので、ロールアップの擦れ跡はなく、裾のパッカリングが出てきている。
といったように、人それぞれのくせやライフスタイルが現れるので面白い。
しかし、興味のない人間からしたら、全く面白くないしただの汚いジーパンである。
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