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🇮🇳インド放浪記Day2@アグラ
今日は社会の教科書で見たあの世界遺産、タージマハルを目指す。
だけどインドの交通機関は時間管理がゆるゆる。いや逆にインドの時間が伸び縮みしてるのかもしれない。
そんな時空が歪む中でのタージマハル・タイムアタック、スタート📣
・いつまでも来ない列車
気絶するように眠った次の日の朝は驚くほどに早く来る。
目覚ましが鳴ってから「そうか時差があるから早く鳴っちゃったんだ」などとよく分からない解釈をしてもう一度寝ようとした所でもうこれを3回ほど繰り返していることに気がつく。いい加減起きなければ列車に間に合わない。
今日は昔教科書で見たあのタージマハルを見にいく。ここニューデリー駅からタージマハルのある都市アグラまでは大体200km、東京から静岡くらいの距離感。
旅のスケジュール的に行くなら今日しかないので少し余裕をもって朝8時の列車に乗る計画を立てていた。
ホテルから足早に駅へ向かうと既に到着していた別のホテルに泊まっていたメンバーがチケットを取ってくれていた。ありがたい…。ありがとう。
チケットを受け取って早速プラットホームと入っていく。何番線かは分からないのでそこは周りにいるインド人達に聞いていく。
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アグラ行きの列車が来るっぽいプラットホームを見つけた。その場にいるインドのお兄さん方もアグラに行くって言ってたからきっとここだ。
発車時刻からはすでに10分過ぎてるけど列車が来る気配は全くない。
日本で電車が10分遅れようもんならお詫びのアナウンスが鳴って待ってる人たちも各所に連絡し始めるけどインドの人々は1ミリも焦る様子なくのんびりおしゃべりしたりチャイを飲んだりしてる。
なんなら列車が来ないことを見込んでか毛布にくるまりながら寝そべって「ハロー。入るかい?」なんて言ってくる。笑
そんなのんびりなインドスタイルを見習って私たちも売店でお菓子を買ってお兄さん方とインスタを交換したりチャイを飲んだりしてして過ごしていた。
ちなみにチャイはポットと紙コップを持った売り子さんが「チャーイチャイチャイ」と言いながら売り歩いてる。買う場所買う場所で味が違うけどどこのも間違いなくおいしいのでつい手が伸びてしまう。
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・インドの列車は○時間遅れ
1時間半ほどゆっくりしていたら隣にいたお兄さん方が「チェンジ!ファストファスト!」と焦った様子で手招きしてきた。聞けばプラットホームが変更になりアグラ行きの列車がもう来ているという。
ただお兄さん方は焦っているけど同じホームにいる他のインド人たちは相変わらず毛布にくるまってるし電光掲示板にも特にホームが変わったなんては書かれていない。
何を信じるか。
私たちはお兄さん方を信じた。
急いで階段を登り駆け足でお兄さん方についていく。別のホームに降りるとたしかに列車が来ていた。中を覗き込んで乗っている人にどこ行きか聞くと「アグラ」との返答。
お兄さん方すごい…。どうして分かったんだ。
あとで教えてもらったことだけどこの列車は20時間前にここに来る予定だったらしい。
いや20時間遅れって。逆によく運行停止にならずここまで来たわ。
今にも走り出しそうな列車に乗り込み、「ジェネラル」クラスの車両を探す。
インドの列車は自分の席があるか、エアコンが付いているかなどで8つの座席クラスに分かれている。今回はその中でも一番下のクラス、ジェネラルに乗ることとしていた。ジェネラルは席なし、エアコンなし、事前予約なしの席。
区間や時間帯によってはぎゅうぎゅうの無法地帯でそれこそ人が列車からはみ出した状態で走ることもあるみたいだけど今回はメンバー8人全員が座れるほど空いていた。
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列車の中ではチャイや軽食の売り子さんが歩いていたりみんなおしゃべりしたり座席に寝そべっていたりととっても自由な雰囲気。落ち着く。そして扉は全開のまま走っている。日本だったら緊急停止ものだろうけどインドではこれが当たり前なんだろうなあ。
席に腰掛けて今日のこれからのスケジュールを練っていると綺麗な女性の格好をした男性がやってきた。この方はヒジュラーと言って男性でも女性でもない第三の性を持っている人らしい。ヒンドゥー教では神聖な存在として扱われているそう。ヒジュラーに頭を撫でてもらうと幸せになれる(?)らしく、「○ルピーで頭を撫でてあげるわよ。ほら、どう?」といった具合で綺麗な装飾品を身につけた手をシャラシャラと振って見せてくれていた。こんなところもインドのおもしろいところ。
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はじめは無事目的地行きの列車に乗れたと安堵していたがだんだん雲行きが怪しくなる。スピードに波がありすぎるのだ。順調に走り出したと思ったら牛の方が速いんじゃないかくらいまで落ちる。なんなら止まる。
このままじゃ時間的にタージマハルを見れないとなり、話し合って次の駅で降りることにした。降りて、バスか何かを乗り継ぎながら向かう。良い交通手段があるか分からないから結構な賭けだけれども、そこも旅の醍醐味だ。うまくいかなかったとしても皆といたらなんでも楽しい。
・行き当たりばったり直感頼りの乗り換え開始
よーし行くぞと意気込んで列車を降りるとそこは人気のない静かな駅。とにかく1分でも早く聞き込みしてタージマハルを目指そうと向かい側のホームまで線路に降りて渡った。一回やってみたかったやつ!こんなことも許されてしまうのがインド。
これからどうなるかも分からないまま「行くぞ行くぞ」って皆で駅を走ったのがすごく楽しかった。どきどきワクワクってやつだ。
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荒地を抜け人がいる場所に出たらそれぞれタージマハルがあるアグラまでどうやって行けばいいか聞き込みをする。その中でアグラの近くの都市までリキシャで連れて行ってくれるというおじさんに出会えた。
すぐさまメンバー全員が集まり、バックパックを屋根の上に乗せ3人乗りのリキシャに9人乗り込む。
運転手さんの両脇に2人、3人乗りの席に5人、荷台に2人。どう考えても定員オーバー。
だけどよく分からんインド音楽がかかってるリキシャに大人9人がぎゅうぎゅうに乗って知らない景色に「あ!牛だ!」とかはしゃいで、風を切って皆が笑ってて、こんな幸せな時間ないと思った。
1時間ほど走るとリキシャが止まって運転手のおじさんが後方のバスを指差して何やら訴えかけ始めた。聞くとちょうどアグラ行きのバスに出くわしたらしい。なんてナイスなタイミング。そして教えてくれてありがとうリキシャのおじさん。
屋根の上から荷物を下ろし、急いでバスに乗り込んだ。
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バスに乗り込むと席が埋まっていたからか「ここに乗りな!」って運転席のすぐ横の荷台に乗せてくれた。なんだか小さい子供の気分。前方の景色が一望できる特等席だった。
そういえばフロントガラスの下の方に結構大きなヒビが入っていた。
こりゃやってるわ。まあこの交通量じゃそら1回や2回ガラスにヒビ入るくらいの事故起こすよなあ。
バスには運転手さんが1人と集金係?さんが2人。3人仲良くてずっと喋ってたり1人がトイレ休憩行ってる時にわざとバス走らせ始めて笑いこけてたり車内のスピーカーに携帯繋いで音楽鳴らしてたり、いい仕事の仕方してるなと思った。
ところでバスも思ったよりゆっくり。
というのも、高速道路みたいなところだといいんだけど生活の場に近い一般道路になるとバイクやら人やら牛やらも溢れてるので車体が大きいバスだと思うように進めないのだ。やはりこれでは間に合わないのでいい感じのところでバスを降りてリキシャを捕まえる。
乗り込んだリキシャは運転手さんがヒンディー語しか話せない人で、携帯でマップを見せながらタージマハルまで行ってほしいとお願いした。
が、なぜか途中で降ろされる。
何もない道路の端っこ。強いていえばおめかしした馬がいた。
けどこれはタージマハルではないのだおじいちゃん。
タージマハルのチケットセンターが閉まるのは16時40分。この時点で16時。
仕方ないので急いで他のリキシャを探して乗り込んだ。
無事タージマハルのチケットセンター近くにおろしてもらって、手分けしてダッシュ。道を聞きながらだけど信憑性60パーセントくらいなので割と運任せ。
そしてなんっとかギリギリにチケットをゲット!!!
いやー何とかなるもんだ。すごい。飛び跳ねて喜んだ。正直タージマハルを見ることにそこまでのモチベはなかったけど、皆でどうするどうするって話してよく分からんけどやってみよう!って乗り出して8人もみくちゃになりながら走ったその時間が本当に楽しかった。
・奇跡の到着🕌いざ中へ
タージマハルに入るにはまあまあ厳重なチェックがあって、荷物を預けたりセキュリティチェックを受けていざ入門。
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タージマハルの感想は「でかい、白い、四方向どこから見ても左右対称」。
あとは人が多くて「写真撮ろう!」ってものすごく声をかけられた。
そういえば観光客ばかりなのかと思ったけどそんなことはなくてほとんどインドの人だったように思う。インド、広いし人多いから別の都市から来たインド人観光客なのかもしれない。
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この後、どうしてもタージマハルの中を見てみたくて閉館時間近くて人出されてるところにするって紛れ込んで逆走してたらライフル持ってる警備員さんに「おい待て!」って止められてめちゃめちゃ怖い思いした。一瞬撃たれるかと思った…。私が悪い。ごめんなさい。
・次の都市へ。聞き込みバス移動
タージマハルを出てご飯を食べたら今後の動きについて話し合う。年末に砂漠へ着くことを目標に、次は「ジョードプル」という街を目指すことにした。ワンピースのアラバスタ編のモデルになった場所らしい。楽しみだ。
慣れないインドのバス・列車予約アプリを見ながら何とか9人乗れそうなバスを発見。
が、ここからもトラブル続きで…。
リキシャに乗ってバス停まで行くも予約したつもりが偶然他の日本人グループとブッキングしててバスに乗れず、バス停にいる人や観光案内所の人に「ジョードプル!バス??9人乗りたい…」と訴えかけまくって奇跡的に乗れるバスを見つけられた。ジョードプル行きでは無いが、「ジャイプール」という通り道の都市まで行くバスだ。
バス停の目印は無いけど人が並んでるそれっぽい場所にたどり着き、乗り込む。
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中は2人用のフラットなシートが二階建てであって、そこにぎゅうぎゅうに3人寝る。
外では耳をつんざくくらい大きなクラクションが独特なリズムで鳴り響き舗装が甘い道路に車体は勢いよく揺さぶられる。
現在時刻23時30分。到着時間は分からない。
そんな中でも体を倒すと一瞬で睡魔に襲われて頭を下ろすと共に眠りについた。