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🇮🇳インド放浪記DAY3@ジョードプル

先の見えない移動を経てついにアラバスタの街、ジョードプルへ到着。
9人一緒に泊まるという難易度高めの宿探し、ここに来ての体調不良、乗り越えるものは色々あるけれどそれが旅の醍醐味。

・やっとの到着

時刻はお昼の12時。爽やかな風が吹き込む寝台バスに揺られて約7時間。ようやく目的地のジョードプルへ到着した。

アグラからここまでの移動はバスの予約が予想外に取れていなかったり、移動手段を見つけるために夜中にそこら辺にいるインド人に聞きこみをしたり、極寒の車内でぎゅうぎゅうになって眠ったりと先が見えない不安の中そこそこハードな時間を過ごした。それもあってか賑やかな街に降り立つと一気に体の強張りが解けるのを感じる。

今日明日はここジョードプルでゆっくり過ごす。宿を見つけるため、街の中心にある時計塔を目指すこととなった。

リキシャののおじさんに
「ウェアー、ビッグクロック!」
と手をばんざいにして大きさをアピールすると「ああ、クロックタワーね。いいよ乗りな」と慣れた様子で手招きされる。コミュニケーションの仕方って言葉はもちろんジェスチャーとか文字とか絵とか沢山あるから、文法とか分からなくてもけっこう伝わったりする。もちろん言葉でやり取りできるに越したことはないのだけど、そう思うと異国に行くハードルがグッと下がる気がする。

・アラバスタの街、ジョードプル

リキシャを降りるともう目の前に時計塔があった。たしかにアラバスタで出てくるのに似てる…!

ここジャイプールは時計塔とメヘラーンガル城という要塞が有名。そして青い建物が多くブルーシティとも呼ばれている。
時計塔がある中心部では野菜やサリー、アクセサリーなどなど色々な物が道端で売られていてとっても賑やか。
人も、沢山話しかけてくれるけど勧誘とかはすごく少なくて「ハロー、あなたかわいいね!」「名前は?ナイスだ。じゃあね!」「日本人?わ〜僕この前まで日本人と結婚してたよ!離婚しちゃったけどね!」なんて風に拍子抜けするくらいフレンドリーに接してくれる。この雰囲気すっごく好きだ。自分も明るく、優しくなれる。

地べたでスパイス売る感じ良い
野菜たち。インドの料理油っこいのが多いからいつもの倍美味しそうに見える。
街並みはこんな感じ

・いざ宿探し

今日は9人で同じ宿に泊まることとなった。人生2回目の飛び込み宿探し。1回目の一昨日はメンバーの子と一緒に行ったけど今回は1人でやってみたくなった。根拠のない自信。それがワクワクの素。

青い街を歩き、「guest house」「HOTEL」の看板を構える建物にとりあえず入っていく。
玄関入っても誰もいないことが多くて奥まで進んで「ハロー!」って大きな声出してやっと清掃の人が顔を見せる。そして「オーナーは今いないよー」って言われる。まあお昼だからなあ。みんなゆったりしてるのかな。

ブルーシティー。勘を頼りに宿がありそうな道を進む

そうして3軒ほど周ったところで「うちはもういっぱいだけど、あそこなら空いてるかもよ」って別の宿を紹介してくれた。この感じは知ってる。縁繋ぎの始まりだ。
案の定、紹介された宿でも「9人は無理だ。〇〇って所行ってみたら?案内するよ。」と紹介を受け、大きくて綺麗なホテルに連れて行ってくれた。そこも今日の予約はいっぱいだったんだけど、そこではなんと「一緒に探すよ!」って近くのホテル10軒くらいに空きがあるか電話をかけてくれた。さらには「うち泊まりなよ!奥さんに電話してみる!」って。お仕事もあるのに…。優しい。大好きだインド人。

それでも結局空いている宿は見つからず、一旦出てまた別のところに行ってみようと思ったら「ついておいで」と外に連れ出された。意図はよく分からないがとりあえずついていく。
このとりあえずついていくっていうの、言葉も土地も分からないままやるのって多分ちょっと危ないけどまだ外は明るいしオーナーさんの人相が良いので大丈夫。

ついていくと、オーナーさんが街角でたむろしているおじさん達に何やらヒンディー語で喋りかけた。やあやあと笑い合っているところを見るとどうやらお友達らしい。
数分おじさん達の談笑を眺めて、別のおじさんに引き継がれた。
誰だこの人…。
名前もこれからどうなるのかも分からないが、ここまで連れてきてくれたオーナーさんが優しい笑みで手を振ってくれるので信じてついて行ってみることにする。

たむろってる
誰だか分からなけどこの人についていく

フィーリングで会話しつつ細めのくねくね道を10分ほど進むとなんとなんと小さなホテルっぽいところにたどり着いた。この人もホテルのオーナーさんだったんだ…!
さっそく中を案内してもらう。

中はとっても綺麗で4階建ての縦に細長い作りになっていた。「ホットシャワー出る?」「9人なんだけどひと部屋に何人入ればいい?」と聞きながら一通り案内してもらい、最後には眺めの良いルーフトップで綺麗な奥さんを紹介してもらった。
落ち着いて聞くと、この宿はまだオープンしてなくて名前も決めてないらしい。けど、泊まっていいよと言ってくれた。きれいでホットシャワーが出て値段もリーズナブルな素晴らしい宿。こんなのネットじゃ探し出せない。やっぱり人を信じて縁の繋がりに身を任せるのおもしろいな。予想外のことが起こる。

LOVEクッションがあるベッド。これで3人用。

・寝床が決まった安心で…

その後、各々見つけたホテルの情報を持ち寄って今夜どこに泊まるか話し合った。結果的に私が見つけたホテルではないところに泊まることになったけど、この人と人とが繋がってってさらには自分の言葉でやり取りしてホテル見つけられたの結構な自信になった。この時間過ごせてよかった〜。

と、ここで頭がぼーっとして顔が熱いことに気がつく。
具合が悪い…。
いや、まあね、ぶっちゃけこれまでもなんとなく体が思うように動かない感じはあった。咳き込んでたし。でもこういうのは気力でコントロールできるタイプだから気合いを入れて笑顔を作って胸張ってて、そうするとちゃんと元気が出てきた。でもようやくゆっくりできると思ったら安心からか具合悪さが本気出してきた。インフルになって処方されてたタミフルが切れたのも要因としてあるのかも。この感じはちょっとまずい。

宿までは少し距離があるのでリキシャで向かう。まだ気は抜けないのでふーっと気合いを入れてリキシャに乗り込みホテルでチェックインの手続きを済ませる。

ちなみにインドの宿には大抵片面がA3用紙くらいある大きな台帳があってそこに名前やらパスポートナンバーやらを書き込んでチェックインする。これまでに泊まった人達の個人情報丸見えなのがインドのゆるさを表していて良い。

ベッドに横になるとますます体が熱くなってきて頭がずーんと重くなる。
時刻は16時。他のメンバー達は街を散策しにいくみたいで羨ましい気持ちと具合の悪さに負けた悔しさに頭をもたげる。だけどしょうがない。そもそも日本を出るときにインフル明けで最寄り駅まで辿り着くことすら不可能と思ってたのにここまで来れたことがすごい。
それもこれも心から大好きと思える旅メンバー達のおかげだ。ありがたい。ありがとう。
そう思うと街の散策に行くメンバー達へ心から「めいっぱい楽しんできてね」の気持ちを向けることができた。

何も口にしたくない気分だけどなんとか水だけ口に含み、ここ数日間の足りなかった休養を取り戻すかのように深く深く眠った。