🇮🇳インド放浪記Day1@デリー

空港泊を空けて、いよいよ今日からインドでの旅が始まる。
インドはどんな匂いだろう。どんな色だろう。どんな音がするだろう。
人生が変わる魅惑の国インド旅、今日よりスタート！

・はじめてのインドの空気

爆睡の空港泊を終えてぼちぼち起き始めた子たちと朝ごはんにサブウェイのオートミールクッキーを食べたりトイレで歯磨きしたりする。
まだ初めましてをしてから数時間しか経ってないのに名前も覚えてお互いタメ口で話せてるのが不思議。インドマジックだろうか。いやきっと砂漠で年越ししたいって行動起こすちょっとクレイジーなところが通じ合う物あるんだろうな。
「メイクどれくらいする？」「2日お風呂入ってないから前髪オイリーすぎる」なんて話をしてたらもう8時。そろそろ空港を出る時間だ。
いざインド。ようやくインド。ここから始まるんだ！
どきどきしながら空港の自動ドアを抜けるとそこは…

真っ白。
あれ、なんか思ってたのと違う…。

霧。もあるけど大気汚染…かな。空気の中に細かい粒子がたくさん入っているのが分かる。
想像してたのは音楽が鳴っててちょっと踊ってる人とかもいてカラフルで熱気ある感じだったのだけども正直かなりかけ離れてる。ケンタッキーのあの鮮明であるはずの赤でさえ霞んでる。

そんなこんなを感じつつ。まずはメトロに乗って市街地へ向かう。
デリーはとにかく詐欺が多いって聞いてたけど大人数ですぐにメトロの構内に入ったからか特に声はかけられなかった。

・いざインド旅

ここでくじ引きで3つのグループに分かれてそれぞれ旅が始まる。

私たちのグループはアールケーアシュラムという駅に向かった。メトロに乗るのには手荷物検査があって少し緊張する。そして車内も駅もとっても綺麗だった。信頼感ある。

途中寄り道してデリー駅で降りてみた。
一歩外に出ると黄色と緑のリキシャというタクシーみたいな乗り物がたくさんあってクラクションが鳴り響いてる。そしてインド人がたくさん歩いてる！
これだ…！うわ〜よかったインドはちゃんとインドしてた。

キョロキョロしてると2人の女性が近づいてきた。

女性のインド人とは初めて関わる。どんな感じの声なんだろう。なんて話すんだろう。わ〜本当にサリー着てるんだ。

遠目からでも分かるこれから話しかけられるんだろうなの雰囲気。

どきどきしながら目を合わせると

「ハローマネー」

いや「こんにちはお金」て。完全にカモとして見てるやないかい。

この方たちはきっといわゆる物乞い。そして「こんにちはお金さん。」じゃなくて「こんにちは。お金（をください）。」って伝えているんだろうけども圧倒的なお金として見られてる感に思わず笑ってしまった。

1人は浅底の缶を手に、1人はサリーの中に抱えている赤ちゃんを見せながら「プリーズ、プリーズ」ってついてくる。どうしたらいいか分からなくてお金は渡さずにペコペコしながら立ち去った。

けど、全く知らない人にお金をねだる人生ってどんななんだろうか。もらったお金はどんな風に使うのだろうか。抱いている子供にも物乞いの仕方を教えるのだろうか。想像ができなかった。今度海外に行くことがあったらお金を渡す代わりに生活の様子を見せてもらうとかできたらいいな。

道端ではチャーハンらしきものやお菓子、チャイが売られていた。
ここでみんなで初チャイ。値段はたしか10ルピー（17円）ほどで、試飲用サイズの小さな紙のカップで渡された。

熱い！濃い！美味しい！

味は生姜とスパイスの効いた甘いミルクティー。インドのはじまりの味だ。

・ローカルな空気のある市場に到着

色んな人にどの電車に乗ればいいのか聞きまくり、無事アールケーアシュラム駅に着くことができた。ここからは歩いてメインバザールへと向かう。
駅から離れるとどんどんローカルな雰囲気が出てきて話しかけられることも多くなる。
道端で大量の野菜やスパイスが売られてるのがその土地で暮らす人々の生活を感じられていい。

ゴーヤ、トマト、にんじん、芋、ウリっぽいの、色々な野菜が並べられてる

カレー屋さんの隣に売られている大量のスパイスたち。

インドの人たち、「ジャパニーズ？コンニチハ！」「どこ行くの？メインバザールはあっちだよ。連れってってあげる。あ、ここは良いレートでエクスチェンジできるよ。ところでうちのカレー屋おいしいから案内するね」とかって沢山話しかけてくれる。詐欺が多いって聞くけど無理やりどこか連れてったり嘘ついたりする訳じゃなくて、沢山ギブするからその分の対価期待しちゃうなって感じで悪意はないように感じる。とてもフレンドリー。

そろそろお腹も空いたし落ち着いてみんなで話そうということでルーフトップレストランに。
ここではカレーを頼んだ。日本のインドカレーとは少し違って、チーズみたいな乳製品の何かがごろっと入っていてスパイスの実？葉っぱ？もごろごろ入ってる。あと油っこい！カレーにオレンジの油が浮いてる。でも思っていたより全然辛くはなかった。もしかしたら外国人だから辛さ控えめにしてくれたのかもしれない。
日本のインドカレー屋さんの方が舌に合う感じはあるのだけどこちらはこちらで「ほうほうこれが本場のカレーか」という感じで美味しく食べられた。

レンガ調のかわいいお店

・メインバザール散策

ご飯を食べた後は2、3人に分かれて飛び込みで初めての宿探し。ホテルって書いてあるところに入っていって「今夜空いてる部屋ありますか？ホットシャワー出ますか？値段は？」って部屋を見せてもらいながら聞いていく。個人的に値段とホットシャワーが出るかがポイントだった。とか言いながら英語が本当にできないので一緒にいた2人にほとんどやり取りを任せてしまっていたのだけれど…。宿取るのも1人でできるようになりたい。

無事に今夜泊まる宿が決まり、メインバザールを散策。太鼓を売り歩くおじさんに出会ったんだけど、沢山触らせてくれて「こうやって叩くんだよ！」って演奏して見せてくれて、それでも渋ってたら最初1200ルピー（約2000円）だったのがどんどん下がって150ルピー（約250円）になった。こんなに値段動くんだと思ったしおじさんのどうにか買ってもらおうっていうテクニックもすごい。どこへ行こうとしても着いてきてほらほらって太鼓を鳴らしてみせる。しまいには「もういい。あげるよ。」って渡してくれて、「え、ほんとに？いいのかな。いやさすがに貰うのは…」と思ってたらちゃっかり遠巻きにこちらを見てる。こちらの「ごめんやっぱり代金払うよ」待ちをしてる。笑

いい音だし買うか結構迷ったけど、このサイズだとバックパック入らないし太鼓よりも音階がある笛が欲しかったのでお断りした。

営業上手な太鼓のおじさん

ここ、ニューデリーのメインバザールは客引きのユニークでフレンドリーなインドのおじさんが沢山いる。
その中で「おいで！5分だけ！」とお店の中から細身のおじいさんに声をかけられた。けど何をするのかよく分からないしまた客引きだ〜と思って笑顔でNOを言ってたら「お金要らないよ。５分だけおいで」と。
周りの子に聞いたらどうやらヘナタトゥー屋さんらしい。ヘナタトゥーとはヘナっていう植物を使った2週間ほどで消えるタトゥー。
なんだそれ。おもしろそう。

やってもらうことにした。

ヘナタトゥーのプロフェッショナル

おじいさんは私の左腕をとると慣れた手つきでするすると模様を書いていく。すごい。迷いがない。プロだ…。

手の平いっぱいくらいの大きさの細かい綺麗な模様を5分くらいで書いてもらってセンキューセンキューって喜んでたら「ふふ、お友達もほら」と一緒にいたメンバーへもするすると書いていく。そして本当にお金は求めてこなかった。
喜んでる私たちを見てただただ嬉しそうなヘナおじさん。こんな方もいるんだ。疑ってごめんねヘナおじさん。
ありがとうヘナおじさん。

この後それぞれ2周目もやってもらった。太陽みたいな模様はシヴァ神のマークらしい。オウムって言ってた。

・夜市 ナイトバザール散策

そのあとはヘナを乾かしつつリキシャに乗ってレッドフォートという砦に向かった。リキシャも客引きがすごくて、3人くらいのリキシャのおじさんを前にどれに乗ろうか迷っていると「うちは1人100ルピーでいいよ！」「いやうちは3人で250ルピーだ！」ってな感じで逆オークションがはじまるからおもしろい。こうなれば交渉せずとも安くリキシャに乗れる。
ちなみにその後は大抵おじさん達の喧嘩を見ることになる。早く乗せてくれ。

レッドフォートでは日本人というだけで大人気で写真撮って写真撮ってとインド人が集まってくる。なんでこんなに人気なのか分からないけど一緒に写真を撮るとあまりにも嬉しそうにしてくれるのでこちらも嬉しくなる。

レッドフォートの周りではナイトバザールが開かれていて賑わっていた。

焚き火であったまってる人達がいたから混ぜてもらうとおばちゃんが
「この火は触れるんだよ。ほら。」
ってゴウゴウ焚かれてる火の中に手を潜らせてどうだどうだとこちらを見てくる。
いやいやんな訳あるかい。熱いでしょ！とびびるが好奇心が勝った。

思い切って手を入れてみると、
ほんとだ。熱くない。触れる。

火の感触は、言葉で表しづらいけどもやっと柔らかい、そこに何かがあるとも無いとも言えない感触。水の中で水流を掴んでるみたいな…。不思議な感触だった。
1つ知識が増えたな。インドの火は触れる。

その後探してた笛をゲットし、土でできた容器でとびきり美味しいラッシーを飲み、致死率40％はありそうなバイクやらリキシャやらが入り乱れてる車道を命懸けで渡り、メインバザールへ戻った。

レッドフォート。なにがすごいのかはよく分からないけど赤くてでかい。

念願の笛ゲット。たぶん竹でできてる。キーはなぜかD。

屋台のラッシー。土でできた容器で飲むのが美味しい。容器は使い捨て。

・メインバザールへ戻って就寝

リキシャでメインバザールへ戻り、お昼に行ったルーフトップレストランで夜ご飯を食べて今日は終了。予約していたホテルへ行く。

ホテルの部屋は3階でガラス張りのエレベーターに乗ったんだけど日本でいう1階が0階って表記されてて何度か階を間違えた。確かに地表を0とするのも分かる。

ホテルは血まで染まりそうなくらい強いお香の香りがしていた。色でいうと紫の匂い。肺がその匂いで充満して吐く息が紫に見える気がした。

トイレと洗面所とシャワーは同じ空間にあって、シャワーを使うと床が1面びしょびしょ、なんならタプタプになる。
シャワーは部屋の外にあるスイッチをONにすると温かいお湯が出る。水温がかなり不安定で水と熱湯をゆっくり行き来するから手足は水の時に洗って頭や胴体を適温の時に、熱湯の時は蒸気で体を温めて気合いを入れてまた水シャワーの中に飛び込んで行ってた。

ところどころ穴は空いてるけど体が溶けるくらいふかふかなベッド

ホテルの名前はあの有名なインド映画。値段は1人1000ルピー（約1700円）

この左奥にシャワーがある。水周り綺麗なのは信頼できる。ありがたい。

そのあとのことはもうあまり覚えていない。携帯は充電したのか髪は乾かせたのか…。
ベッドに横たわって「これが…気絶…」と思ったことだけ覚えてる。たぶん0.5秒くらいで落ちた。普段あまり寝付けずベッドで頭の中に流れる音楽を必死で止めようと格闘してる私の人生最早の寝落ちだったと思う。

紛れもなく充実した濃くて長い1日だった。