いんべス

アマチュア投資家で、APEです。 https://twitter.com/invth1

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最近の記事

史上最大のショートスクイーズ大作戦【10】チェックメイト?

前回の記事から2ヶ月強。日毎のショート率に基づく私の分類によると第4期のヘビーショート期が終わり、5月9日からはじまった第5期の様相がそろそろ見えてきた。 5月10日以降のAMCショート率推移FINRAが毎日公表している各銘柄のショート率データを整理してみると、以下のようになる。 相変わらず出来高の50%以上がショートというひどい日が多いが、11月26日以降は数日の例外を除いて毎日50%以上のショートだったことを考えると、ショートが50%を切る日が増えてきているのがわかる

    • 史上最大のショートスクイーズ大作戦【9】なぜ1月27日と6月2日だったのか

      #今回の記事はredditのu/airplane3579による投稿にインスパイアされたものです。 2021年1月の$GMEショートスクイーズが、ロビンフッドによる「買いボタン禁止措置」で勢いを削がれた話はこのシリーズの第4回に書いた。 では、なぜそもそもこのタイミングでスクイーズが起きたのか? もちろんショート側にマージンコールがかかり、ポジションの清算を余儀なくされたからなのだが、同時期に行われたルールの変更がマージンコールの状況を後押しした可能性がある。 大統領令1

      • 史上最大のショートスクイーズ大作戦【8】ショート戦略の軌跡1年半

        「株価は需給に従う」という市場原則、つまり「買いたい人が多くいれば価格が上がり、売りたい人が多くいれば価格が下がる」という原則は、$AMCや$GME、あるいはその他のヘビーショート銘柄群には通用しない。少なくとも短期的には。 「ショートはやがて買い戻さなくてはならない」という原則も、ショートヘッジファンドやマーケットメーカーのアノ手コノ手で迂回、延期されることが多く、短期的には期待しないほうが無難だ(たまたま最短のタイミングでスクイーズに参加できればよいけれど、直前にそれを

        • 史上最大のショートスクイーズ大作戦【7】流動性の枯渇&大爆発

          「自然な」出来高一般に、出来高はその銘柄への市場の関心の度合いを示す。強気にせよ弱気にせよ、関心が高まって取引が増えれば出来高が増えるサイクルだ。 具体的に言えば、ある銘柄を買いたい人が増えて株価が上がり、株価が上がったのを見てその株を手放す以前からの所有者が増え、ホルダーの入れ替わりと共に株価が上昇していく。つまり需要が増加するケース。 あるいは逆に、ある銘柄を売りたい人が増えて株価が下がり、株価が下がったのを見て、安値になった株を新たに買った所有者が増え、ホルダーの入れ

        • 史上最大のショートスクイーズ大作戦【10】チェックメイト?

        • 史上最大のショートスクイーズ大作戦【9】なぜ1月27日と6月2日だったのか

        • 史上最大のショートスクイーズ大作戦【8】ショート戦略の軌跡1年半

        • 史上最大のショートスクイーズ大作戦【7】流動性の枯渇&大爆発

          史上最大のショートスクイーズ大作戦【6】一週間に13回罰金命令が下る指定業者

          NYSEには指定マーケットメーカー制度(DMM: Designated Market Maker)がある。NYSEの説明によると とされている。「真の説明責任を負う唯一の市場参加者」というほどだから、よほどの厳しい審査を経て選ばれているのだろう。 現在このDMMに指定されているのはシタデル・セキュリティ(Citadel Securities LLC)、GTSセキュリティ(GTS Securities LLC)、ヴィルトゥ・アメリカ(Virtu Americas LLC)の

          史上最大のショートスクイーズ大作戦【6】一週間に13回罰金命令が下る指定業者

          史上最大のショートスクイーズ大作戦【5】伝統と格式ある米国株式市場が実は不正市場だなんて、そんなことあるわけが・・・が・・・が???

          「株式投資なんて参加者同士のハラの探り合い。百戦錬磨の機関が無知な個人投資家より有利なのは技量の差だし、資金力が違うから規模の大きい機関の意向に向かいやすいのも当然」 という、投資がうまくいかない個人投資家側のボヤキは、市場が公正なルールに則って機能している場合にのみ正当だ。もしも、一部の投資機関だけに有利に働くような裏ルールがあったとしたら、同じボヤキになるだろうか? 最近、SEC(米国証券取引委員会)の議長であるゲイリー・ゲンスラーがインタビューでこんな発言をして話題

          史上最大のショートスクイーズ大作戦【5】伝統と格式ある米国株式市場が実は不正市場だなんて、そんなことあるわけが・・・が・・・が???

          史上最大のショートスクイーズ大作戦【4】$GME $AMCホルダー(APE)の基本戦略

          ゴールはもう少し先かなと思っていたが、風雲急を告げる展開になってきたかもしれないので、駆け足で全体像を描こう。 斜陽産業? 経営失敗? それともショート?過去も未来も順風満帆が保証された業界などそうそうあるものではない。アメリカ文化の一角を担い、20世紀を通じてアメリカ文化を世界に広めてきた映画界も例外ではない。家庭にテレビが普及し、ビデオが広がり、スマホでもストリーミングで気軽に映像作品を閲覧し、YouTubeなどで無料の動画が楽しめる環境が整うと、しだいに映画館の需要が

          史上最大のショートスクイーズ大作戦【4】$GME $AMCホルダー(APE)の基本戦略

          史上最大のショートスクイーズ大作戦【3】ショートスクイーズの仕組み

          ショートスクイーズとの出会い投資を始めた当初、株価は企業の業績を反映するものだと素直に思っていた。つまり、これから業績が伸びる企業の株を安値で買い、期待通りに株価が上がったときに高値で売れば儲かるのだと。 米国株では「ロング」と呼ばれるこの考え方は、もっとも基本的な投資の考え方だと思う。だからこそ「これから業績が伸びる企業」の選定が重要なのだが、それだけでは複雑に立場が絡み合った「市場」というものは理解できない。私にそのことをいきなり突きつけたのが2021年1月の「Game

          史上最大のショートスクイーズ大作戦【3】ショートスクイーズの仕組み

          史上最大のショートスクイーズ大作戦【2】寓話「AMCむかしばなし」

          あるところに、10株だけ発行された映画館の株がありました。 疫病がはやったある年、映画館が閉鎖されて、その映画館の株は値下がりしました。 そして、それに便乗して、映画館の株を誰かから借りて高く売ってから安く買い戻しては利ざやをかせぐショーターというグループが現れたのです。 あるとき、ショーターが映画館の貸株6株を売りました。いつものようにみんなを脅して株を安く買い戻そうとしたら、どこからともなく現れた猿の軍団が、8株買って握ったまま、株を手離さないのです。 猿たちは、どこで

          史上最大のショートスクイーズ大作戦【2】寓話「AMCむかしばなし」

          史上最大のショートスクイーズ大作戦【1】MOASSと$GMEと$AMC

          GME騒動とショートスクイーズMOASS = Mother Of All Short Squeezesとは何か。 2021年1月22日に42ドル前後だったアメリカのゲーム機器販売会社GameStop(ニューヨーク証券取引所NYSE上場)の株式銘柄$GMEが、それからわずか一週間後の1月28日に10倍以上の483ドルまで10倍以上に駆け上ったGameStop事件については日本でも各種媒体で報じられた。 しかし、突発的な現象としての紹介が多く、その背後にあるMOASS思想や米国

          史上最大のショートスクイーズ大作戦【1】MOASSと$GMEと$AMC