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スーパーボウル広告の呪い、ハーフタイムショーは無報酬、手作りフットボールの価値

1. スーパーボウル広告の呪い:次はAI業界か?

20205年のスーパーボウルCMスポット価格がついに 30秒あたり800万ドル という記録的な水準に達しました。しかし、過去を振り返ると、スーパーボウルCMには 企業にとって逆効果となる「呪い」 が存在するのを知ってますか?

たとえば、暗号通貨業界は3年前のスーパーボウルで大規模な広告キャンペーンを展開しましたが、その後、FTXの破綻などにより業界全体が大きな打撃を受けました。さらに、昨年は電気自動車(EV)関連企業が広告の主役となりましたが、その後、販売台数の伸び悩みや貿易関税の問題が発生しました。

そして2025年、スーパーボウルの広告市場に参戦するのは AI業界 です。OpenAIやGoogleがAI技術を前面に押し出したCMを放映予定。しかし、過去の「呪い」を考えると、AI業界も同じ運命をたどるのではないかと懸念する声もあります。

いま、アメリカの広告業界で最も価値があるのは、間違いなくスーパーボウルのCM枠。なぜなら、スーパーボウルは 「アメリカ国民が唯一一緒に観る番組」 だからです。ケーブルテレビの視聴者が半減している現代においても、スーパーボウルの広告価値はむしろ上昇しています。その理由は次の3つです。

  • スキップ不可:他のプラットフォームとは異なり、視聴者は広告を飛ばせません。

  • 政治色が薄い:SNSやニュースサイトとは異なり、スーパーボウルは比較的中立的なコンテンツです。

  • 人々が楽しみにしている:企業はスーパーボウルの広告に全力を注ぎ、話題性のある内容を制作するため、視聴者も期待しています。

スーパーボウル広告がもたらす影響力は計り知れません。しかし、過去の事例を見れば、AI業界にとってこのCMが本当にプラスになるのか? という疑問が残ります。スーパーボウルのCMは、企業にとって「呪い」なのか、それとも「成功の扉」なのか。その答えが出るのは、これから1年後です。


2. スーパーボウル・ハーフタイムショー:史上最も価値ある「無報酬ギグ」

みなさん、スーパーボウルのハーフタイムショーといえば、毎年世界中で注目される 一大イベント。しかし、驚くべきことに、出演アーティストは 報酬ゼロ でステージに立っています。なぜ、スーパーボウルの舞台で「無給」でパフォーマンスするのでしょうか?

今年、ハーフタイムショーに登場するのは ケンドリック・ラマー。彼も例外なく、出演料は 0ドル です。彼には 1,500万ドルの制作予算 が与えられますが、これはセット、ダンサー、特殊効果、リハーサルなどに充てるだけ。それはなぜか?ハーフタイムショーは「出演料なし」でも 巨大なマーケティング効果 をもたらすからです。

実際に、過去のアーティストたちがどれだけの恩恵を受けたのかを見てみましょう。

  • アッシャー:スーパーボウル出演後、コンサートチケットの価格が 40%上昇

  • ジャスティン・ティンバーレイク:楽曲のストリーミング数が 500%増加

  • リアーナ:Instagramのフォロワーが 300万人増加 し、自身のブランド「Fenty Beauty」の検索数が 800%急増

つまり、スーパーボウルのステージに立つことは、単なるパフォーマンスではなく 世界最大の無料広告 なのです。

そして、ケンドリック・ラマーにとって、これは絶好のタイミング。彼は 4月からの新しいコンサートツアーを発表 したばかりで、スーパーボウルのパフォーマンスによる影響でチケット販売が加速することが予想されます。さらに、彼は「サウスパーク」のクリエイターと映画を共同制作する予定もあり、ここで得た注目が今後のプロジェクトに追い風となるでしょう。

スーパーボウルのハーフタイムショーは「ゼロ円の出演料」ではなく 数億円規模のビジネスチャンス なのです。


3. ウィルソンのフットボール工場:手作りの価値は消えない

NFLで使用されるフットボールが、すべて オハイオ州エイダのウィルソン工場で手作りされている ことを知ってますか?

1955年以来、この工場は 年間50万個のフットボールを生産 し、そのうち 27,000個がNFL向け に供給されています。驚くべきことに、最新の工場であるにもかかわらず、製造プロセスの多くは 手作業。ロボットによる自動化は導入されていません。

なぜでしょうか? その答えは 「手作りだからこそ価値がある」 からです。

公式NFLボール「デューク」は 1つ150ドル という高価格ですが、その理由のひとつが「アメリカで手作りされていること」にあります。実際、NFLは すべての公式試合用ボールをアメリカ国内で製造することを義務付けており、この伝統を守り続けています。

さらに、近年では技術の進化により、フットボールに マイクロチップが内蔵 され、試合中のスピードや軌道をリアルタイムで分析できるようになりました。これにより、伝統的な職人技と最新技術の融合が実現しています。

しかし、ここで注目すべきなのは 「自動化が進むほど、人々は手作りの価値をより高く評価する」 ということです。これはフットボールに限った話ではなく、ファッションや自動車など多くの業界でも同じ現象が起きています。

ウィルソンのフットボールが示しているのは、 テクノロジーが発展するほど、人々は「人の手が生み出すもの」に価値を見出すようになる ということ。AIや自動化が進む時代だからこそ、「職人技の価値」はより一層際立つのでしょう。

より詳しく知りたい人は元のTBOY Youtubeをチェック!
Youtube: https://youtu.be/n4dPd7LLb4k?si=VnTg0Lo-5bzrNYsy

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