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2024年8月後半日経平均相場の振り返り
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① 日経平均チャート
8月後半相場を振り返ると、日経平均株価は38000円を挟んだ横ばい状態で上下値幅も1100円程度と前半の急変動が噓のようである。
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② 東証プライム売買代金
日経平均株価が38000円台で伸び悩む展開となっている理由には幾つか考えられるが、その一つとして考えられるのは2024年初からの累積売買代金を価格帯別にみると38000円~38500円が最も多い、この価格帯での東証プライム市場の累計売買代金は、年初から8月末までの間で約140兆円となる。
この水準を上回ると含み益となる投資家が多くなるということでる。
よって戻り待ちの売りが出やすく需給面の抵抗線となっている。
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③ NYダウ
では買いがしっかりと入ってくる理由は、先ずは米国の株高があげられる。
米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は、主要中央銀行の首脳や経済学者が集う経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」の講演で「政策を調整すべき時が来た」と次回9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げをほぼ明言した。
これを受けニューヨークダウは新高値を更新した。
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④ キャノン自社株買い
他には自社株買いが上げられる。
日経平均株価が前営業日比4451円と過去最大の下落を記録した8月5日の翌6日、キャノンは1000億円を上限とする自社株買いを発表した。
急落した株価をみて割安な水準だと判断。
「このタイミングの自社株買いは当社にとっても、株主にとってもメリットがあると考え機動的に判断した」と同社はいう。
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⑤ 大和ハウス自社株買い
7日には大和ハウス工業が1000億円の自社株買いを発表した。
発表資料には「資本効率向上を図る」との狙いを明確に盛り込み、規模も前回の約3倍とインパクトを勘案したという。
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⑥ 日本パーカライジング自社株買い
日本パーカライジングは9日150億円の自社株買いを発表した。
「株価対応として積み上がった資本を株主に還元する」との説明だ、金額は小さく思えるが発行済株式数の10%弱と大きい。
他にも伊藤忠、PEX、いすゞ自動車、SMC、アサヒ、小田急、アシックス、東邦HD、ソフトバンクG、NTTなどが自社株買いを発表しているが、明らかに他の銘柄より戻りは大きい。
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⑦ アクティビスト
もう一つはアクティビストの押し目買いの姿勢だ。
旧村上ファンド系の投資会社、シティインデックスイレブンスによる保有が明らかになった。
関東財務局への提出書類によると、シティ社が過去60日で初めてイリソ電子株を買ったのは7月25日、日経平均が変調しはじめた8月2日に買いの手を強め、5日からの週で100万株以上を取得した。
13日の時点で保有比率が5%を超え5営業日以内の開示義務が生じた。
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⑧ アクティビスト動向
他にもアクティにストとされる投資家による日本株の買い増し報告や新規開示を集計すると8月5日からの2週間あまりで25件あった。
この様にアクティビストが急落局面で抜けず、買い向かっていたことは、日本株高をもたらした投資家と企業の対話の好循環は不変との見方が安心材料になっている。
8月後半は以上のような環境であった。
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⑨ セブン&アイHD
最後に今月の話題として2つ紹介しておこう。
1つは19日、セブン&アイ・ホールディングスがカナダのコンビニエンスストア大手、アリマンタシォン・クシュタールから買収提案を受けていると発表した。
セブン&アイは経済産業省が定める企業買収における行動指針を踏まえ、社外取締役のスティーブン・ヘイズ・デイカス氏を委員長とした特別委員会を立ち上げ、提案が企業価値を適切に評価したものか、長期的な成長につながるものかなどの検討を始めた。
この買収が成立するかは疑問符がつくが、実現したら間違いなく過去最大のアウトイン案件だ。
セブン&アイの時価総額は発表前で約5兆円弱、月末で約5.4兆円。
TOBのプレミアムが一般的な3~4割程度と仮定すると、7兆円台の超大型案件となる。今後の動向に注意したい。
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⑩ トヨタ&BMW全面提携
最後にトヨタ自動車とBMWが燃料電池車(FCV)で全面提携するニュースがでた。
トヨタが水素タンクのほか水素を使って発電する「燃料電池」などの水素関連の基幹部品を全面供給し、BMWが数年内にFCVの量産車を発売するというものである。
トヨタは14年に世界初の量産FCV「ミライ」を発売したが、販売が伸びないまま約10年が過ぎた。
その間急速にEV市場が拡大した。
FCVの普及が進まなかった背景には水素の充填設備の不足がある。
普及が進まないため、車両や水素自体の価格も下がらない負のサイクルに陥っている。
トヨタとBMWはコストの多くを占める水素関連システムの基幹部品を共通化し、FCVの価格を抑えたい考えだ。
私個人的にはFCV推しである。
FCVはEVと比べると航続距離が長く、長距離走行に向く点がある。
EVが航続距離を伸ばすには車載電池の容量を増やす必要があり、重くなってエネルギー効率が低下してしまうからだ。
またエネルギーの充填時間もEVは急速充電しても60分程度かかるが、FCVなら3分程度と短いことなどである。
今後の水素ステーションの整備が進むことを切に願うばかりである。
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