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2024年9月後半日経平均相場の振り返り


①    日経平均チャート

9月後半相場を振り返ると、日経平均株価は中旬から27日まで大幅な右肩上がりの相場となった。

 

②    米FOMC

この間、17~18日に米国では米連邦準備理事会(FOMC)が開催、19~20日に国内では日銀の金融政策決定会合が開催された。
18日のFOMCでは通常の倍の0.5%の利下げを決め、政策金利の指標であるフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を4.75~5.00%とした。
多くのエコノミストが0.25%の利下げを予想していたため、0.5%の利下げ幅はサプライズだった。

③    為替チャート

直後の市場は金利低下やドルの下落で反応し、円相場は一時142円前後から140円台まで上昇した。
その後は利下げペースが穏やかになるとの見方から円売り・ドル買いが優勢になった。
FRBの政策目標である物価と雇用は目下のところいずれも堅調であるが、それでも利下げに踏み切ったのは、高い金利政策が経済の急減速を引き起こす前に、あらかじめ政策金利を引き下げ、深刻な景気後退を回避しようという狙いがある。
FRBのパウエル議長は同日の記者会見で、大幅利下げは時宣を得たものであり、後手に回らないという決意の表れと強調している。
このような予防的利下げは金利低下につながりにくいという経験則がある。
突発的な経済・金融危機に対応する利下げとは異なり、予防的利下げは、事前に市場に織り込まれやすい。
このため利下げ後には金利は低下しにくくなる。
実際利下げ後、米10年国債の利回りは3.7%台で推移している。

④    日銀金融政策決定会合

20日には日銀の金融政策決定会合後、植田和男総裁は記者会見で、今後の利上げ時期を慎重に見極める考えをしめした。
追加利上げに前向きな姿勢が目立った前回7月の金融政策決定会合時からトーンを変えた背景には、円安の修正で政策判断の時間的余裕ができたことがある。
この会見開始時に1ドル=141円台だった円相場は会見後には144円台まで下落した。
このような、やや円安傾向と米国株高や中国人民銀行(中央銀行)による幅広い金融緩和措置と不動産市場支援策も追い風となり、27日まで日本株は上昇ピッチを上げていき27日には日経平均株価は39829円の高値引けとなった。
終値で39000円を上回るのは7月以来約2カ月ぶりである。

⑤    自民党総裁選

ただ27日は自民党総裁選の投開票日であり、そこに株価を大きく動かす要因があった。
自民党総裁選は当初石破茂氏がリードし、それを高市早苗氏、小泉進次郎氏が追いかける三つ巴の展開であったが、後半には高市氏追い上げが顕著だった。
そして27日の午後に投開票が始まり、1回目投票で高市早苗経済安全保障相がトップとなった。
高市氏は安倍晋三政権の経済政策「アベノミクス」の継承などを揚げ、日銀の利上げについて「はっきり言うと早い」と発言し、「金融緩和は続けるべき」と主張していることもあり、高市氏が新総裁に就任する可能性が意識され、外国為替市場では一時146円台半ばまで円安・ドル高が進行し、日経平均を押し上げた。

⑥    高市トレード石破ショック

しかし決選投票では石破氏が逆転で勝利した。
この結果を受け為替市場では、ここまでの高市トレードの巻き戻しで142円台まで円高が進んだ。
そして、イブニング取引が開始されると先物には売りが殺到し、37900円のスタートとなってしまった。
ちょうど26日と27日の上昇分が消えてしまった。
しかしこれは高市トレードで上昇した分と考えるとピッタリである。
今後の石破総裁に期待したい。
 最後に今月の話題を紹介しよう。

⑦    東京メトロ上場

皆さんご存じの東京メトロが10月に上場します。
東京証券取引所は東京メトロのプライム市場の上場を承認した。
上場予定日は10月23日で、想定売り出し価格に基づく時価総額は約6400億円と大型上場になる見込み。
これにより業種別日経平均株価の「鉄道・バス」は発表後に日経平均の上昇とは逆に下落している。
これはメトロが上場後は鉄道株を保有する機関投資家が東京メトロに資金を振り向けるため、他の鉄道株に換金売りを出すと想定しているからである。
私個人的には鉄道株は好きなので、大注目している。

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