2024/11/7のFOMC後の記者会見をメモしておく
はじめに
2024/11/7のFOMC後のパウエル議長の記者会見を聞いたので、簡単にまとめておく。今回はサプライズ的なものはなかったので、改めてのニュースバリューは大きくないと思うが、定点観測的にこういうときもまとめておくといつか役に立つと思っている。
オーバービュー
経済指標は思ったよりこの一か月は強い。ダウンサイドリスクがある程度弱まったといえる、インフレレポートは、予想より少し高かった。最大雇用と価格の安定がFEDのミッション。雇用市場は少し冷えてきていて、これ以上冷えてほしくない。インフレはこの二年、下向きに動いている。
決定した金融政策
0.25bp利下げ、セキュリティーholdingsを減らす。
今回の利下げは経済と雇用の安定に資するだろう。
現在の雇用状況
Jobとworkerのギャップは狭まった。ペイロール上昇は弱まった。失業率は上がった。
現在の経済状況
2024年の米国GDPは、昨年比+2.8%になる見込み。10月末発表のPCEは2.1%で、コアPCEは2.7%だった。経済は強い。消費も強い。ハウジングが弱い。サプライコンディションは良い。
地方銀行などのCEOから聞いている話からは、今の経済は強い。地域によっては注意が必要なことは否定しないが、雇用環境もいい。
地政学的リスクは増しているけど、米国経済にはあまり影響を与えていないようだ。
インフレ今後の見通し
目標インフレ率は、2% longer run goalで変わらない。長期国債の利率は現在はFEDの考えには影響は与えていない。長期インフレ期待が高まっていれば何かアクションをしなければいけないが、今はその段階ではない。政府の借金も持続不可能なレベルとは思っていない。
今後の利下げペース
9月時点ではインフレ正常化に向かっていた。その認識はみんな持っていた。これは今も変わってない。データを見ないと12月どうするべきかはわからない。利下げペースはpresetせず、会議ごとに判断していく。インフレが急低下もしくは雇用が急に悪化したらそれに応じた利下げをしていく。
(来年の利上げはありうると思うか、の質問に対して)来年利上げするとは今のところは思っていないし、そのような見通しではない。九月のSEP(Summary of Economic Projection)からは見方は変わっていない。ただし、データを見て政策判断していくので、来年利上げの可能性は100%の否定はできないけど。