資生堂の株価が5%も下げた理由とは?中国関連銘柄への向き合い方も解説
みなさんこんにちは!
最近食べた麻婆茄子がおいしすぎて感動した、インターン生の谷口です🍽
早速ですが、まずはこちらのグラフをご覧ください。
こちらは10/29-11/5にかけての資生堂の株価推移を表したグラフです。
11月1日、唐突に5%安の株価から取引が始まり、さらにその後も株価は下げたまま横ばいで推移しています📉
この日の前後に資生堂から何か発表があったという訳でもありません。
そこで、以下2点の疑問が浮かび上がります。
なぜ資生堂の株価は急落したのか
なぜその後の回復が鈍いのか
この記事ではその理由と、今後の市場シナリオについて取り上げていこうと思います。
米国エスティローダー社の急落
単刀直入に言うと、資生堂が急落した理由は、ずばり同日に発表された米国エスティローダー社の決算発表にあります。
エスティローダー社は資生堂と同じ化粧品の会社です💄
特に、2025年1Qの決算発表では以下の点が、市場にネガティブに受け止められました。
アジアパシフィック地域での売上高が前年比11%減少
2025年通期ガイダンス撤回
減配
通期ガイダンス(会社自身が出す来期の業績予想)が撤回されたり、減配が行われたという時点で、ヤバい雰囲気が伝わって来ますよね……
ガイダンスの撤回や減配は、将来の業績に対して大きな不安感を抱かせる情報です。
ここでさらに、アジアパシフィック地域についての詳細を見ていきます。
中国での売上高が2桁台の減少
香港でのトラベルリテール不振
主に中国での低い消費感情に影響されて、中国での売上が低迷し、アジアパシフィック地域の売上高が減少しているようです。
この決算を受けて、エスティローダー株は20%以上下落し、それにつられる形で資生堂の株価も大きく下落しました。
したがって、資生堂の5%安は同業他社の悪い決算を受けた思惑売りであったということがわかります。
中国市場の割合と株価の動き
ではなぜ資生堂の株価とエスティローダーの株価は5%安の後も回復が鈍いのでしょうか?
エスティローダー社と資生堂の2社に共通していることは、中国での売上高が全体の25-30%ほどを占めているということです。
これは他の化粧品企業と比べると多い割合となっています。
例えばコーセーの直近の第1四半期決算では、アジア地域の売上高に占める割合は12.4%です。
資生堂との構成比の違いは、11/1以降の株価の回復具合の差にも表れています。
資生堂が5%安になって以降なかなか反発しない一方、コーセーは5%安で底をつけて2.5%安ほどまで回復してきています。
このことから、
急落後の株価形成では、中国市場の不透明感に加え、中国市場への依存度合いが意識されている
ということが分かります。
中国関連銘柄の中での選別が進む
このように中国市場の不透明感が株価に影響を与えている中、事業の地域ポートフォリオにおいて中国市場の割合の高い銘柄には、これからどのようなシナリオが考えられるでしょうか。
わたしが考えるシナリオは、中国依存の高い銘柄であっても、真に稼ぐ力のある企業へ中長期的に資金が流入していくというものです。
みなさまご存じの通り、9/24に中国政府が大規模な景気刺激策を行うと発表してから、中国株式指数はその期待を受け大きく上昇しました。
また日本株のなかでも、資生堂や安川電機といった、中国景気の影響を強く受ける中国関連銘柄は軒並み上昇しました。
景気刺激策の発表以降、中国の株価指数の値動きは一旦膠着状態となっています。
日本株でも同じように、3週間ほどで一旦短期の資金は抜けて、上昇分は戻している銘柄が多いです。
しかしここから、個別企業に対する選択がすすみ、良い企業に対して資金が流れ始めるというシナリオは十分考えられます。
例えば、決算においてポジティブサプライズのあったサイゼリヤは、9/24の株価と比べて5%高となっている一方、ネガティブサプライズのあった安川電機は-0.53%安となっています。
サイゼリヤは24/8月期において、営業利益の約7割が中国市場からであり、中国市場の影響を強く受ける銘柄です。
それでも株価が上昇しているということは、投資家がそれだけサイゼリヤの稼ぐポテンシャルを評価していると解釈できます。
さらに、以下の記事で言及されていたように、モルガンスタンレーのアナリストレポートにおいて「中国店舗の売上が好調」と示されるなど、ポジティブな情報があることも追い風となっています。
これに加えて、市場が予測していないサプライズとなる経済政策があれば、さらに大きな上昇要因なると考えられます。
その上で、以下の2つの記事の中でも言及されているように、
「しっかりと消費を下支えする景気刺激策を打つことができるのか」というところも、マーケットから注目されるポイントとなっていくでしょう。
まとめ
最後までご覧いただきありがとうございます。
なんの前触れもなく5%安からはじまった資生堂の株価の動きの裏には、以下2点の理由がありました。
同業他社の決算を受けた思惑売り
事業ポートフォリオの偏りが意識された株価形成
この先も中国景気は、日本株に対して大きな影響を与えていくことが予想されます。
そのような状況下でも、良い企業を見つけることで、超過利益を出していくことは可能であると思います。
寒さに負けず、良い投資ライフをお過ごしください!
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