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相場格言・・・って書いたものの ◇其の拾陸「判断を誤ることは正常なことだ。それを修正しないのが異常である」

相場格言「判断を誤ることは正常なことだ。それを修正しないのが異常である」

【はんだんをあやまることはせいじょうなことだ。それをしゅうせいしないのがいじょうである】

<意味>

ウォール街の相場格言。投資家が相場見通しなどで判断を誤ることは少しも不思議なことではなく、むしろ当然である。間違っていれば、それを素直に認め、間違いを反省し、見方を修正すればよいこと。


<思うこと>

「経営の神様」といわれた松下電器産業株式会社(現:パナソニック・ホールディングス)の創業者である松下幸之助が以下のような言葉を残しています。

「徳川家康は日本の歴史上最もすぐれた指導者の一人であり、その考え方なり、業績に学ぶべきものは多々ある。しかし、だからと言って他の人が家康の通りにやったらうまくいくかというと、そうではない。

むしろ失敗する場合が多いと思う。と言うのは、家康のやり方は家康という人にして、はじめて成功するのであって、家康とはいろいろな意味で持ち味の違う別の人がやっても、それはうまくいかないものである。」

松下幸之助「一日一話」より

株式投資の世界でもウォーレン・バフェットの投資方法を学んだ人は数えきれないほどいますが、ウォーレン・バフェットのような投資家になった人はいません。
 
自分に合った投資方法を見つけるには投資を実際にやって、間違ったら、反省して修正することを繰り返していくしかありません。
 
株式投資でリスク管理が必要だといわれるのは間違いがあるためです。


自分も株式投資の失敗は数えきれないほどあります。その1つが日本板硝子(証券コード:5202)の投資です。社名の通り、ガラスを製造する会社です。

ガラスは建物の窓、自動車、ディスプレイ、レンズなど、至る所に使われています。
 
また、ガラスの代替品はないので、世界の産業が伸びれば、需要も伸び続けると思っていました。調査会社の資料を読んでも世界のガラスの需要は増加傾向が続くと書かれていました。
 
日本板硝子の株を購入したときはPBR=約1.5倍、PER=約10%で割高感はありませんでした。
 
しかし、業績は伸びるどころか、赤字になる期もよくありました。

理由は以下のことだと考えています。

  1. 売上総利益(粗利)が小さいので、量を売らないと利益がでない。

  2. ガラス製造では高炉を使用するため、エネルギー価格が上昇すると原価が上がり、利益を圧迫する。

  3. 競合他社が多いので、原価の上昇分全てを価格転嫁するのが難しい。

結局、購入金額の半値で損切りしました。ただ、リスク管理をして、投資金額は少なめにしておいたので、その後の投資に大きな影響を与えることはありませんでした。
 
なぜ失敗したのか理由がわかり、その後の株式投資の判断材料に使えているので、実のある損失だと思っています。
 
このような失敗から何かを学ぶことは自分が大学4年の卒業研究(工学部)の時もやっていました。


<相場格言と全然関係ない経験談>

基本的に卒業研究の進め方は図1のように実験をして、失敗したら、失敗したデータを元に再実験をして、成功するまで繰り返すパターンでした。

図1 卒業研究の進め方

実験に失敗しても、「こうすればうまくいくのではないか」というアイデアが思い浮かべば研究は面白いのですが、何もアイデアが思い浮かばないと辛いです。
 
その時は、関連書や論文を読んだり、指導教授にアドバイスをもらったりして、なんとかアイデアを考えます。
 
学士レベルの卒業研究なので、根気よく実験を続けていけば実験はなんとかうまくいきます。
 
卒業研究の進め方は誰に教えてもらったわけではなく、なんとなく身についていました。たぶん、子供の頃、工作が好きで、失敗を繰り返しながら完成させていくうちに、そのような考え方が身についたようです。

 子供の頃は無意識でやっていましたが、それを意識するようになったのはアニメ「赤毛のアン」を観たときです。

アニメ「赤毛のアン」より

アニメ「赤毛のアン」は1979年に放映開始されましたが、数え切れない程、再放送したので観た方も多いと思います。
 
スタッフには
監督・脚本:高畑勲
キャラクターデザイン:近藤喜文
美術設定等:宮崎駿
という全盛期のスタジオジブリで活躍した人が多く関わっています。(巨匠宮崎駿を最後に書いたのはメインスタッフではないからです・・)
 
アンは多くの失敗をしますが、失敗を繰り返しながら成長していきます。
第22章「香料ちがい」で、アンは育ての親であるマリラとの間で次のような会話をします。

アン:「私、同じ失敗は二度と繰り返したことはないわ。」
マリラ:「やれやれ…。次から次へと新しいのをやらかすんだから同じ事さ。」
アン:「まあ、マリラわからない?一人の人間がする間違いには、きっと限界があるわよ。そう思うと私ほっとするわ!!」

この会話を聞いて、とても実感が湧き、強く心に残りました。
 
ただ、自分は同じ失敗をしてしまうことがあるので、同じ失敗をしないように心がけてはいます。

-おわり-


















「おまけ」です。
 
小説「赤毛のアン・シリーズ」を紹介します。
カナダでは1作目が1908年に発表されているので、100年以上前の作品になります。
 
この時代も人気作品になると続編が出る傾向があったようで、アンの子供達が成人して、第一次世界大戦などの辛く厳しい時代も描かれています。

<赤毛のアン・シリーズ>
1:赤毛のアン
2:アンの青春
3:アンの愛情
4:アンの友達
5:アンの幸福
6:アンの夢の家
7:炉辺荘(イングルサイド)のアン
8:アンをめぐる人々
9:虹の谷のアン
10:アンの娘リラ
11:アンの想い出の日々〈上〉
12:アンの想い出の日々〈下〉

人気作品の続編はだいたい前作よりも面白いと感じることがないので、1作目の「赤毛のアン」のファンであれば、続編を読んでみることをお勧めします。


ついでに、アニメ「赤毛のアン」も紹介しときます。

絵が古く見えるかもしれませんが、登場人物と声優さんがとてもマッチしていて、声を聞くだけでも、アンの世界に入っていきそうです。
 
子供はアンの視点、大人はマシュウやマリラの視点で見られるような作りになっているので、どの年齢層でも楽しめるアニメだと思っています。


-本当のおわり-


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