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創作 霊験(2)-⑤ 油問屋の娘の願い

 翌日、油問屋の娘は生け花を休んだ。
 昼間は、おとっつぁんもおっかさんも御店の方で働いている。
 思いたあるところはいくつかあるが、探す時間は多ければ多い方が安心だ。
 お花のお師匠さんは後で心配して訪ねてくるだろうか。そうだ、下働きの娘の娘に休みを伝えさせよう。行こうとしたら途中で具合が悪くなったとか。
 両親にもそれで言い訳ができる。それに、お花のお師匠さんは休んだことを両親に伝えないかも知れない。そうすれば、そんな作り話さえもいう必要がなくなるわ。


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