創作 僕は自転車で⑩
ぼくの知らない話
その日、こども部屋で興奮して機嫌の悪い明日香となんだか疲れたぼくを寝かしつけた後、母は缶酎ハイ飲んじゃうね、と、冷蔵庫から取り出した350ml缶を父に向かって振った。
「どうぞ、どうぞ。」父の声にプルタブのカチッと開く音が重なる。
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