創作　僕は自転車で　⑧

　1歳の明日香は元気いっぱいで、すごくよくおしゃべりして、すごく良く動いて、2歳の明日香はぼくにああして、こうして、って指示を出して、遊び相手になってくれた。　
　3歳の明日香は、グングン大きくなって、あまりぼくと変わらない背丈になっていた。そして、ぼくと同じ幼稚園に入園した。
　母はぼくたち二人を一緒に幼稚園に送ってくるから、それを見ていた保育園の子供たちは、ぼくと明日香が兄妹だってすぐにわかる。
　だから、明日香や新入園の子供たちが幼稚園に慣れ始めたころ、何人かで砂場で遊んでいた明日香のところに、「ねぇ、ねぇ、あの人、あんたのお兄ちゃんなの？」と言ってくるこがやってきた。
　「そうだよ。コウタだよ。」と、明日香がスコップを片手に答える。